飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

キルギス議会選で大量の水増し投票など不正が次々明るみに!!

2010年10月19日 10時56分56秒 | Weblog
 中央アジアのキルギスで行われた議会選(10日に投開票、定数120)は、与野党とも過半数を取れず混迷を深めているが、さらに大量の水増し投票などの不正が明るみに出てきた。このため選挙のやり直しを求める声が高まっており、事態は混沌としてきた。

 19日のロシア独立新聞(電子版)によると、中央選管が開票の集計作業を行ったところ、投票総数は約300万票にのぼり、有権者数の約280万人を約20万票上回っていたことが判明した。投票総数が有権者総数の7%も多かったもので、水増し投票が組織的に行われた可能性が高い。そのほか、投票前日に有権者に配布される登録用紙が一部地域で販売されていたなどの不正も見つかっている。

 こうした不正投票が明るみに出てきたため、首都ビシケクや民族紛争が起きたオシなどで18日、住民多数が集まり、選挙無効や投票のやり直しを求めて集会を開いた。選挙の中間開票結果で議席獲得が認められなかった政党はこの日の集会で、正しい選挙結果が公表されるまでハンガーストを行うと宣言した。
  
 一方、野党の「アタ・ジュルト」「アル・ナムス」「共和国」の政党代表はモスクワへ飛び、ロシア側と対策を協議している。中間結果では野党の得票率が野党側を上回っているため、野党連立政権を目指しているが、首相人事などを巡って協議は難航している模様だ。

 中央選管は18日の会議で、政党や地方選管の開票結果に「食い違い」があることを認め、再計算を行うことを決めた。その結果を踏まえて今後の対応を決めるが、選挙不成立となる可能性が高い。そうなると選挙のやり直しとなるが、少数政党が乱立する状況が変わらない限り同じ結果となる可能性が高い。西側の選挙監視団などの間では「議会選は時期尚早だった」との声も出ていて、事態解決の方向性も見えない状態だ。