このところ九州北部で記録的な激しい雨による被害が報じられている。梅雨前線が居座り、断続的な豪雨をもたらせていると言う。ただ「1時間に100ミリを越える大雨」と数字を言われてもピンと来ないのではないだろうか。よく「バケツをひっくり返したような雨」という表現があってこちらの方が感覚的に分かり易いが、これとても経験したことがない人には実感が湧かないかもしれない。
私は九州勤務の時にそういう大雨に遭ったことがある。数字的に何ミリの雨だったか記憶していないが、台風の襲来でまさに「バケツをひっくり返したような」ものすごい雨となり、このままでいったいどうなるのかと本当に恐怖を覚えた。工場の中には幾筋かの排水路が整備されて海に流れ込んでいるのだが、それでもその雨がさばき切れず、広い工場一面がたちまち浸水した。身の危険を顧みる余裕もなく、日の落ちた工場内の安全の点検に回り始めたが、強風で建屋の窓ガラスの割れる音にみじめな気持に打たれ、挙句は工場の送電系統がやられて全停電になってしまった。大雨に強風、停電で真っ暗になった工場、あちこちで窓ガラスが割れる音・・・20年も前のことだが、記憶は今でも鮮明に残る。
ところで、”高校の先輩”小沢一郎について最近続けて取り上げていたが、いよいよ党を割って民主党を離党した。だがもうこれはニュースではなくなった。「消費増税反対、脱原発」を”大義”として新党をつくるという。その数、現在衆参議員で48人。国民に大受けするはずの”大義”だが、どうも世論の反応はそうではないらしい。小沢氏の口下手や人相によることが損している面もあるのだろうが、何より「金権疑惑」や「権力闘争と壊し屋」のイメージ、そしてマニフェストを守る道筋を国民に示したことがない”実績”が、国民の支持を得ていないのだ。
”高校の後輩”鳩山一郎は6ケ月の党員資格停止という。半年以内に総選挙があれば民主党の公認は得られない。菅直人も首相を引きずり下された後は見る影もなく、民主党政権樹立を引っ張ったトロイカの3人はわずか3年で総崩れとなった。国民(選挙民)も自らの甘さを反省しなければなるまい。
知人から国立劇場での「歌舞伎鑑賞会」の招待券が送られて来て、今日家内と一緒に観に行った。大看板が出演する公演ではないが、歌舞伎の観方などの解説もついた歌舞伎普及のための公演である。
その帰り道のカーテレビで「神の素粒子」とも言われる「ヒッグス粒子」の存在が証明された、というニュースが飛び込んだ。
理工系に進学した私だが物理は大の苦手、「素粒子」と聞いただけで思考回路が凍りつくほどなのだ。ヒッグス粒子はあらゆる物質に含まれる素粒子の基本理論として1960年代に提唱された「標準理論」で存在が予言されていたものの、今回の欧州合同原子核研究所の実験結果は”世紀の発見”に相当するらしい。
いずれ明日から新聞やテレビを賑わわすことになるであろうから、まあここまでにとどめておくことにする。
[今日の花]
湿地に生えるミソハギ(禊萩)
白い葉が美しいハンゲショウ(半夏生) いわゆるガマ(蒲)の穂
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます