褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 告発のとき(2007) 反戦映画というテーマ以上に

2011年12月05日 | 映画(か行)
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 今となってはイラク戦争がブッシュ前大統領が再選を果たすための支持率アップのためにやったということがわかるが、あの時はその作戦が見事に的中し楽々とブッシュが再選した。しかし、世論の変化とは怖いものでイラク戦争がテロリストとの泥沼状態の戦いに変化してからは、ブッシュ大統領の支持率はボロボロで末期症状。そんな時には反戦論者の勢いは強まり、映画の世界においてもイラク戦争を批判した反戦映画が次々と作られる。そんな流れに乗って製作されたのが今回紹介する映画告発のときです。

 ストーリーはイラク戦争から帰って来た息子が、無断で軍隊から離れたと元軍人である父親が連絡を受ける。軍人であった自分の息子が無断で離隊などあり得ないと息子の所属していた基地に向かうが、息子が惨殺死体で見つかる最悪の結果に。地元の警察の女刑事の協力を得て、息子の殺害事件の真相に迫ろうとするが・・・

 反戦映画というと戦場における非人道的、過酷さをダイレクトに見せる作品が多いが、今回紹介する告発のときは戦場のシーンは回想で使われるだけでかなり少ない。だから激しい銃撃戦はほとんど無く、ダイナマイトの爆発シーンも無い。しかし、この映画を観た後に我々は戦争はダメなんだという当たり前の事を思い、主人公の元軍人であるコテコテの愛国者の変化していく心情に何とも言えないやるせない気分に襲われるのである
 事件の真相を知った時、60歳を超えた人間が今まで持っていた誇り、価値観、信念がもろくも音を立てていく様子が非常にショッキングであり、他人の秘密を知ろうと携帯電話をこっそり見てはいけないことがよくわかる映画

 ちなみに邦題はまるで裁判映画みたいで的外れ。原題はIn the Valley of Elah(エラの谷)。旧約聖書の有名なストーリーで、後に古代イスラエルの王となる少年ダビデが誰もが戦うことを恐れた巨人ゴリアテを退治した場所の事です。この話は映画の中でも語られます。
 全体的に暗い気分になってしまう映画ですが、この原題に込められた意味に少しだけ希望を見出せる告発のときを紹介します

告発のとき [DVD]
トミー・リー・ジョーンズ,シャーリーズ・セロン,スーザン・サランドン,ジェームズ・フランコ,ジョナサン・タッカー
ポニーキャニオン


 2004年、軍警察を定年退職し今はすっかり隠居生活をしていたハンク(トミー・リー・ジョーンズ)の元に、イラク戦争から帰還し息子で軍人であるマイク(ジョナサン・タッカー)が軍から無断で抜け出し、行方不明になっていると連絡を受ける。
 軍人である自分の息子が軍から抜け出すことなどあり得ないと考えていたハンク(リー・ショーンズ)は一緒に行きたがる妻のジョアン(スーザン・サランドン)を自宅に残し、マイク(タッカー)が所属していた基地へ向かう。
 
 基地に到着したハンク(リー・ショーンズ)は、マイク(タッカー)と同じ部隊で活動し、一緒にイラクから帰ってきた彼の仲間たちと話すが彼らはマイク(タッカー)が、どこへ消えてしまったのか全く心当たりが無かった。軍警察や地元の警察にもマイク(タッカー)の捜索を願い出るが明らかに彼らもやる気がなかった。
 ハンク(リー・ショーンズ)はどうしたら良いか途方に暮れていたが、マイク(タッカー)の無残な姿になった死体が発見されたとの連絡をうける。

 ハンク(リー・ショーンズ)は地元の警察で女刑事のエミリー(シャーリーズ・セロン)の協力を得て、マイク(タッカー)が殺された真相を究明しようとするが・・・単なる犯人探しで終わらない展開は映画を観てください



 アメリカの国旗に表現されるハンク(トミー・リー・ジョーンズ)の心情の変化、そして父親にもわからなかった息子の本当の姿とは後味の良い映画ではありませんが、エミリー(シャーリーズ・セロン)が女手一つで育てている息子デビッドの姿に、ほんの少しの希望の光が見られます。

 監督はラッセル・クロウ主演のスリー・デイズが公開中のポール・ハギス。人種偏見問題を描いた群集劇スタイルのクラッシュは傑作です。

 主演のトミー・リー・ジョーンズは日本ではCMの宇宙人役が有名ですが、実は大変な名優。ハリソン・フォードをとことん追いかける刑事を演じた逃亡者はお勧めです。他にはクリント・イーストウッド監督のスペース・カウボーイは並み居る老俳優たちの中でも1番おいしい役を演じていました。

 男性社会の中で奮闘する女刑事役のシャーリーズ・セロンは今回は見た目は地味に抑えているシングル・マザーを演じていますが、実はもの凄く美人。綺麗なお姉さんから醜悪な連続殺人鬼まで演じてしまう演技派でもあります。色々な名作に出演していますが、まだ無名に近かった時のラッセ・ハルストレム監督のサイダー・ハウスルールがお勧め。この映画を観るまでは、女性の裸は前から見るのが良いに決まっていると思っていましたが、実は女性の裸の後姿は神様が与えた芸術作品だと驚嘆しました。こんなことを書く俺はやっぱりアホです。
 他にニキ・カーロ監督の社会派作品スタンドアップ、そして運命って不思議だなあ~と感じることができるあの日、欲望の大地でがお勧め。

 出番は少ないながらもスーザン・サランドンジョシュ・ブローリン等が出演しているなど、豪華キャストにも注目です。

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