ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ミーシャ ホロコーストと白い狼』

2009-04-09 22:47:55 | 新作映画
(原題:Survivre avec les loups)

----このタイトル、意味がよく分からないニャあ。
ホロコーストって、ナチスが行ったあの大量虐殺のことでしょ。
その残虐性を狼で比喩しているの?
「いやいや。そうじゃない。
これは、第二次大戦下のブリュッセルに住むミーシャという少女の物語。
両親をナチスに連行された彼女は、
彼らが東に連れて行かれたらしいという情報だけを頼りに、
もらったコンパスを手に、
たったひとりで
ドイツ~ポーランド~ウクライナへと
ナチス占領下のヨーロッパを旅するというもの。
原作は『少女ミーシャの旅』というベストセラーらしい」

----じゃあ、その“白い狼”というのは?
「途中で彼女が知りあう野生の動物。
ミーシャには動物と心を通わせることができる特別な才能があって、
これによってナチスが放った犬さえも手なづけてしまう」

----分かった。それで彼女は狼に育てられ
人間の言葉を忘れた“狼少女”になる。
「いやいや、そんな話じゃないよ。
実際にはありえるはずのない
超人的サバイバルが延々と続く。
途中、空腹のあまりミミズや、
オオカミが取ってきてくれたウサギやイノシシの生肉を食べたり。
これはミーシャに扮したマチルド・ゴファールが大変だったろうね。
実際に、厳寒の中での撮影が行われ、
『わがままゼロ』と言われた彼女も
このミミズのシーンでは、唯一、泣き叫んだらしい」

----でも、まさか本当に食べたわけじゃニャいよね。
「もちろん。
何を食べたかを言うと興をそぐからここまでにするけど、
劇中では本物にしか見えないところがスゴイ。
しかし、ぼくはこういうストレートな映画には弱いね。
とりすましたところ、とんがったところがない直球勝負。
この素直な感覚、あまり現代のフランス映画にはないよなあと思ったら、
監督はヴェラ・ベルモン
彼女の『女優マルキーズ』も、
当時、すんなり入ってきた記憶がある。
そうそう、ヴェラはロシアとポーランドの血を引いたユダヤ人なんだって」

----第二次世界大戦と少女を描いたフランス映画と言ったら、
『禁じられた遊び』が有名だよね。
「うん。ぼくもちょっとあの映画を思い出した。
でも、この映画のミーシャは、
後半に出てくる兵士の言葉を借りれば“勇敢な小さな兵隊”。
大人でも不可能な冒険の旅を続ける。
そのありえなさときたら、言い方は悪いけど一種のホラ話。
でも、それでも泣けるんだよなあ。
オオカミと寄り添って寝るところとか…。
こんな風に動物を使うのは反則技だとも思うけど。
しかしほんとに、いろんな動物が出てきなあね」

----猫も?
「あっ、それは少なかったね。
ミーシャが猫のまねをして
絞った牛の乳の入ったバケツに顔を突っ込むのと、
あとはごみ箱を開けてら、
餌をあさっている野良猫が飛び出すシーンくらい。
ミーシャが心通わせるのは、だいたいにおいてイヌ科の動物」

---あいかわらずだニャあ。

           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「猫もちゃんと扱ってほしいのニャ」ご不満


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