ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

キキョウ

2018年11月21日 | 草木:草本

 1ヶ月ほど前だったか、インターネットを開くと、ホームサイトのニュースに美人の写真が写っていた。テレビを長く観ていないので見覚えは無いが、写真の横にあるその名前は知っている。福原愛、卓球の選手、泣き虫愛ちゃんで覚えている。しかし、パソコン画面に映っているその顔は、私の記憶している愛ちゃんとは違う美人、とても可愛い、内面から出てくる美しさなのだろうか、泣き虫愛ちゃんは素敵な女性に成長していた。

 愛ちゃんのニュースからさらに1ヶ月ほど前(9月中頃)、ベランダに花の1つでもと思ってホームセンターへ行き、花の苗を買う。買ったのはキキョウ。キキョウ、草花として有名だが、私は手元に置いてマジマジと見るのは初めて。数ヶ月前から薬草の勉強をしていて、キキョウも薬草の1種と知って、花もきれいだったので思わず購入。
 ネット上の福原愛さんは笑顔であった。その笑顔は何の不純物も混ざっていない笑顔だと私は感じた。そして、記事を読んで、彼女が「最近結婚した」ということを知る。「そうか、美しさは幸せの現れなんだろうな」と思う。幸せかどうかは不明だが、花の開き具合から笑顔、控えめな色から純粋を連想し、キキョウの花を思い出した。
 
 キキョウ(桔梗):花壇・薬草
 キキョウ科の多年草 基本種は日本、朝鮮半島、中国などに分布 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く不明。漢字表記の桔梗は広辞苑にあり「キキョウ科の多年草・・・根は牛蒡状で太く、乾して漢方生薬の桔梗とし・・・」とあり、桔梗は漢方薬の桔梗から来ており、キキョウは桔梗の日本語読みであると思われる。
 基本種は高さ1mほどにまでなるようだが、矮性の園芸品種が多く出回り、良く見かけるのは高さ10~30センチ程度のもの。花壇植栽に向く。
 根際から茎を多く分枝し、その先に花をつける。花は5弁の鐘形、基本種の花色は青紫で、開花期は6月~8月。園芸品種が様々あり、花色は他に淡紫、白などがあり、二重咲などもある。山地・草原に自生し、秋の七草の一つ。
 漢方生薬の桔梗は去痰・鎮咳・消炎薬とのこと。

 記:島乃ガジ丸 2018.11.19 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行
 『つる植物』沖縄都市環境研究会著 (有)沖縄出版発行
 『熱帯アジアの花』ウィリアム・ウォーレン著、チャールズ・イー・タトル出版発行
 『講談社園芸大百科事典』野間省一編集、講談社発行
 『沖縄の薬草百科』多和田真淳・大田文子著、那覇出版社発行
 『ネイチャーガイド琉球の樹木』大川智史、林将之著、株式会社文一総合出版


夢が夢で無いお年頃

2018年11月19日 | ガジ丸のお話

 十数年ぶりの同窓会があって参加した。青春していた昔の男子女子が多く集まって賑やかであった。立食形式のパーティー、小食の私は食べているより、昔可愛かった女子たちと話している時間を楽しんだ。飲兵衛の私は、昔可愛かった女子たちと話をしながらも手からグラスの離れる時間はほとんどなく、グラスを口に運ぶことも途切れなかった。
 昔可愛かった女子はたくさんいる。私の母校は女子が多く、その中には可愛い子も多くいた。今思い出して数えてみても手の指全部、足の指全部足しても足りないくらい。そんな彼女たちもオバサンになっていたが、それでもまだきれいな人が何人もいた。
 今でもきれいな人の何人かとおしゃべりして、それぞれが幸せな結婚生活をしていることを聞き、少し残念な思いをしつつも祝福し、「幸せだから良い顔、良い表情をしているのかもしれないなぁ」と感じた。「俺は良い顔してるかなぁ」と反省する。
 そんな時、声を掛けられた。振り向くと今でもきれいな人の中でもその上位に入る人であった。「○○くん、元気そうね。」と輝くような笑顔を見せる。きれいな人の中でもその上位に入る人なんだけど、私は何と、彼女の名前を思い出せなかった。
 「ごめん、名前が思い出せない、誰だっけ?」とバカな私は正直に訊く。彼女はそれには答えずニッコリ笑って、「じゃあまたね」と言い残し去って行った。
 「あんな美人忘れるなんて、確か1年の時、同じクラスだったぜ」と彼女の後ろ姿を眺めつつ思ったのだが、まだ思い出せない。その後も気になって彼女の姿を目で追うが、どこにいても彼女は輝いていて、すぐに見つけられた。でも、彼女はこっちを見ない。
 そして私は、「あー、名前を言えて、ハグするなどもっと上手く対応していたら、お持ち帰りできていたかもしれない」と遠くのオーラを見ながら後悔していた。
     

    ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆ 

 10月中旬(11日)頃から南国沖縄も涼しくなった。で、掛け布団(夏用の薄手の)を出した。時々暑くなってびっしょり汗をかく日もあったが、概ねはそれでちょうど良いくらいとなり、夜は、もう死んでもいいと思うくらい気持ち良く眠れている。
 夜中3~4回小便で起きるという酷かった頻尿も徐々に良くなって、10月に入ると夜中1~2回がほとんどとなり、5~7時間ぐっすり睡眠というのも5~6回あった。11月に入るとさらに良くなって、今日(18日)まで6時間以上の連続ぐっすり睡眠は6日あり、夜中2~3回小便という日も数日あったが、それでも寝入りから最初の小便まで4時間ほどはぐっすり眠れている。年寄りは4時間眠れば十分と聞いたことがある。

 頻尿はともかく、夢は良く見ている。腰痛を患う以前はほとんど楽しい夢で、SFファンタジー的奇想天外な夢も時にあり、テレビを観ているより夢を見ている方が楽しいと思っていたくらい。であったが、この1年ばかり、楽しい夢が激減した。
 楽しくないといっても、悲しいとか苦しいとか怖いとかでもない。ただただ現実的で、宇宙人が出てくることはなく、有名人が出てくることも減り、家族親戚、友人知人たちが出てくる日常生活の夢、「何やってんの!」と叱られたりするが、怖くはない。
 最近は、高校時代の同級生たちが夢の中に良く出てくる。たまには良い夢もあるが、たいていは上記の通り寂しさを味わったり、後悔したりするという楽しくない夢。

 年寄りは4時間眠れば十分というのは、年寄りは身体が疲れるほど動かない、疲れていないからたくさん眠る必要はない、ということのようである。眠っている時の夢が楽しくないというのもそれと似たようなことだろうか?疲れていないから心癒すようなドキドキワクワクし、楽しく愉快で、空を飛ぶような夢を見なくなったのかもしれない。
 年寄りの夢は「将来こうなりたい、こんなことやりたい、こんなことあったらいいな」といったような夢(希望)ではなく、現実の不安や不満を映す妄想に過ぎないのかもしれない。「夜に見る夢」が「叶えたいと願う夢」では無くなったお年頃のようである。
     

 記:2018.11.18 島乃ガジ丸 →ガジ丸の生活目次


繋がる幸せ

2018年11月16日 | 通信-その他・雑感

 畑仕事を辞めてから家にいる時間が増えた。手放した畑の手伝いへたまに行く、親戚の庭掃除をする、図書館へ行く、買い物へ行くなどの他はほとんどヤーグマイ(家籠り)となっていて、睡眠が約8時間、炊事と食事が約3時間(その内晩酌が2時間)、掃除洗濯に(毎日では無いので平均して)1時間、その他トイレ風呂などが1時間、畑や図書館、買い物で外出しているのを1日平均して3時間ほどとして、残りは8時間。
 8時間何しているかというと、散歩と庭掃除、ストレッチや筋トレに2時間ほどを使って、残りの6時間は概ねパソコン。しかし、老いた私の肉体はパソコン作業を2時間もやっていると目が疲れ、肩凝りがし、頭痛もし、腰も痛くなるので運動や散歩や庭掃除をその合間合間に入れている。若い頃のように長時間パソコンはできなくなっている。
 日常のパソコン作業のほとんどは、エクセルやワード、メモ帳、画像編集ソフトを使った作業で、インターネットを使用することはほとんど無い。ネットと繋がないのでウィルスに感染する不安はない。なので、パソコンがセキュリティーのしっかりしている最新のものでなくても良い。ということで長くウィンドウズ7を使っていた。
 長く働いてくれたそのウィンドウズ7ノートパソコンが2018年10月25日の夜、ついにお陀仏となった、あれこれ手当を試みたが翌日には諦める。アーメン。

 平和運動家で薬草研究家でもある知人のHさんに、5ヶ月ほど前(6月終わり頃)に頼まれた薬草表作り、頼まれた分は既にできていたが、さらに良いものと思ってさらに詳しく、見易い薬草表作りに取り掛かっていた。そのパソコンがお陀仏、データの概ねはUSBメモリーに入れていたが、写真の一部はパソコンハードの中、「あちゃ、データが消えたか、完成までもうすぐだったのに」と思い、「もうだいぶ待たせているからなぁ、できた分でも持っていくか」となり、パソコンお陀仏の日から4日後、Hさんに電話。
 「明日なら朝から公民館にいるよ、老人会と子供会の交流会がある」とのこと。で、翌日、薬草表をプリントアウトしたものを持って公民館へ行く。
     

 公民館へ着いたのは午前11時頃、室内には数人の職員と、数人のご老人方と、たくさんの子供たちがいて、ワイワイと賑やかに何かやっていた。玄関から職員の1人に声を掛け、「Hさんに用があるのですが」というと、職員は子供たちの中に埋もれているHさんに取り次いでくれ、Hさんは立ち上がって私を見て手を振った。
 Hさんは穏やかな人である。いつもニコニコしている。が、その時のHさんは破顔であった。そんな幸せそうなHさんの顔を見たのは初めてだった。まぁ、私と会って話をしていても心の底からの幸せを感じることは無く、破顔することも無いであろうが。それはともかく、幸せそうな顔のHさんを見て、なんだかこっちまで心が温かくなった。
 「そうか、こういう老後の幸せがあるか」と気付く。Hさんは1人暮らし、結婚しなかったか、子供ができなかったか、奥さんとは別れたのか知らないが、Hさんから女房子供の話は聞いたことがない。仕事しながら平和運動家として頑張ってこられたのだろう。
 などと思いながら「あーそうか、独りの人だってこういう繋がりを持てるんだ」と、幸せそうなHさんの笑顔を見て、同じく独居老人となる私の将来にも灯が見えてきた。ただそのためには、Hさんのようにニコニコ爺さんにならなければならない。なれるか?
     

 記:2018.11.16 島乃ガジ丸


野山の食い物2葉菜・根菜

2018年11月14日 | 飲食:加工品・薬草・他

 去年の今頃(11月)から腰痛が酷くなって、農夫であることを諦めると共に「俺は健康だ」というこれまでの自信が失われ、あれこれ健康不安を感じ始めた。その後しばらくはその不安感に押されていた。ただ、「酒に溺れてはならぬ、タバコに頼ってはならぬ」と思い、酒量もタバコの量もこれまでより減らした。それまで週1だった休肝日が今年5月から週2となり、6月から3日に1回となり、それがずっと守られている。タバコの量も減った。今年は概ね1日4~5本というのが長く続いている。
 これまでよりも食べ物にも気を使い、薬草と言われているものを摂るようにし、畑を辞めた今、自作の自然栽培野菜は食えなくなったが、なるべく、化学製品を体内に入れないようにはしている。自然食、ということで野山の食物についても勉強している。

 「野山の食物を勉強している」についてはまた、別の理由もある。今年(2018年)は、大きな台風があり、猛暑があり、大雨があり、地震もあった。今後、地球規模の大災害があり、食料が手に入りにくくなった時のためでもある。
 ということで、野山の食い物その2は、野山で手に入る食い物の内、生食できる葉菜・根菜・・・と思ったが、生食できる葉菜・根菜はごく少ないのでさっと火を通せば食えるものも含める。そうすると今度は、数が多過ぎるので、ここでは私でも識別できる、目に付きやすいものを選んで紹介したい。

 先ずは生食できるものから、
アキノノゲシ、ハルノノゲシは若い根や葉を生食できる。
ノビル 青ネギのように食する。
ダイジョ ヤマイモの仲間で塊根は生食できる。
タマシダ 根に貯水球があり、それを洗って噛むと甘い汁が出る。それが飲用。
ハマダイコン 若苗を根ごと塩漬けにして食する。
ハマボウフウ 若い葉はサラダで食せる。
オオバポンテンカ、リュウキュウトロロアオイ、コマツヨイグサの花はサラダで食せる。
     
     
     
     

 次に茹でて食えるもの、ちなみに、天ぷらにして食えるものはもっとずっと多い。
 オオタニワタリ、シマオオタニワタリは一年中食用となる。芽先が巻いている新芽を塩ゆでしドレッシングで。
 ワラビ 若芽をアク抜きして食用。
 ヒリュウシダ 若芽と柔らかい葉先が食用。
 その他、オモダカ、ツユクサ、シマツユクサ、アキノワスレグサ、イヌホオズキ、ツルソバ、ベニバナボロギク、ホソバワダン、タンポポは葉を茹でて、
 ナンゴククサスギカズラ、オカヒジキ、タイワンクズ、ソクズは若芽を茹でて、
 ツルナ、スベリヒユは若い茎葉を茹でて、
 リュウキュウヨモギ、アワユキセンダングサは新芽を茹でて、
 シマアザミは若い根を茹でて、
 キクイモは塊茎を煮物にして、
     
     
     
     
     
     

 なお、タンポポはその根が薬となり、コーヒーの代用となり、酒にもなる。また、前回書き忘れたが、モンステラの果実は完熟すると生食でき美味とのこと。
     

 かように野山に食い物は多くある。季節によって採取できないものもあるが、亜熱帯気候の沖縄であればまあまあの量が採れる。火を熾さなければならない、水を得なければならないというハードルもあるが、それが何とかなれば1人なら生きていける。
 そうやって生きている間に大地を耕し、芋(サツマイモ)の葉を挿しておく。野山の食物で4ヶ月生き延びることができれば、芋は長雨や干ばつに強く、台風にも負けない。芋が順調に育てば、4ヶ月で芋はでき、その後も生きていけることになる、はず。

 記:2018.11.7 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『野生植物食用図鑑』橋本郁三著、株式会社南方新社発行
 『食べる野草と薬草』川原勝征著、株式会社南方新社発行