「田舎の紳士服店のモデルの妻」宮下奈都 文藝春秋社 2010年(初出別冊文藝春秋2009年7月号~2010年5月号)
幸せに結婚したはずの私。息子が二人。夫がうつになり、彼の実家に引っ越すことになった。東京とは色々と違うし人間関係が面倒だ。主人公梨々子は今日もためらい、後悔し、反省し、ちょっとだけ喜びながら日々が過ぎてゆく・・・
おっと。意外なほど、想定外に内省的。そしてビックリするほど予定調和的に話が進まない。表紙は、癒し系とかほんわかした物語を予期させる。田舎に引っ越してのんびり暮らすってよいものだなーというような話になるかと思いきや、よいものとも言えない、むしろそれほどよくないという展開に。
さらには、息子がたとえば、無口だという前振りがあれば、後に喋る子供になったというようなエピソードがいつか後に来るだろうと期待する。しかし期待がしょっちゅう裏切られる。その裏切り方がいい。
癒すわけでもなく、提示された謎を解くでもなく、奇想天外なストーリーでもない。生きるとはどういうことか、梨々子がちょっとずつちょっとずつ学んでいく。軽い哲学がこの小説のテーマだと思う。
人は普通だと幸せなのかだろうか。普通じゃないと幸せなのだろうか。普通である/なしと幸せ/幸せではない とは何の相関関係もないのだろうか・・・
田舎の紳士服店のモデルの妻 | |
宮下 奈都 | |
文藝春秋 |
現在読みかけの本たち
伏 贋作・里見八犬伝 | |
桜庭 一樹 | |
文藝春秋 |
冬の童話 (文芸) | |
白川道 | |
ポプラ社 |
つるかめ助産院 | |
小川 糸 | |
集英社 |
書きたいことがたくさんあったはずなのに、いざ書こうと思ったら、何も出てこない。胸にぽっかりと穴があいたよう。
という体たらくなもんで、これにて失礼させて下さいませ。
写真は昨日ディファ有明で観戦&応援したキックボクシングの試合。赤いグローブが斎藤智洋選手。勝利おめでとうございました。
「at Home」本多孝好 角川書店 2010年(初出野生時代、Story Teller)
【家族】をキーワードにした中篇集。
表題作「at Home」がいきなり千切れるほどいい。空き巣を仕事にする父、結婚詐欺の母、犯罪コントロールする僕、家事をする妹、ひきこもりの弟。とメンバーが家族を構成しているということになっている。
一見不可思議家族のゆかいな話のようであるが、なぜ犯罪を職業にするようになったのか、そもそも彼らは血の繋がった家族なのだろうかというような謎が少しずつ解かれてゆく。その解き方にのけぞるような驚きとじっと心の奥底が温まる喜び双方があった。
本多孝好ってこういう話を書く人だったんだ。これからもっと読もう。
「日曜日のヤドカリ」は娘のいる女性と結婚し、そしてその娘とは丁寧語で喋るというやや面白い主人公。娘と二人で家にいると、少年がやって来る。彼の父親がこの家に手紙を出していた&父親が家に帰ってこないと。うーん。全く先が読めないし、まさかそう来たか。うまい。
「リバイバル」居酒屋でバイトしているおじさんは律儀に借金をやくざに返している。そこで借金はチャラにする代わりに、外国人の女性と偽装結婚しろと言われる。なかなかいいラストだった。
「共犯者たち」妹がまさか、自分の息子を虐待してる?から始まる家族の物語。やはりひねりがうまい。
以上4篇。私は「at Home」と「日曜日のヤドカリ」が特に気に入った。
【家族】をキーワードにした中篇集。
表題作「at Home」がいきなり千切れるほどいい。空き巣を仕事にする父、結婚詐欺の母、犯罪コントロールする僕、家事をする妹、ひきこもりの弟。とメンバーが家族を構成しているということになっている。
一見不可思議家族のゆかいな話のようであるが、なぜ犯罪を職業にするようになったのか、そもそも彼らは血の繋がった家族なのだろうかというような謎が少しずつ解かれてゆく。その解き方にのけぞるような驚きとじっと心の奥底が温まる喜び双方があった。
本多孝好ってこういう話を書く人だったんだ。これからもっと読もう。
