頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

冒険王・横尾忠則 世田谷美術館

2008-06-12 | days

に行って来た。

天候が悪かった割に人出はやや多めだった。横尾忠則を愛するとか愛でる人が結構存在することに少し驚く。

画家宣言をした以降の絵(油絵のように見えたがアクリルだった)がとても多い。しかし今回の目当てはそれではない。60年代以降、アングラを支える斬新なポスターを次々と発表していったのだが、その原画が見られるのだ。これ「だけ」を楽しみに行ったと言っても過言ではない。華厳でもない。

いやいや。参りました。膨大な数の原画原画原画。下書きや色指定の紙。天才の仕事はこうだったのかと約40年の時を経て思ふ。

私事で恐縮、いやブログなんてみな私事か。中学生の頃、古本屋で売られていた「インドへ」という横尾のエッセイや買えるわけもない値段の「横尾忠則全集」を立ち読みしてため息をついていた。状況劇場のポスターを見て脳の奥の方がキーンといふ音を立てた。正真正銘の天才とはこの人かと思った。

何かみやげでも買おふと思ったのだが、結局ポストカードを2枚買うだけだった。小生も正真正銘のケチなのであらふ。「腰巻お仙」のポストーとTADANORI YOKOOが死んだというポスターの2枚。

美術館や博物館は見に来ている人をウオッチングするのが面白かったりする。今回は

・ややお洒落な人が多い
・うるさいおばちゃんが皆無
・若いカップルがやや多め
・若い男性二人組がやや多め

ってな感じであった。後は世田谷美術館には少し遠いが訪問者用に無料の駐車場があるのでそれもまた良い。






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ドラマハチワンダイバーと女性の体型

2008-06-11 | days

だらしなく太っている女性はあまり好きではない。むちむちしているのとはちと違うのだ。グラマラスなのともまた違う。表現が難しい。まあ無理して表現しなくてもよかろう。

深田恭子のチューハイのCMはどうなんだろう。せっかくデカキョンじゃなくなったのに・・・

アラフォーの松下由樹。もう清く正しいアラフォーらしく、だらしない。ウエスト辺りのしまりのなさったら実におばちゃんだ。それが特定の男子にとってはなんとも言えない萌えポイントになっているに違いない。

さて、ドラマ「ハチワンダイバー」を観ていた。将棋についてはなんというか、まああんなもんなのかな?いかにもマンガチック。それはいい。全然いい。問題は、

秋葉の受け師、メイドでもある仲里依紗

なんだこのだらしない太り方は。むちむちを通り越して怠惰に太っておる。垂れている所がそのまま惜しげもなく垂れておる。寄せようとか上げようとかいう意識ゼロ。

しかし、なぜかそれがかわいいのだ。

うーむ。おれの頭がおかしくなったのだろうか?スレンダー好みだったはずの俺の嗜好まで変わってしまったのか?ああ歳取ると食べ物の好み変わるっていうもんね。こってりしたものが食べられなくなるっていうもんね。やっぱりさっぱりしたものが・・・ 仲里依紗はさっぱりしてねえだろう。こってりしとるだろーが。








最近自分が分からない。
自分の好みが分からない。





今日の教訓



愛犬と深海へ!
チワワンダイバー



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三浦しをん『風が強く吹いている』妄想姫が描く青春、箱根駅伝

2008-06-10 | books

この人のエッセイを読んだことがある人なら、直木賞なんてあげたらマズイだろうと思わせる小説家、三浦しをん。妄想なら誰にも負けない。そんな彼女が「似合わない」スポーツを描こうとするのが




「風が強く吹いている」三浦しをん 新潮社 2006年


 寛政大学に入学した蔵原走(かける) ふとした事から家賃3万円のアパートに入居できることになる。しかしそれは箱根駅伝へ出場するためのプロローグに過ぎなかった。

てな感じ。ネタバレを避ける必要もなく既にあらすじ紹介でネタバレされている。ので、軽くネタバレする。

4年生の清瀬は箱根駅伝に出場したい。で、才能のある者を探し、少しずつアパートに格安の家賃で入居させ食事の面倒までみてあげる。そして終に10人目の蔵原(高校時代有名なランナーだった)がやって来た。こっからは箱根駅伝に出場する「ため」にが描かれ、後に箱根駅伝に出場し「ちゃったら」が描かれる。

