ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ザ・スピリット』

2009-04-18 16:17:11 | 新作映画
(原題:The Spirit)

----このチラシの雰囲気、どこかで観たことがあるニャあ。
ほとんど色がなくってノスタルジックな感じ。
『スカイキャプテン - ワールド・オブ・トゥモロー』にも似ているけど、
赤だけが際立って、ちょっとハードボイルド。
あっ、思い出した。『シン・シティ』だ。
「そう。こういうことをやれるのは
その『シン・シティ』を手掛けたフランク・ミラー
彼をおいてほかにはいない。
プレスの表現がまたいい。
『闇が溶け出す!赤がうごめく』
『「赤」がバトルにはじけ、エロスになびき、バイオレンスに染まり、
ミステリーにからみつく』。
この映画の特徴は、ここにすべて言い尽くされている」

----へぇ~っ。でも他にも何かあるでしょ。
ほら、出ている女優が豪華だとか…。
「そうか。じゃあ、そこを説明するために
まずは簡単な設定から。
この映画の主人公スピリットは、街(セントラル・シティ)を守るヒーロー。
とはいえ、よくあるアメコミヒーローのように
特別な能力を持っているわけじゃない。
ただ、彼は決して死ぬことはないんだ」

----それって、最大の能力じゃニャい(笑)。
「確かに(笑)。
で、このスピリットは
自分が、なぜ墓の中から甦ったのかは分からない。
しかしいつも、このセントラル・シティを守るため、
マッドな犯罪者オクトパスと原始的な殴り合いから、
最新スペックの武器までを総動員したバトルを繰り広げている。
そんな彼の前にあらゆるタイプの女性が現れる。
スピリットの少年時代の初恋の相手で
いまは宝石泥棒の女サンド・サレフ(エヴァ・メンデス)、
オクトパスの右腕の冷血な副官シルケン・フロス(スカーレット・ヨハンソン)
生前の婚約者でスピリットの怪我を治す美しき外科医エレン・ドーラン(サラ・ポールソン)、
後輩の新米刑事モーゲンスターン(スタナ・カティック)、
ナイフを振り回す妖艶なダンサー、ブラスター・オブ・パリス(パス・ベガ
そして、水中の死の天使ローレライ(ジェイミー・キング)」

----そんなにたくさんいると、目移りしちゃうニャあ。
「そうでしょ。
しかもこのスピリットが女好きな上にジェントルマン(紳士)。
というわけで、次々と女性がまいっちゃう。
果たして誰が本命なのか、こっちも観ていて分からなくなってくる」

----ところで、男の方についてはまだ聞いてないんだけど?
「ごめんごめん。
ずっとマスクなので、
あまり気にしていなかったもので…(汗)。
主人公のスピリットを演じているのはガブリエル・マクト
『グッド・シェパード』とかにも出ていたらしいけど、どの役だろう?
それよりも注目はオクトパスを演じるこの人、
サミュエル・L・ジャクソン
部下のシルケンを演じるスカーレット・ヨハンソンとともに、
シーンごとに、
エキゾチック・ジャポンだったり、ナチスだったり。
なにせ切腹まで出てくるんだから驚いちゃう」

----えっ。サミュエルが切腹?
「いや、そうじゃなくて、
彼が作った“フォボス”と呼ばれるクローン集団のひとりが
切腹させられちゃう。
これが、あの『チャーリーとチョコレート工場』
を思い出すおかしさ。
頭が悪く、すぐ裏切り、すぐ殺される。
作る方も作る方で、
足のすぐ上に顔があったり。
これはルイス・ロンバルディが演じているけど、
ちょっとした見モノだよ。
そういえば、猫が薬で目玉だけになったりという
えぐい描写もあったなあ」

----そ、それはヒドすぎる。
て言うかそれ以前に、
えいって、こういう作り込んだ映画あまり好きじゃなくなかった?
もはや映画とは思えないって…。
「普通はそうなんだけどね。
この映画の場合、
監督のフランク・ミラーが映画上がりじゃないところが功を奏している気がする。
つまり映画という枠組みにとらわれず、
自分の表現したい手段でそれを映像化したって感じ。
それには、このCGIの手法があっていたってことだろうね。
本人も『このテクノロジーは未来を語るというものだけでなく、
過去に大切にされたものも蘇らせることができる。
奇妙な街の光景やド派手なネオンというコミック的なものだけでなく、
昔ながらのフィルム・ノワールの雰囲気というものも創りだせるんだ』と語っている。
『マックス・ペイン』
でも使われたハイスピード・デジタル・カメラ、
“ファントム”を使用しての冒頭の水中描写、
シルエットだけで表現した屋根の上を走るヒーローなど、
好き嫌いは別として、こういう映画もありかもと納得。
まあ、物語がヒーローの秘密を解き明かしてゆくという形だったことも
ポイントが高い部分かな。
今日から公開されている『パニッシャー:ウォーゾーン』
これもヒーローの誕生が描かれた前作の方が遥かにオモシロかったものなあ」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「映画も変わってきたニャあ」身を乗り出す

※こういう映画もたまにはいい度

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