飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

ロシアで出生率が上昇し、子供用品市場は不況知らず!!

2010年10月26日 10時56分37秒 | Weblog
 ロシア最大の脅威とは何か。核問題でも経済問題でもない、人口の減少だ、といったのはプーチン大統領(06年の年次教書演説)だった。ところが、昨年から出生率が増え始め、今も上昇が続いているという。ロシアにとっては久々の朗報である。

 モスコー・タイムズ紙の26日電子版によると、ロシアの出生率は昨年、対前年比で2・8%上昇した。その傾向は今も続いていて、今年1-4月の上昇率は1・3%だった。ロシアの人口が毎年70万人づつ減っている、としてプーチンが06年、第2子出産時に補助金をだすなどの人口増加対策を打ち出し、それが効果を発揮してきたのだ。

 そのお陰で活況を呈しているのが子供用品市場。リーマン・ショック以降、消費者の買い控えが続いているが、この市場だけは例外で、年間15%も上昇し、今では円換算で1兆2000億円規模の市場に膨れ上がった。なかでもロシア最大の子供用品チェーン「ジェーツキー・ミール」(子供の世界)では、昨年売り上げが9%伸び、今年は12%増が期待されているという。

 ベビーフードは外国のメーカーが大半を占めているが、25%のシェアをもつネッスルは「ロシア市場はコンスタントに伸びている。世界的な金融危機のときも売り上げは落ちなかった。両親が金を惜しまず、有名メーカーの上質のフードを食べさせようとするからだ」と話している。

 ロシアでは共稼ぎ夫婦が多いこともあって、子供は1人か2人という家庭が多い。それだけに、親は子供を大事に育てようという気持ちが強く、それがベビーフードに限らず、子供用品市場全体を押し上げているのだろう。その半面、子供をかわいがり過ぎるのでは、と思うこともある。モスクワ特派員当時、妻と子供2人が一緒だったが、子供に荷物を持たせて歩いていると「荷物は親が持ちなさい」と、ロシア人に怒られたことがある。そこまで言うか、と妻と苦笑したことを思い出した。



 
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