ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『容疑者Xの献身』

2008-10-04 23:22:49 | 新作映画
「そうか。そりゃ、そうだよな」
----ニャに、ぶつぶつ言ってるの?
「いや、この『容疑者Xの献身』って、
東野圭吾の原作だったんだなって。
なるほど、どんでん返しがあるわけだ」

----あっ、観るまで『容疑者Xの献体』と間違えていたヤツね(笑)。
「そうそう。
主演の福山雅治がまたまた白衣だったからね。
ちょっと病院のイメージが重なっちゃって…。
でも、観てみたらなるほどこれは『献身』的な愛の物語」

----確かこれってテレビの『ガリレオ』の劇場版なんでしょ?
帝都大学物理学助教授の湯川学が、
その能力を駆使して
持ち込まれた事件を論理的に解決していくという…。
「そうだね。
しかもこれは“半『刑事コロンボ』”的な作りとなっている
シリーズすべてがそうなのかどうか分からないけど…」

----どういう意味?
「『刑事コロンボ』、
そのほとんどは
あらかじめ犯人を観る側に明らかにしておいて、
コロンボが推理を駆使してその犯人にたどり着くまでを
見せていくというスタイルを取っている。
この映画も、そのパターンを踏襲しながら、
実は最後にもう一ひねり加えてあるんだ。
だから、ほんとうの結末は観客は知らないという、
そういう作りになっている」

----ニャるほど。それがどんでん返しね。
「うん。
原作ものだから、
あまりストーリーをあれこれ言っても
映画を語ることにはならないのは
いつものとおり。
ただ、よくできているお話ではあったね」

----じゃあ、見どころは?
主演の福山雅治は確か久しぶりの映画出演だよね。
「彼の喋り口調とかは、
FMで彼がやっている番組とほとんど同じ。
でもまあ、これはこれでいいんじゃないかな。
ぼくは笠置衆を思い出したね。
自らの素材で勝負できる数少ない俳優だ。
問題なのは、柴咲コウ。
この人もいつも同じ演技なんだけど、
ハイテンションすぎる。
困ったことにぼくには
ワンパターンにしか見えないんだ(ファンの人、ゴメンナサイ)。
今回、思ったのは
俳優が地のままで勝負するときは
そのトーンが押さえてある方がうまくいくということだね。
肩に力が入った演技というのは、観ていて辛いものがある」

----X=石神役の堤真一は?
『クライマーズ・ハイ』に続いてまた山に登っているけど…。
「途中までは、
型通りの演技。
ちょっと類型的だなと思って観ていたけど、
クライマックスの“泣き”の演技でビックリ。
ストーリーのどんでん返しとも相まって、
もしかしたらこれは
“石神が石神を演じている”という
堤真一の計算だったのではないかとね。
あと、同じくビックリしたのが松雪泰子。
この人に、こんな疲れた生活臭のある役ができるとは…。
途中、彼女が松雪だということを忘れて観てしまっていたよ」

----見どころいっぱいということ?
「いやあ、それはどうかな。
こういう演技面でしか勝たれないのがこの映画の難点。
あまり映画である必然性は感じない。
楽しいことは楽しいんだけどね。
雪山のシーンも
『ミッドナイトイーグル』よりはリアリティがあった。
あっ、もちろんテーマはヘビーだよ」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ニャンでも映画グッズが欲しかったらしいニャ」小首ニャ

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