もう旧聞に属するかもしれないが、側近政治と金権腐敗のため職を追われた朴槿恵大統領の後任大統領選は左派の「共に民主党」代表の文在寅氏が圧勝して大統領に就任した。文新大統領は人権派弁護士として活躍し、盧武鉉政権では大統領府秘書室長として国政に携わったという。前回の大統領選では朴槿恵氏に僅差で敗れ、今回そのリベンジを果たした格好である。
隣国のトップとして我が国の経済、外交等に大きな影響を持つが、対韓国最大関心事になっている慰安婦問題については今のところ国内の反日世論を背景に後ろ向きな姿勢をとっており、「日韓合意」について見直す考えを示している。新大統領はそれにとどまらず、米国に追随しながらも対北朝鮮、対中国政策に頭の痛い船出になっていることであろう。
米国ではトランプ大統領がまたも異例の更迭人事を発令して、国内外に衝撃を与えている。先日国家安全保障担当トップのマイケル・フリン大統領補佐官を解任したばかりだが、今度は米連邦捜査局(FBI)のジェイムズ・コミー長官を更迭した。フリン補佐官は就任前にロシアと勝手に接触したというカドで、コミー長官は大統領選に絡んだロシアの不当なサイバー攻撃の捜査を指揮しているとの疑念からクビにしたようだ。当のトランプ大統領は「元々スタンドプレーの多い人物だ」とか「いい仕事をしていないから」とかの理由をつけているが、野党の民主党からだけでなく、共和党内部からも不透明な解任人事に疑問の声が上がっているとのこと。さらには腹心中の腹心で「陰の大統領」とも称されるスティーブ・バノン主席戦略官でさえも政権中枢から追われるかもしれないと憶測されている。
強気の塊のように見えるトランプ大統領、内心は猜疑心が強く疑心暗鬼にびくついている裏返しなのかもしれない。果たして4年間持つのだろうか。
月に1度市の芸術文化センターで催される映画会を楽しみにしていて、ブログにも時々取り上げているが、今月からは「三回忌・原節子」と題するシリーズで10か月間で20作を上映する。
100本を超える映画に出演し「永遠の処女」と呼ばれて人気絶頂の女優が42歳の若さで銀幕から去って一切その消息を絶ち、一昨年9月に亡くなった原節子を偲ぶ。
昨日はその第一回で「河内山宗俊」と「巨人傳」の上映。1936年(昭和11年)と1938年(同13年)の封切で、原節子が15歳と17歳の時の作品であった。
私は時代が違うので原節子の映画を封切で観たことはなかったし、勿論ファンでもなかったが、昨日は「永遠の処女」と呼ばれた大女優の少女時代の作品なので可憐な姿を楽しみにしていたのだが、思いとは別に大人びた顔立ちで残念ながらそれは裏切られた。昨日一番の見所は「巨人傳」の主役大河内伝次郎
、往年の時代劇の名優である。独特の声はスクリーンを観なくても聞き分けられた。
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