ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『映画 クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国』

2009-04-16 22:20:25 | 新作映画
----しんちゃんって、
子供よりも大人向けに作られているって言われること多いよね。
こんども、ターゲットはそんな感じニャの?
「う~ん。おそらくね…」
----あらら、歯切れが悪いニャあ。
「今回は、最近の行きすぎたエコ・ブームを
少し批判的に描いている。
まあ、それ自体、もう手あかが付いている感もあるけど、
もっと気になるのはその構成の方」

----構成?
「うん。知ってのとおり、
ぼくは辛口じゃなく、
辛くなりそうなときはスルーしちゃう(ずるいけど)。
ただ、今回の『しんちゃん』は、
映画が傑作となりうるには何が必要なのかを考えさせてくれる
一種の教材的役割を果たしているんだ」

----いよいよもって、言っている意味がよく分からないニャあ。
「じゃあ。それを分かりやすくするために、
まずはそのストーリーから。
地域のごみ拾い運動でしんのすけが拾った謎のドリンクを
勝手に飲んだひろしとみさえ。
ふたりは、突然動物の姿に変わってしまう。
ひろしはニワトリに、みさえはヒョウに…。
そう、それは新町長に就任した四膳守がリーダーを務める
過激エコ組織が秘密裏に進める
『人類動物化計画』だったのだ!
動物化したひろしとみさえは組織の基地に連れ去られてしまう。
果たして、しんのすけとひまわりとシロ、
そして半動物化したカスカベ防衛隊は
彼ら似非エコ組織の野望を打ち砕くことができるのか?」

----あれっ。どこかで聞いたことがあるニャあ。
そうだ。『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』だ。
「やはり誰でも気づくよね。
あの映画では、ひろしが靴下の匂いで正気に戻るけど、
今回は、しんのすけのおしりで
動物化してしまったみさえの記憶が元に戻る。
家族の絆を前面に打ち出しているところも同じ」

----ほんとだ。でも監督は違うよね。
「しぎのあきら。彼は本作が初の劇場公開作となる。
彼は、映画が一方的なエコ批判に陥らないような工夫もしてはいるんだけど、
逆に、それが焦点をボケさせてしまった気もするんだ」

----どういう工夫がなされているの?
「この似非エコ組織と戦う、ビクトリアなる女性を配置。
ところがその女ビクトリアにも問題あり。
おしゃれが命で、全身ブランドに身を包み、
燃費の悪そうなアメ車に乗る。
しかも脱いだものはそのまま」

----ニャるほど。
それは『オトナ帝国の逆襲』にはなかった要素だ。
あの映画では、しんちゃんが独力で
家族を救いだそうと必死になる姿が感動を呼んだんだよね。
「そういうこと。
全体としてはこの二つの映画は相似形にありながらも、
こういう些細な違いで観た後の感動が大きく変わってくる。
一本の映画が傑作となるかどうかは、
ディテールと、そこに込められた作者の想いによっても左右されるという、
これは分かりやすい例だと思ったね」

           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「シロも大活躍するらしいのニャ」もう寝る

※それでもよくできている度

コトリ・ロゴお花屋さん ブーケ、アレンジメントetc…

人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー