福祉亭日記

日々の出来事を更新していきます.

尋ねられる

2010-09-15 07:00:55 | 日記
老眼になって,初めて「見えない」という意味を知った視力を持って過ごしてきたので,見えない世界の不自由さの理解が欠ける。
先週から加わられたかたが,緑内障から目がご不自由に。火曜日のラウンジでそのお話を伺う。
白杖を手に外に出ると,「めくらかあ~」という声が聞こえる。中途失明のこともあって,心に傷を負う。ガイドヘルパーもみえてくれるので,いつの間にか,白杖を手にしなくなった・・と話される。
「白杖を持って外出したほうがいいでしょうかねえ」と尋ねられる。

小学生の時,国語の宿題で書いた作文が突然,学校の玄関ホールの黒板に大きく書き出された。作文の題は自由で,書く時も,かなり,躊躇したことが,微かに記憶にあるもの。驚きと恥ずかしさが入り混じった記憶。
電車に乗り合わせる白状を持った学生,小学生の自分,手を貸すかどうか・・と迷う内容。
何十年も過ぎて,ふっと思い出す。その作文の題にも「めくら」という言葉を使っていたと思う。今は死語と思いこんでいる言葉。

人は様々な傷を負う。言葉を媒介にしていることが多い。一瞬に消える一言を長い間抱えこむ。心の傷であるばかりに,なかなか人には言えず,苦しむ。苦しみが過ぎて,初めて,人に語れることが多い。
そのかたも,なんとか傷はきずとして,通り過ぎられたのだろう。
福祉亭にみえる何人かの目のご不自由なかたの日常を改めて,思う。
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