先日、WBC決勝戦の日に退院してテレビ観戦し、侍ジャパン優勝の感激を味わえたことを書いたのだが、後々の記録として短かった入院生活を書き残しておきたい。
昨年(2022年)の暮れ方、今まで感じたことのない心臓発作があったので、血圧の薬を20年来もらい続けているかかりつけ医に話したら市内の循環器医院を紹介してくれた。診察の結果、狭心症と逆流性食道炎の疑いがあるとのことで、検査専門機関でのCT検査の結果心臓の冠動脈狭窄が見つかった。私にもはっきり分かる画像であった。
その後、更に紹介された武蔵野赤十字病院に行って予備検査と入院手続きをする。
入院は3月19日。考えられる病名は「狭心症・心筋梗塞・心不全・不整脈など」とあり、検査・手術名は「経皮的冠動脈形成術」と説明された。意味が分からなかったが、カテーテルを入れての治療ということで、手術ではなかった。入院期間はたった4日。それにしては説明書やら同意書やら、入院生活の案内ほか大量の書類を持たされた。
入院日には自分や家族が捺印した書類などと共に3日分の着替えくらいの荷物を持って、家内の車で病院へ。入院受付で手続きをして6階の4人部屋の病室に案内された。
受け取った「入院診療計画書」に担当の医師、看護師、薬剤師、栄養士がそれぞれ記載されてある。後で分かったが同室は3人で、担当の看護師や薬剤師などは全く別々であった。つまり、違う看護師や薬剤師などが入れ代わり立ち代わり出入りしていた。
初日は血液検査やX線、心電図などの検査のほかカテーテルを入れる血管の準備をした。その一つとして看護師が足の付け根の毛を剃った。あとはゆっくり明日待ちであった。
2日目、外は好天気。広く開いた病室の窓からの眺めは良好。視野の右端に雪を頂いた富士山がくっきり見えた。
病室での簡単な検査の後、素っ裸にT字帯を付け、検査ガウンを羽織って検査室へ案内される。中には白衣の2人の男性と4~5人の女性。2人は担当医と検査技師、女性は看護師と薬剤師などか。
ベッドに仰向けで横たわり、局部麻酔の注射をし、CT検査機みたいなのが頭上を覆う。
3か所の候補があったカテーテル挿入個所は右手甲になったようだ。
担当医の指示の声と緊張した検査技師の声が聞こえ始める。順調に行っているのかどうか技師の声で伝わって来る。医師が頻りに指示をする。技師の声に戸惑いがあると不安が生じる。
その内「ニトロを〇ミリ・・・」の声が聞こえた。心臓発作を治める特効薬の「ニトログリセリン」のことである。技師から「ちょっと手が熱くなります」の声の直後、右手に熱湯が入ったような熱さを感じた。しかしそれは10秒ほどの時間だった。
頭上の検査機が色々動く。そんな状態が続いた後「あった!」という技師の声が聞こえた。冠動脈の狭窄部のことだったのだろう。
検査と治療は1時間半ほどであった。その場では説明がなかったが治療は私が予想したステントの装着ではなく、バルーンで狭窄部を拡げたものだった。
その日はその後心電図モニターを取り付け、あとは病室での検査が多少あっただけ。どこも痛くないし、歩くのも全く支障は無かった。
翌3日目は心電図モニターのほか、体温・血圧・血糖値など一般的な検査で経過観察をするだけ。
やっと携帯電話やメールが出来る状態になった。
一方、同室の一人は私より年配で、看護師との対話も弱々しく、ベッド脇に酸素ボンベが置かれていた。
そして翌22日に退院。この間の食事は、朝7時、昼12時、夜18時に運んで来た。そして栄養士から聞かれる「全部食べられましたか?」。私は毎回答えた「完食です」。また飲み薬は薬剤師がきちっと時間通りに持って来た。朝食後は8時、夕食後は19時、就寝前は23時に。
午前10時に退院手続きを。入院費の支払いはキャッシュカードで1分もかからない。
しかし処方薬をもらってびっくりした。何せ7種の薬が42日分・・・。市内の開業医でもらっている薬まで含めた一貫投薬なのであった。
入院の前日まであった心臓発作が退院10目の今日まで起きていない。ありがたいことである。
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