いやいや。こりゃうまい。箱根駅伝とは何ぞや?をきちんと説明しつつ、清瀬たち大学生の青春、恋愛、バカバカしさを上手く絡めながら、すぅっと箱根駅伝開始まで持って行く。三浦しをんはもしかすると稀代のストーリー・テラーなのかも知れない。エッセイで炸裂している妄想の欠片も見つからない。

こりゃ傑作だ。


 閑話休題

人は見かけによるとか、よらないとか言う。エッセイを読んでこんな人なんだと思っていたら、小説では全く別の人が書いたよう、だなんてことがたまにある。それとはまた逆でエッセイやらビジュアルやらのイメージと作品のイメージが全く同じというような人も。北方謙三氏とか。

自分の生き方とか考えとか性格とかその他諸々を排除して、あくまでも作品は作品として描けるのもまた大きな才能なのかも知れない。サイコ・スリラーを書いてるから、あんな事を日頃「やりたくて仕方ない」と考えているわけじゃないし。





今日の教訓



箱根駅伝
スタートの瞬間は
まだ一度も
見た事がない



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びっくりドンキーのテーブルの上より

2008-06-08 | laugh or let me die




かのような標語置きが置いてあった。

この4R運動とは彼氏彼女のことではなかろうか。リフューズ、リデュース、リユース、リサイクルね。


REFUSE : 告られても断る。

REDUCE : 増えないようにする。減らす。

REUSE : 一見いらなくなったようでも、修理、再教育をして再利用する。

RECYCLE : どうしてもいらなくなったらその辺に廃棄しないで、まずは友人に進呈してみる。

REASON : つきあう、別れるには常に理由が必要である。

REACT : 恋愛にはタイミングのよい対応が不可欠。

REAL ESTATE : 居心地のよいパートナーとは不動産のようなものである。

REAGAN : ロナルド・レーガンと妻ナンシーの身長差15センチはカップルの理想だと医学的に言われている。

REGAN : ドナルド・リーガンはレーガン政権の財務長官だった。

REAL : もうやめようよ、2次元の恋愛は。

REAR : やはり自転車の後ろに乗せて走りたい。

RECEIPT : 恋に、領収書は、な・い・ん・だ・ぞ♪

RESTRAUNT : 最初のデートでイカ墨パスタはやめとこう。

READ : 空気は読まなくても相手の心は読むべし。

READ ONLY MEMBER : 恋愛でROMするな。








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『ミステリアス・ピカソ~天才の秘密』ピカソの描き方が分かるドキュメント映画に触発され

2008-06-06 | film, drama and TV





こんなすごい作品があったことを知らなかった自分に驚いている。監督はアンリ・ジョルジュ・クルーゾー。撮影監督など当時フランスで最高のスタッフが挑むのは、パブロ・ピカソがどのようにして絵を描くのかただひらすらそれだけ。この1時間20分の映画の中で約20枚の絵をピカソが描く。透かし絵というらしいのだが、ピカソが向こうでキャンバス(もしくは紙?)に描いていると、それが反対側に透けて見える(透けているというより直接描いたように見える)あまりにもクリアなので、ピカソの手、絵筆が見えないのにまるでそこにあるかの如く段々と絵が完成していく。

この映画はフランス政府に国宝とされたとか。また、映画撮影した後、ピカソは全ての絵を廃棄したとか(これはどうなのだろう。全部ではないが一部の絵はすごい出来なので、今持っていたらお宝になっていると思う)

最初は、線をかなりのスピードで描くピカソ。線描とか点描ではなく、マンガの描き方に似てると思う。線を一発で決めて終わり。しかも上手い。それから段々と複雑な作品になってゆく。女性の裸体だったら、最初はシンプルでいい感じなんだが、それから色を足してゆく内に、段々ピカソっぽいとも言えるし段々悪くなっているとも言えるようなすごい色付けになってゆく。一度こう色を付ける、次に大胆にその上に違う色を付ける。それだけで絵の雰囲気ががらっと変わる。その絵の雰囲気を変えるという作業を一枚の絵で何十回、何百回と繰り返す。その100枚のバージョンの違いを見る楽しみもあるし、絵が好きな人、技法に興味がある人、ましてや自分でも絵を描く人なら、目からウロコが落ちること保障付。

少なくとも、ピカソの絵はどうしていつもあんなんなんやろ?と思ってる人にはその謎だけは解けると思う。彼はね、試行錯誤を繰り返してゆく内に、絵が段々と訳分からなくなってしまっとるのよ。で、その試行錯誤の途中で、「ま、これでいいか」としたのが結果として我々の眼に入ってくる最終形なんだね。


それでなんとなくこの映画に触発されて、ボールペンでいたずら書きしてみた。









たいして笑えなくてごめんね。






今日の教訓






ピカソが食う丼
ピカドン




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最近、気持ちいい瞬間

2008-06-05 | digital, blog & twitter
気持ちいいって言ったら、

やっぱ、あれだよねー。

あれしかないよねー。

え?

