ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

そこにいるもの『岡本太郎の沖縄』

2018年11月01日 | 通信-音楽・映画

 2ヶ月ほど前、高校の同級生だったT男から電話があった。「クラス会の写真があればどうのこうの」といった内容。高校を卒業して長く無かったクラス会が、15、6年前からたびたび開かれていた。その頃、私もカメラを持っていてクラス会のスナップ写真をいくつも撮っていた。Tはそれを知っていて私にその旨の電話をしたようであった。
 ということで、パソコンに収めてある写真の、クラス会(高一)の写真を探し出し、それを年代別に分け整理する作業を始めた。そのついでに、中学時代以前、中学時代、高校時代、大学時代、その後の写真も整理し、フォルダを分けてパソコンに収める。その作業がほぼ終わりかけた時、なんとまあ、そのパソコンが壊れてしまった。
 10月29日の朝、同じく高一の同級生であるT子から電話がある。2ヶ月ほど前のT男と同じ「クラス会の写真があれば」という内容。写真を集めて何かやるらしい。

 10月29日、その日私は映画を観に行く予定であった。映画は午後2時から、午前中は頼まれ仕事の庭掃除でもして、昼飯食って、そのあとに家を出ても十分間に合う。そう予定を立てていたらT子からの電話。私が「午後、桜坂へ映画を観に行く」と言うと、彼女も午後、だいたい同じ時刻に桜坂にいると言う。で、映画後、会うことになる。
 会うとなれば、写真を整理してUSBメモリーに入れて持っていかなければならない。繰り返しになるが、ほぼ終わりかけていた写真整理が、その4日前にパソコンが壊れてしまい、せっかく整理していた写真がパーになっていた。ということで、午前中は整理されてない元の写真を外付けハードなどから探し出し、改めて整理する作業となる。そんなこんなでアタフタしたが、映画には間に合った。T子にも会え、データも渡せた。
     

 さて、その日観た映画は『岡本太郎の沖縄』。私は沖縄に生まれ育ったので沖縄が好きであり興味を持っている。岡本太郎が沖縄の何に惹かれ、沖縄の何を観ていたのか、岡本太郎が感じた私の知らない沖縄がそこにあるのではないかと大いに興味があった。
 チケット売り場には多くの人が並んでいた。売り場の係の人に「補助席になりますけどよろしですか?」と訊かれた。「補助席?」、「ほぼ満席なんです」とのこと。桜坂劇場が満席なんて滅多にないこと。中へ入ると、折り畳み椅子が両サイドにあって、その椅子もほぼ埋まっていたが、最前列の席が空いていて、私はそこへ座ることができた。
 映画が始まってすぐから終わるまでのほぼずっと、涙腺の緩んでしまっているオッサンはナダ(涙)ウルウルーしていた。「何で?」と訊かれてもはっきりした認識はないが、その辺の恋愛映画などよりずっと大きな愛をこの映画に感じたからかもしれない。

 愛とは別にもう1つ感じたことがある。愛は心が感じたが、もう1つは体が感じた。それは何かというと頭痛。映画の後半辺りから頭痛がした。映画を観て頭痛、ということはこれまでになかったこと。映画はたいていその世界に没頭するので、歯痛も腰痛も感じなくなることが多いのに、この時は涙を抑えることと共に頭痛も気になった。
 「何だ、この頭痛、脳梗塞か?」と考えていたら思い出した。「こんな頭痛、これまでに何度か経験しているぞ、そうだ、あれだ、悪い霊がいると噂されている場所へ行った時などに襲われた頭痛だ」と思い出す。腰痛で気力の弱っている今、映画のそういった場面で、見えないけどそこにいるものを感じたのかもしれない。などといった寒気のする話は置いといて、映画『岡本太郎の沖縄』、愛を感じる良い映画であった。
     

 記:2018.11.2 島乃ガジ丸