フォレスタの散歩道(パート4へ) 東日本大震災の20日前、2011年2月にスタートしたこのブログも1000回を超えた

概ね2~3日毎の更新、1回に3題の記事をめどとして来たが、以後間隔や記事の数などに捉われずに更新することとしたい。

ノーベル賞第三の矢は?/運動会の組体操に警鐘

2015-10-10 21:46:00 | 日記

   ノーベル賞の各分野の賞が相次いで発表されるノーベル賞週間。その初日の医学・生理学賞の大村智・北里大学特別栄誉教授に続いて二日目には物理学賞で横田隆章東大宇宙線研究所長が栄誉に輝いた。それに続く第三の矢としてここ数年有力候補に挙がっている文学賞の村上春樹氏の受賞は今年も見送りになった。さらに平和賞の「日本国憲法第九条」も受賞対象にはならなかった。前者については惜しまれる声が強いが、後者については多くの人の間に諦めの気持ちが強く漂っていて、今や落胆するに当らなかったかもしれない。勿論、安保関連法案が政府・与党により強硬成立した日本の「平和憲法」が、世界の平和の視点から見て地に堕ちたからである。日本国総理大臣が「世界の平和に寄与する」が言ったところでとても信頼を得るに至らなかった。それでも日本が自然科学の分野で世界に誇れる業績を上げていることに誇りを持ちたい。

   運動会シーズンたけなわの今、最近では運動会の華となっている組体操の「ピラミッド」が話題になっている。大阪府八尾市の市立中学校の運動会で1年から3年の男子生徒157人による「人間ピラミッド」が崩れて、6人の重軽傷を負う事故が起きたからだ。生徒が四つん這いになり段を重ねて行ってピラミッド型をつくるものでこの学校では10段もあったという。私も一週間前に最寄りの小学校で6段のピラミッドを見たばかりであるが、10段の凄さは想像できる。事故のあったこの中学校だって始めから10段に取り組んだのではあるまい。多分5段か6段からどんどんエスカレートして行ったものと思う。この競技の狙いとしては参加する生徒の協調性や一体感を引出し、結果として達成感を味わあわせることと思うのだが、今年成功したら来年はもっと高度に、そして参観者の喝采をさらに浴びる・・・というのは容易に考えられる心理である。そのワナにはまった結果であろうと思うが、同じ危険は日本中の学校の運動会に潜んでいるはずである。今回の事故に省みてエスカレートにブレーキがかかることを望みたい。  

 [日本語教師の帰国後編]#2-安房鴨川を訪ねる

   私の教え子で第一号の研修生は、私が日本へ帰国する半年前の2010年6月に赴任していた。場所は安房鴨川(千葉県鴨川市)の鴨川グランドホテル。水族館テーマパークとして人気の高い鴨川シーワールドのすぐ近くに位置する臨海ホテルだ。
   08級(2008年入学)生のソウ・ジホウとオウ・セキショウの男子2人、それにヨウ・レイサとキョウ・カンの女子2人、計4人である。業務は調理場のオウ君を除いてフロント員であった。赴任間もなくの8月、私が夏休みで一時帰国している時に子供・孫を含めた家族旅行を鴨川シーワールドに定めて、家内と研修生を慰問に訪ねた。フロントで用件を告げたら快く招集してくれ、仕事の手が離せないオウ君を除いて3人と面談することができた。立派なホテルだし、仕事環境も良さそうで安心をした。 歩いて数分の従業員専用宿舎にも案内をしてくれ、食堂も見せてくれた。悩みは通信手段。研修生共通の規制だが、携帯およびパソコンは日本に持ち込み禁止なのである。研修に専念を建前に外界との接触を抑え、雑情報を断つためだが、中国の肉親との通信にも不自由なのだ。しかし建前は建前、その内に研修生は皆日本でパソコンなどを買い始め、使用者側も見て見ぬふりをしてあげるようだ。因みにこの時は手紙で訪問の予告をしておいたのである。
   もう一つ思わぬ悩み。日本では美容院に行けば3,4千円かかると聞いて、女子2人は髪切りセットを中国から持って来た。確かに、学校内の理容所に行けば男子は100円くらい、女子でも150円か200円で済むのだから日本の料金には目が飛び出るに違いない。
   それから7ケ月、東日本大震災が発生した後に家内と再度訪問した。今度は4人全員が揃った。一人が大地震の時にエレベーター内にいて、恐ろしい目に遭ったと話していた。また中国では原発の放射能汚染の恐怖が大報道されていて、肉親や友人から帰れコールがやまないとも話していた。しかし彼ら彼女らはそういう声を振り切って任期一杯(5月まで)の日本残留を決意していた。だがホテルは臨海であることや原発放射能の拡散の懸念から客足が急速に減少し、残念な状況の中で中国に帰国したのである。
  

    
 赴任早々に訪ねる(3人と家内) 大震災後に再訪(4人と私達)   海を臨む鴨川グランドホテル 

 

 

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