赤ちゃんのほっぺを、つんつくつくつくつん! てすること

って、

ばかーー! (←久しぶり)


いやいや、どうもどうも。ふるです。最近ふるちんは使ってません。ブログのタイトルも変更したいのですが、なかなかままなりません。

さて、最近気持ちいい瞬間ですが、


携帯の電源を切る瞬間


これが快感なんですねー。

家に帰ったら速攻で切るとか、用事があってメールだけ送ったら後は切ってしまうとか。もしかして緊急の用事があるかもって時でも、切る。するとちょっとしたドキドキ感も味わえるし。

携帯の電源を切った瞬間に世間から隔絶した空間にいるような感じがいいんですよねー

携帯ごときで、世界とつながってるとか、友達とつながってるとか、そんな風に感じるのはおかしいと思いますよ。だったらテレパシーでつながっていると思った方が。

昨今、携帯胃損傷の人たちが増えているとか。いや携帯依存症ですね。むしろですよ?どんどん携帯の電源を切ってしまえばいいのですよ。電池が長持ちするって意味では、エコですよ。

みなさん、どんどん携帯の電源を切りましょう!




今日の教訓





電源が
入っていても
鳴らない
我が携帯が言った。
わしゃ、無口やねん。




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『芝浜謎噺』愛川晶の落語ミステリ、いいねえ

2008-06-04 | books

まだ未読の『道具殺人事件』に続く、本格推理作家愛川晶が書いた落語ミステリ第二弾が

「芝浜謎噺 神田紅梅亭寄席物帳」愛川晶 原書房 2008年

落語は昔から好きだとは言え、古典落語のごく一部しか知らないそんな筆者でも知っているのが「芝浜」 これはご存知の方が多いだろう。その「芝浜」がタイトルになってるミステリ。果たしてどんな作品なんだろう?予備知識ゼロで読み始めた。

「野ざらし死体遺棄事件」→「芝浜謎噺」→「試酒試」 と連作中篇が三本 寿笑亭福の助が謎を解いていくというのが一つの軸になって続き物になっている。もう一つの軸は福の助の弟弟子が故郷に錦を飾るため、癌で余命わずかの母親の前で「芝浜」をやりたい。しかしこんな大ネタをやるのは難しい。そんな難問に挑むのも福の助。大ネタ芝浜の改変に挑む。福の助の妻、亮子の視点中心に描く、

ミステリって言っても、あまりおぞましくなく、ほのぼのと、でも落語の奥の深さとすさまじさを教えてくれる極めてレベルの高い作品。

いやいや、久々に何度もうなりながら読んでしまった。落語を小説と絡めるのは何度か読んだ事があるが、その中でもトップクラスと言ってよいだろう。







知識として「野ざらし」や「芝浜」を知っているとたぶん楽しみは倍増すると思うが、知らなくても充分に説明してくれるので楽しめる。それ以外でも落語界や色々な落語薀蓄の嵐もまた楽しい。

昨今落語ブームというのが来ているとか。どうしてなのだろう?古今東西話芸は色々あれど、困難さと奥の深さでは最高峰である落語に注目が集まるのは当然なのか日本人の眼の付け所は常に間違っていないのか単なる一時のブームに過ぎないのか。「ちりとてちん」というドラマが落語を取り扱ったらしいのだが一回も見ていないので分からない。

最近テレビ等で気楽に落語を見られるのだろうか? もし機会がないのであれば、ぜひ寄席に足を運んで生で観ることをオススメする。武道館やドームでやるわけじゃないから、かなり近くで観る事が出来るし、ライブ感、ライブの意味って特に落語には大きくあると思う。またCDやDVDが多く販売・レンタルされてるからそちらもまた試してみると良いと思う。

