褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 ドライビング Miss デイジー(1989) 友達は一生の宝物です 

2012年05月24日 | 映画(た行)
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 長年の間、勘違いしていたことがあった。アメリカという国は自由と平等の国であり、能力があれば誰にでも成功を収める可能性のある国だと思っていた。しかし、アメリカの歴史をちょっと勉強すれば気付くことだが、あの国は大して自由があるわけでもないし、恐ろしいほどの不平等がまかり通っているのは黒人に対する差別問題を見れば明らか。
 そして差別問題は黒人だけでなく、白人同士の中にも存在する。WASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)と呼ばれる白人のエリート意識を持った特権階級者が、ユダヤ系、アイルランド系、イタリア系などの白人人種に対して差別感情を持っている。だからWASPの支配する社会の中に、白人の中でもマイノリティに属する彼らがが成功するのは昔ほどでは無くても、現在でも実は相当大変だ。ましてや黄色人種がアメリカで成功することなどほとんど皆無に等しい。よくアメリカは誰にでも平等にチャンスが与えられているなどと言うことを耳にするが、そんなものは全くの嘘だということに今頃やっと気付いた。
 
 今でこそアメリカ映画の中心地はハリウッドであることは常識だが、元々はニューヨークを中心とする東海岸側がアメリカ映画の中心。東海岸地区で絶対的な権力を持つWASPの連中から逃れるように西海岸のハリウッドで映画産業を発展させてきたのは主にユダヤ系の人達。MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)のサミュエル・ゴールドウィンやルイス・B・メイヤー、WB(ワーナー・ブラザーズ)のワーナー兄弟たち等、映画会社を設立したのはユダヤ系の人達。そして現在もプロデューサー兼監督として活躍するスティーヴン・スピルバーグはユダヤ系だ。

 よくハリウッド映画に黒人に対する人種偏見をテーマにした映画が観られるが、そのような映画を観るたびに本当にハリウッドの映画人達の自国を省みる姿勢、勇気は素晴らしいと思ったりする。しかし、よく考えてみれば大昔から白人社会の中でも迫害されてきたユダヤ系の人達が集まって人種偏見問題を描くことは実は自国アメリカの歴史を省みているのでも無く、WASPに対するアンチテーゼを訴えている意味もあるのだろう。もしハリウッドがWASPの影響が最初から大きければ、人種偏見を描いた映画は殆ど作られることも無かっただろう。逆に人種偏見を正当化するような映画を作りかねない。
 
 だいたい黒人が絡む人種偏見映画のパターンと言えば、最初は激しい対立をしていた白人と黒人が最後は篤い友情で結ばれるパターンが多い。例えば古い映画ならば夜の大走査線手錠のままの脱獄
 これらの映画においては、日本人の目から見ると馬鹿馬鹿しいぐらいの白人と黒人が対立を繰り広げ、憎しみ合う様子が描かれるが、今回紹介するドライビング Miss デイジーは白人と黒人が仲良くすることに大いに感動するタイプの映画ではない。ユダヤ系の60歳を超えた未亡人と、初老に達する黒人運転手の25年間にわたる交流が描かれているが、お年寄りの愚痴、頑固さが笑えることが出来るし、介護が必要な老人の姿を見てショックを受けるのではなく、人生で大切なのは友達の存在だということに気付かせてくれるのだ。この映画を観て、俺も今からでも遅くは無い。心から信頼できる友達を作ろうと決心した。
 ユダヤ系白人とアフリカ系黒人の交流というテーマが、いかにも狙ってアカデミー賞を受賞した印象を受けるドライビング Miss デイジーを紹介します

ドライビングMissデイジー デラックス版 [DVD]
アルフレッド・ウーリー,アルフレッド・ウーリー
IMAGICA


 1948年、アメリカ南部のジョージア州アトランタが舞台。長年、教師をしていたユダヤ系の老未亡人であるデイジー(ジェシカ・ダンディ)は車を運転しようとするが、危うく大事故を起こしかける。息子のブーリン(ダン・エイクロイド)は母親の反対を押し切り、運転手を雇うことにする。
 デイジー(ダンディ)の運転手としてやって来たのは、初老の黒人のホーク(モーガン・フリーマン)。
 デイジー(ダンディ)は特に黒人に対して偏見を持っているわけでは無いのだが、ホーク(フリーマン)の運転する車には乗りたがらなかった。

 何かとデイジー(ダンディ)はホーク(フリーマン)に悪態をつくが、それでも飄々と仕事をこなしていくホーク(フリーマン)。ある日、デイジー(ダンディ)はホーク(フリーマン)を連れて墓参りに出かける。そこでデイジー(ダンディ)はホーク(フリーマン)が文盲である事を知るが、それ以来2人の間には主従関係がありながらも友情が生まれる。

 やがて25年の歳月が流れ、デイジー(ダンディ)は認知症が進んでしまい、彼女は老人ホームで暮らすことになるが・・・25年の中であらゆる風景は変わりながらも、25年前から色あせない友情は映画を観てください



 映画の中では色々と人種偏見を感じさせる出来事が起こったり、社会背景が描かれたりしていますが、案外ストーリーは淡々と進んでいきます。実は20年ぐらい前にも観ていたのですが、すっかりラストシーンは忘れていました。なかなか味わい深いラストシーンには好感が持てました。

 ハリウッド映画において人種偏見を描いた映画はたくさんありますが、アメリカ国内のユダヤ人差別を描いた映画ではエリア・カザン監督の紳士協定という映画がお勧めです。

 ユダヤ人女性、デイジーを演じるのはジェシカ・ダンディ。彼女の出演作品でライド・グリーン・トマトは女性にお勧めしたい映画です。他ではアルフレッド・ヒッチコック監督の名作でも重要な役で出演しています。

 そして黒人運転手のホークを演じるのが、名優モーガン・フリーマン。今さらこの人のお勧め作品を紹介するまでも無いですが、ベン・アフレックが監督をしたゴーン・ベイビー・ゴーンは意外性のある役を演じていて、映画自体も非常にクオリティーの高いお勧め作品です。

 そしてデイジーの息子役で会社の社長を演じるのがダン・エイクロイド。ブルース・ブラザーズで有名ですが、大ヒット映画ゴースト・バスターズが特に有名です。他にも多くの作品で貴重な脇役で出演していることが多いです。

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