ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ハロウィン』(ロブ・ゾンビ版)

2008-10-03 22:00:00 | 新作映画
(原題:Halloween)


----『ハロウィン』?
へぇ~っ、こんな映画までリメイクされたんだ?
「うん。
オリジナルはジョン・カーペンターの名を一躍有名にした映画。
以後、スプラッター系、モンスター系の映画は増えたけど、
実は、ジョン・カーペンター版は、
いわゆる血糊ドバ~っという手合いのものじゃなかった。
同時代だと、
そういう血しぶき表現はむしろダリオ・アルジェント。
『サスペリア』なんか
ぼくは目を開けていられなかったもの」

----でも、今回はかなりやっちゃってんでしょ?
確かシリーズ化されたけど、その続き?
「いやいや。
これはオリジナルのリメイクだね。
しかもフォーンの想像どおり、
惨殺シーンもかなりグロい。
ただ、最近の過激な“痛い”表現を見慣れた目からすると、
この映画は、若干、押さえている感がないでもないけどね」

----リメイクかあ。
ということは、マイケル・マイヤーズの少年時代から始まるんだ?
「そういうこと。
しかも前作に比べて、
その幼年時代の描写にかなりの時間を割いている。
監督としては、
マイケルがなぜそういう残忍な男になったかを
その過去に求めようとしているわけだ。
家庭環境に恵まれず、
また学校でもイジメの対象となっていたマイケル。
小動物を残忍に殺して遊ぶ彼は、
ハロウィンの夜、ついにその凶暴性を爆発させる。
母親の恋人、姉、そしてその恋人を惨殺した彼は、精神病院に収容され、
小児行動学者ルーミスの治療を受けるものの、
途中から、一切口をきかなくなってしまう。
17年後、彼はその精神病院を脱走。
ただひとり、生残っている妹ローリーを求めて、
あの事件が起きた、生まれ故郷のハドンフィールドへ向う!」

----そうそう、そういうようなお話だったよね。
監督がデス・メタルの巨人、ロブ・ゾンビって聞いたけど、
どんな感じだった?
「これが意外----と言っては失礼かもしれないけど、
かなりよくできているんだ。
観ている間、ローリーの気持ちと一体化して、
『早く、早く!』と、
彼女が迫りくるマイケルから逃げるのを
ハラハラしながら見守っていたからね」

----そうか、感情移入できるということは、
よくできている証拠でもあるよね。
「うん。光と闇の使い方もうまく、
たとえばドアが閉まると、
それまで闇だった場所が月明かりに照らされ、
実はそこにブギーマンが隠れていたことが分かる」

----ちょ、ちょっと待って。
ニャに、そのブギーマンって?
「マイケルが頭から被っているマスク。
それがブギーマン(お化け)のマスクであることから、
今やモンスター化したマイケルはブギーマンと呼ばれているんだ」

----あっ、だから続編に『ブギーマン』というのがあるわけか?
「なんだ、知っているじゃない。
で、この映画、そのハラハラドキドキ感に加えて、
キャスティングが見モノ。
このブギーマンを演じているのが
プロレスラー“狂人ビッグ・スカイ”としても知られる
タイラー・メインなんてのは、
まあ、映画ファンにはあまり関係ないけど、
問題なのはルーミス役。
これがなんとマルコム・マクドウェル。
『時計じかけのオレンジ』のあの不良少年が
少年を更生させる役という、とてつもない皮肉。
オリジナルでも使われた
『遊星よりの物体X』『禁断の惑星』が再び使われているのも嬉しい。
あと、そうだな。
ヒロインや子どもたちの絶叫かな。
なかでもクライマックスでの絶叫は
パトカーのサイレン、
そして赤ちゃんの泣き声と見事にリンク。
これはほんとうに感心したな」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ハロウィンはお菓子がもらいたいニャあ」もう寝る

※でも監禁されている中で、どうして力強くなれたか分からない度

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画像はフランス・オフィシャル(ダウンロードサイト)より。