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第二次プーチン政権は、大統領と首相で機能を分担するタンデム(双頭政権)方式から、数人の利益代表で協議して決める旧ソ連共産党政治局方式に戻った―。ロシアで影響力のあるシンクタンクが「プーチンの大きな政府と政治局2・0」と題する報告書をまとめ、こう結論付けた。プーチン政権の現状と今後を占うものとして注目される。
この報告書は「ミンチェンコ・コンサルティング」(エフゲニー・ミンチェンコ代表)が政治・経済エリート約60人のインタビューを元に作成したもので、21日付けのコメルサント紙(電子版)に掲載された。それによると、ロシアの権力は、資源をめぐってお互いに競い合っているグループの寄合世帯であり、プーチン大統領がその調停役を務めている。ただ、大統領は唯一の指導者ではなく、いわば灯台の管理人のようなものとみている。
さらに報告書は、旧政治局員に当たる人物として、メドベージェフ首相、イワノフ大統領府長官、ボロージン同第一副長官、セーチン・ロスネフチ会長、、チェメゾフ国営会社会長、ソビャーニン・モスクワ市長、企業家のティムチェンコ氏、銀行家のコバルチュク氏の8人を上げている。メドベージェフ氏については「今春の大統領選に立候補しなかったため信用を失ったが、政権内に仲間がいて、再度中枢に戻る可能性がある」と指摘している。
しかし、このチームには、保守強硬派のセーチン・ロスネフチ会長と改革派のドボルコビッチ副首相がともにエネルギーを担当していて、2人の間で対立が生じる恐れがあるとみている。また、政権の危機が生じた場合、プーチン大統領と親しいクドリン元財務相やプロホロフ元大統領候補を重要ポストに起用する可能性があるとしている。
また、報告書では、反プーチン派の抗議行動は続くものの、エリートの大半はロシアの政治、経済は今後も安定した状態が続き、反動的、反西欧的グループが政権を握ることはありそうもないと指摘している。さらに、エリートの主要目標はロシア国内と欧米諸国の人々に対し、自分たちの財産は正当に得たものであることを示すことだとしている。
この報告書は、すでに言われていたタンデム政権の崩壊を明確に認め、合議政治体制に移っていることを示している。カリスマ性も国民統合のシンボル性も失ったプーチン大統領は、今後何を支えに国政を運営していくのか。自らの地位を守るためだけの“延命政治”はやめてほしい。
(この項おわり)
第二次プーチン政権は、大統領と首相で機能を分担するタンデム(双頭政権)方式から、数人の利益代表で協議して決める旧ソ連共産党政治局方式に戻った―。ロシアで影響力のあるシンクタンクが「プーチンの大きな政府と政治局2・0」と題する報告書をまとめ、こう結論付けた。プーチン政権の現状と今後を占うものとして注目される。
この報告書は「ミンチェンコ・コンサルティング」(エフゲニー・ミンチェンコ代表)が政治・経済エリート約60人のインタビューを元に作成したもので、21日付けのコメルサント紙(電子版)に掲載された。それによると、ロシアの権力は、資源をめぐってお互いに競い合っているグループの寄合世帯であり、プーチン大統領がその調停役を務めている。ただ、大統領は唯一の指導者ではなく、いわば灯台の管理人のようなものとみている。
さらに報告書は、旧政治局員に当たる人物として、メドベージェフ首相、イワノフ大統領府長官、ボロージン同第一副長官、セーチン・ロスネフチ会長、、チェメゾフ国営会社会長、ソビャーニン・モスクワ市長、企業家のティムチェンコ氏、銀行家のコバルチュク氏の8人を上げている。メドベージェフ氏については「今春の大統領選に立候補しなかったため信用を失ったが、政権内に仲間がいて、再度中枢に戻る可能性がある」と指摘している。
しかし、このチームには、保守強硬派のセーチン・ロスネフチ会長と改革派のドボルコビッチ副首相がともにエネルギーを担当していて、2人の間で対立が生じる恐れがあるとみている。また、政権の危機が生じた場合、プーチン大統領と親しいクドリン元財務相やプロホロフ元大統領候補を重要ポストに起用する可能性があるとしている。
また、報告書では、反プーチン派の抗議行動は続くものの、エリートの大半はロシアの政治、経済は今後も安定した状態が続き、反動的、反西欧的グループが政権を握ることはありそうもないと指摘している。さらに、エリートの主要目標はロシア国内と欧米諸国の人々に対し、自分たちの財産は正当に得たものであることを示すことだとしている。
この報告書は、すでに言われていたタンデム政権の崩壊を明確に認め、合議政治体制に移っていることを示している。カリスマ性も国民統合のシンボル性も失ったプーチン大統領は、今後何を支えに国政を運営していくのか。自らの地位を守るためだけの“延命政治”はやめてほしい。
(この項おわり)
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