この数ヶ月五代目志ん生のCDを車の中でよく聴いている。他には文楽や三木助とか。昭和の名人はこの三人と言われるそうだが、声で聴く限り文楽のしゃべりが好み。




今日の教訓




セーラー服の少女が
落語をやりゃあ、
おサゲがよろしいようで



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trfだかTRFを見て、新語

2008-06-03 | laugh or let me die

trfもしくはTRFのサウンドについて何か言いたいわけではない。

本題はとても短い。

リードボーカルのYU-KIの後ろで約3名が踊ってる。SAMを除いた、2名は女性(のように見える)

彼女らを見ている時、某知り合いが言った一言を思い出した。

 
 「 あの踊ってるおんな二人ってさー、














きたなどころ  だね 」




これには笑ってしまった。キレイどころという言葉はあるが、キレイじゃなくてキタナイので こんな言葉がつい口をついて出てしまったのだろう。口は災いの元とも言うが、口は笑いの元でもある。また、美人に口が悪い人は多いが、彼女はそのいい例である。

彼女の放ったその言葉に対抗して、今思いついた(なんだかこんなこと言ってると叱られそうだが)
世を制覇したような英雄的男性の妻で、しかも顔面が不自由な人を評して・・・・・・







今日の教訓








きたな政所





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『憎悪の世紀』(上下)ニーアル・ファーガソン、重厚長大な20世紀

2008-06-02 | books

「憎悪の世紀」(上下)ニーアル・ファーガソン 早川書房 2007年
THE WAR OF THE WORLD History 's Age of Hatred, Niall Ferguson 2006

スコットランド出身、現在ハーヴァードの歴史学教授、ハーヴァード・ビジネス・スクールの金融史の教授、フーヴァー研究所のシニア・フェローをしているニーアル・ファーガソン 発言に注目が集まる学者の書籍ということでかなり楽しみに読んだ。あちこちの書評でも絶賛されていた。






原題の"WAR OF THE WORLD"がなかなかふるっている。H・G・ウェルズの「宇宙戦争」の原題が"WAR OF THE WORLDS" 宇宙戦争は地球、火星など「世界」が複数あったからWORLDSになっている。それをもじったタイトルとは。1900年からつい最近までの20世紀の紛争について書かれた本と言っても、第一次大戦と第二次大戦にほとんど頁が費やされている。著者はかなりの右寄り思想の持ち主だそうだが特にそれを意識させられるというほどの偏った感じは受けなかった。

なかなか面白く読んだのは:

 ・ 第一次大戦の時のヨーロッパの列強の債券の価格の変動をかなり詳しく記載している。ボラティリティ(変動率)を見るとは思いもしない考え方だ。単に価格が上がった下がったではなくてボラティリティね。ふむふむ。

 ・ ヒトラーと同じようなスピーチをした人、それはルーズヴェルト。セオドアじゃなくてフランクリン(あるいはFDR) よーく思い出してみれば、ワイマール共和国の後を受けるという状況と、世界大恐慌の後を受けるという状況は非常に似通っている。そうは書いてなかったと思うが、歴史の人物は状況が生み出すものなのかも知れない。

というような一部の収穫以外にあまり収穫はない。もう既に知っている事か、そうでなければそんなこと教えてくれなくてもいいという事が多いように感じた。著者のファーガソンは歴史のタブーとも言える「もし~だったら」と歴史の事実に反する仮定をするというカウンターファクチャル・ヒストリーの第一人者だそうだ。しかし特にカウンターファクチャルな仮定をこの本の中で展開していなかった。

ナチス・ドイツになぜ既存の宗教は有効な手を打てなかったのかと、著者は書いている。その疑問に強い興味を持ったのだが、これといった著者の考えを読み取ることが出来なかった。

さらに残念なことが一つ。この手の重厚長大な本がもし自分の好みに合わなかったとする。あるいは時間がなくてざっとしか目を通せなかったとする。だとしても、かのような本に保存する意義がある。それは後になってレファランスとして使うというもの。何か調べたい事が出てきたらその部分だけ読む事が出来るなら書棚に置いておく意味もあるというもの。例えば呉茂一の「ギリシア神話」なんて通して読むモノというより、レファランスとして使う事が多い。しかしこの「憎悪の歴史」はそんな使用法ができない。そのような書き方をしていないから。

うーむ。悲しい。しかしこの著者については判断を留保しておこう(Ⓒ 北上次郎)その他の著作を読んでから、真に面白くないか、自分には興味が持てないかを判断することにする。





今日の教訓



おっと、
日本語訳が出てるのは
これだけだった



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