ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『私がクマにキレた理由(わけ)』

2008-10-05 21:29:10 | 新作映画
(原題:The Nanny Diaries)


----これって何週間か前に観たんじゃなかった?
「うん。
ちょっとタイミングを逃してたんだけど、
昨日、映画館で予告編をやっていて、
そうか来週公開なんだと気づいて……。
しかもその予告が
この映画の特徴をあまり伝えていない。
これは喋らなくては……と、そう思ったわけ」

----ふうん。そういうことニャンだ。
で、この“クマ”ってニャによ。
クマって動物園くらいにしかいないじゃない。
だれかのたとえニャの?
「まあ、そこがポイントだね。
でも知らないに越したことはない。
ぼくもこのクマというのは、
主演のスカーレット・ヨハンソンと
一緒に写っている子供の比喩かと思っていたんだ。
ところが彼がほんとうに厄介なのは最初だけ」

----簡単にお話を説明してよ。
「主人公は
大学卒業したばかりのアニー。
就職活動を始めた彼女だが、面接に失敗。
ところがその帰り、
セントラルパークで
危うく事故に遭いそうになった子供を救出。
彼女に感謝する母ミセスX(ローラ・リニー)が
アニーの名前をナニーと聞き間違えたことから、
アニーは思いもかけない人生を歩み出すことになる……」

----なに?そのナニーって?
「これは、ぼくも知らなかったんだけど、
“幼児保育のプロフェッショナル”のことらしい。
さて、このミセスXが暮らしているのが
アッパー・イーストの超高級アパート。
ミセスXは口はうるさいくせに、自らは育児放棄。
それでいながら、
5歳の息子グレイヤーを観念的に躾けようとする。
たとえば、大通りを渡るときはベビーカーに乗せて----とか、
食べるものは豆腐のような健康食ばかりだとかいうようにね。
そんな彼の前でジャムだったか、
瓶に手をそのまま突っ込んで行儀悪く食べるアニー。
最初こそぎくしゃくしていたアニーとグレイヤー。
しかしいろんな楽しみを教えてくれるアニーによって、
グレイヤーの心も徐々に開かれてゆく」

----ふうん。
そのアニーと男の人との絡みとかはないの?。
「いや、ちゃんと入れてある。
アニーは同じアパートに住む男性と恋に落ちるんだ。
ところが、ミセスXのルールによれば
うちのナニーは恋愛は御法度」

----あらら。それでよく我慢できるね?
「そこなんだよね。
普通の会社でもそうかも知れないけど、
いったん、そのルールの中に入ってしまったら、
いつしかそれが絶対的なように見えてしまう。
しかもこちらは雇われ人。
きちんとできていないのは自分が悪いからではないかと、
アニーは自らを責めてしまうわけだ」

----ははあ~っ。だんだんキレた理由が分かってきた。
「でもなんといっても、
この映画の魅力は、
その語り口。
アニーを人類学専攻という設定にして、
マンハッタンのさまざまな人々を
自然史博物館のジオラマケースの中に観ているような
楽しい空想シーンを織り込んでいる。
そしてさらに嬉しいのが、ナニーの代表的な映画
そう『メリー・ポピンズ』へのオマージュが
ファンタジックに出てくるところ。
もちろん『チム・チム・チェリー』も使われているよ」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンも遊び相手がほしいニャあ」うららかフォーン

※ローラ・リニーはこの役にピッタリだ度

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