「日曜日のヤドカリ」は娘のいる女性と結婚し、そしてその娘とは丁寧語で喋るというやや面白い主人公。娘と二人で家にいると、少年がやって来る。彼の父親がこの家に手紙を出していた&父親が家に帰ってこないと。うーん。全く先が読めないし、まさかそう来たか。うまい。
「リバイバル」居酒屋でバイトしているおじさんは律儀に借金をやくざに返している。そこで借金はチャラにする代わりに、外国人の女性と偽装結婚しろと言われる。なかなかいいラストだった。
「共犯者たち」妹がまさか、自分の息子を虐待してる?から始まる家族の物語。やはりひねりがうまい。
以上4篇。私は「at Home」と「日曜日のヤドカリ」が特に気に入った。
at Home | |
本多 孝好 | |
角川書店(角川グループパブリッシング) |
かなり古い友人たち何人か。お互い引っ越したり海外にいたりいなかったりで、その後音信不通になり、それからだいぶたってからメールアドレスが分かったり。たまにメールのやり取りはあるけど、何年も会っていない。
わたくし、何を思ったのか、年賀状を出そうなどと思ったのだ。
そう。冠婚葬祭には基本的に出ない。この虚礼廃止主義の男が。なんで私が年賀状など出そうなどと思ったのだろうか?よく分からない。昨年、知り合いからメールが来て、住所教えてくれ、年賀状出したいからと買いてあったからだろうか(一年もそれから経ったけど)(あるいは既に年賀状書いてしまったのでヒマだからだろうか)
それで、その友人15名に「住所教えてくれ。賀状出すから」とメールした。そのうち13名から即座に返事が来て、住所教えてくれた。よかったよかった。
ん?
ほとんどの人がこっちの住所教えてくれって書いてなかったぞ。(教えてくれと書いてきた人もいたけど)
この場合のおとなな対応
1.教えてくれてありがとう。「ちなみに」ボクの住所はこれだよと返信する。
2.自分の住所を教えるなんて、ねだっているみたいだからそういうことはしない。
どっちなんだろうな?どっちなんだろうな?
と思いながら、筆王に住所を入力するだけのわたし。ちょっとアンニュイでしょ?
「韃靼疾風録」司馬遼太郎 中央公論社 1987年
清という国が勃興する様を、平戸から渡った日本人庄助の目線で描く。大佛次郎賞受賞作
司馬さんの小説は色々と読んだ。特に評判の高い作品はほとんど読んでしまった。ので、未読の作品を、とこれを読んだ。
当時の明、朝鮮、女真の関係が非常によく分かるし、物語もダイナミックだ。朴訥とした主人公の庄助もいい。韃靼=タタール=モンゴル系の民族が正しいのだが、小説の中では、日本人が清のことを韃靼と読んでいたので、当時の呼び方を使用したとのこと。
当時の日本人が精神的にどんな人だったかと言うと、たぶん庄助のような生真面目な人(女真や明の人と比べると)だったんではないかと。だったんでは、だったんでは、韃靼疾風録だけに・・・
韃靼疾風録〈上〉 (中公文庫) | |
司馬 遼太郎 | |
中央公論社 |
韃靼疾風録〈下〉 (中公文庫) | |
司馬 遼太郎 | |
中央公論社 |
パナソニックのビエラTH-42PX600が電源入れると、地デジ繋がらない。ハードディスクレコーダーのディーガDMR-XW31はDVDディスクドライブが壊れた。
修理頼んだら蛭子さん似のおじさんが来訪。
両方で3万8千円ほどかかると。高いんだか安いんだか。考えるのが面倒。買った方が安いかもと新製品スペック検討するのも面倒。ブルーレイ導入検討も面倒。
なので修理してもらう。
ひととは
かくのごとく
だらしなくなってゆくのだ
by 宗方コーチ
どうして海老蔵のことが毎日報じられるのか分からないし、
どうして風邪治るどころかむしろ、声が出なくなっているのか分からないし、
どうしてビエラの画面が突然ブラックアウトするのか分からないし、
どうしてディーガでDVDを認識できなくなったか分からない。
師走って、毎年こんな感じだったろうか。
どうして風邪治るどころかむしろ、声が出なくなっているのか分からないし、
どうしてビエラの画面が突然ブラックアウトするのか分からないし、
どうしてディーガでDVDを認識できなくなったか分からない。
師走って、毎年こんな感じだったろうか。