福祉亭日記

日々の出来事を更新していきます.

1冊の本

2018-03-06 07:25:32 | 日記
ご利用者さんが、1冊の本を届けてくださった。
「東芝府中人権裁判の足跡」
ご利用者さんの亡くなられたご主人が深くかかわっておられた。
既に裁判は、終わってその記録集。

初めてその裁判のハナシが耳に入った当時は、ワタシは40代。
市議さんの小さな事務所に、ご関係のみなさんが訪問されて裁判の様子をお話しに。
工場は、第一子が生まれるまで勤務していた小金井に行く途中、いつも目にしていた。
広大な敷地。
語られたハナシは、なんだか、宇宙の果てからの隕石にも似て、全く、自分の日常と結びつくハナシではなかった。
若々しい訪問者が、明るい表情で語る問題の壮絶さ。
ただ、その核心を身近なものとして理解することは、当時のワタシには、かなり難しい印象だった。
やがて、ワタシ自身は、家族と数年の海外勤務地に行き、自然に忘れていった。

忘れたのはワタシ。
闘い続けて勝利したのは、みなさん。
その後、ご利用者さんご夫妻が、福祉亭をご利用されるようになって、また、ご縁ができた。
ご主人が亡くなられた時、すっかり風格ができた闘い続けたみなさんが福祉亭で・・と偲ぶ会をしてくださった。
懐かしい再会だった。

・・・とまあ言ってみれば、思い出の詰まった福祉亭前史のような趣の本なのです。
分厚い。
中核にいらしたみなさんが、裁判の後も、55歳定年制に反対する運動をされ、勝ち取られたことも知りました。
定年を60歳まで伸ばし、とにもかくにもお元気で共に、同じ工場で過ごされたことは、なによりの感動。
はるかな道のりでしたでしょう。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする