ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『クローバーフィールド/HAKAISHA』

2008-04-21 21:22:42 | 映画
(原題:CLOVERFIELD)

----これって今年最初のイベントムービーだよね。
「うん。徹底した秘密戦略に出たからね。
最初はタイトルさえ出さなかったというんだから、
これまた大胆だ」

----でも自由の女神の首が転がってくるシーンとかは
予告にも出てきたし、
みんな逃げ惑っているからエイリアンものかと…。
「まあ、そうは言っても
情報は洩れてくるもので、
ぼくも昨年、原稿を書くためにネットで一生懸命調べて
結局、アレが出てくるということが分かってしまった…」

----じゃあ、興味半減したでしょ?
「いや、設定が
“かつてセントラルパークと呼ばれた場所で見つかったビデオ”。
これだけで最後がどうなるのか
とにかく確かめたくなったね」

----でも、えいの苦手な
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』パターンって聞いたけど。
「全編ハンディカム撮影だからね。
でも、それを言うならば 『REC レック』にそっくり。
たとえば暗くなってカメラのライトで照らしたりとか、
暗視カメラで敵を見つけたりとか…。
もしかしてこの『REC レック』からインスパイアされたんじゃないかな」

----それでもけっこう満足そうな顔してるけど…。
「うん。なんと言ってもプロットはしっかりしている。
主人公たちの紹介の仕方にしても実に巧く、
最後まで行動する人々の顔が
観客に印象に残るような登場のさせ方をしているんだ。
ただ、途中で地下鉄を歩くシーンでは
あらら『0:34 レイ_ジ34_フン』の感じで終わっちゃうのかと
少し、危惧したけど、
すぐに地上に戻ってきたし」

----『ディセント』にもならなかったわけだ(笑)。
「そういうことだね。
それともう一つ気に入ったのは、
主人公が彼女と別れており、
そのことを悔やんで
部屋の中で身動きが取れなくなったその子を救出に向うこと。
ちょっと、ここなんかは涙がにじんだね。
まさか、この映画で泣かせられるとは…。
さらに言えば、この映画
現代のイラク戦争をイメージとしてダブらせている。
戦火の中の人々は、
このように理不尽な暴力で
ただただ逃げ惑うしかない…。
そう言う意味でぼくは
これは徹底した反戦映画のように感じた。
上から目線でなく、名もない普通の人々からの目線で
大きな災厄を描いている。
ただ、映画館を出て
いつもは余韻が残るんだけど、
これは、あ~あ、現実に戻ってよかったって感じが強くて、
そこが微妙なところかな」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「思っていたのとだいぶ違うようだニャ」身を乗り出す


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
一番ノリノリ~ (となひょう)
2008-04-21 21:41:06
こんにちは。
反戦映画ですか。なるほどー
まだ色んな方のレビューを読みにいっていないのですが、(うーん、そんな間もないのですが)
「結局なんなのよ」的なご意見も多いと聞いてました。
でも、自分なりに解釈をしている方のレビューを読むのは楽しいですね。
私のところにコメントを頂いたエスねこさんのご意見がひじょうに興味深かったです。
お時間ありましたら遊びにいらしてください。
ボケッとしてるとgooさんは絵文字が増えているので楽しいですね。
■となひょうさん (えい)
2008-04-21 22:08:03
こんばんは。
反戦映画は言いすぎかなとも思いましたが、
こういうアプローチで、戦争を描く映画もあってもいいのではないかと…。
ぼくはこの映画は、思った以上に楽しめました。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』とは
モノが違いますね。
徹底的な個人視点 (ノラネコ)
2008-04-21 23:56:18
こんばんは。
これってゴジラ映画で言えば、プチプチ踏み潰されているエキストラの視点なんですよね。
キングコングから数えても70年以上作り続けられて、殆どやりつくされたと思っていた怪獣映画というジャンルで、ほんの少し視点を変えただけでこれほど新鮮になるというのは衝撃でした。
やはり既成概念にとらわれていてはいけませんね。
現実のメタファーとしての怪獣映画も、余計に切実に感じました。
■ノラネコさん (えい)
2008-04-22 10:00:11
同感です。

これは徹底した個人視点の映画。
なぜ、これまでだれもやらなかったんだろうと、
改めエテュシギな気持ちになります。

『REC レック』でも同じ手法を
さらに徹底してやっていますが、
その奥にあるテーマの深さを考えると、
やはりこの映画に軍配を上げたいです。

Unknown (mig)
2008-04-22 10:27:26
えいさん☆
こちらにも、、、、
クローバーフィールド、わたしは期待しすぎちゃったのかもです、、、
そこそこ楽しめたんですが、同時に物足りなさも、、、、。

ノラネコさんのところで、えいさんが『紀元前1万年』ご覧になったと読みました
書かれなかったんですね?
わたしも昨日観たんですがぜんぜんダメでした
■ migさん (えい)
2008-04-22 11:06:40
こんにちは。

ぼくは逆にまったく期待してなく、
でも話題の映画だから観ておかなくちゃの
そのノリがよかったのかも。

『紀元前1万年』、ここでその話題というのはいいですね。
ローランド・エメリッヒ、
彼には同じ、ゴ●ラ(もう出してもいいですよね)をモチーフにしても
こういう作り方はできない。
ノラネコさんが書かれているように
作られた時代が違っていたら受けた映画だったと思います。
こんばんわ (睦月)
2008-04-24 00:03:59
怪獣から逃げ惑う人間。
たったそれだけの映画になんですが、
実は深読みすればするほどにいろんな見解が出来る
作品だと・・・私も感じましたです。

反戦映画ってのも決して言いすぎではないと
思うのです。

予期もせぬ突然のパニックに見舞われたときの
人間の行動原理がかなりリアルに描かれていて
・・・なんだかとんでもない映画に思えました。

ところでメールの件、了解いたしました♪
えいさん☆ (mig)
2008-04-24 00:10:39
こんばんは。
コメントありがとうございます
メール、昨日届いております!
すぐに夜中にメールのお返事したのですが、
届いておりませんでしょうか??
先ほど同じ内容でまた送っておきました
宜しくお願いします
■睦月さん (えい)
2008-04-24 00:40:02
こんにちは。

この映画、なかなか好意的レビューに出会わなかったので
睦月さんのところを見てほっと一安心です。

ぼくはこの映画は、イラク戦争のメタファーではないかと感じました。
それも『宇宙戦争』より遥かに徹底している。
映画はやはり観てみるものですね。

メール、ありがとうございました。
■migさん。 (えい)
2008-04-24 00:47:12
こんばんは。

うっかりしておりました。
迷惑メールの中に、
自分のアドレスを使ったものが多く、
@mail.goo.ne.jpをなんと拒否メールに入れてしまっていました。
そのため、migさんのメールも未着となっていました。
いま、解除しました。

お手数ですが、もう一度送っていただけると幸いです。

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