ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ミラーズ』

2008-10-26 21:16:07 | 新作映画
(原題:Mirrors)


----『ミラーズ』?
これって鏡の中の世界を描いたものニャの?。
「う~ん。確かに鏡の中も出てくるけど、
どちらかというと
鏡のこちら側での出来事がメインだね」

----どういうお話?
「主人公は元刑事のベン(キーファー・サザーランド)。
彼はニューヨーク6番街にある焼けただれたデパートで
夜警の仕事につく。
さて、このデパートには今なお美しい光沢を保つ巨大な鏡が…。
その鏡に引き寄せられて思わず触れたベンを
おぞましいできごとが次々と襲う。
これが物語の発端だ」

----おぞましいできごと?
「どこからともなく聞こえてくる呻き声。
鏡に映し出される焼けただれた女性の姿。
やがてベンの前任の警備員ルイスの変死体まで見つかり、
デパート火災に関する新聞記事が
そのルイスからベンの元に届く。
果たしてルイスはベンに何を伝えたかったのか?
市警の元同僚の協力を得て、
かつては病院だったデパートの過去を洗い出すベン。
そして彼は、ついにひとりの少女の存在にたどり着く……」

----うわあ。ほんとうに怖そうだね。
監督は『ハイテンション』
アレクサンドル・アジャだっけ?
「うん。
昨今の多くのホラー同様、
直截的な残酷描写が多く、
こういったオカルト風味の映画には
彼の作風はどうかな?
と、最初はノレなかったんだけど、
話が混み入ってくるにつれ、
次第にオモシロくはなってきたね。
そしてこれも近年のハリウッド映画の特徴の一つだけど、
主人公のベンは妻子と別れて住んでいる。
ところが子どもたちに危害が及び始めることから、
彼は全力でその魔手と戦おうとするんだ。
ただ、そのために彼は禁じ手ともいえる
“ありえない行動”に出る。
いくら家族の命を救うためとはいえ、
あれはないなあ」

----ニャに、その“ありえない行動”って?
「いや、さすがにこれは明かせないな。
映画のキモとも関係してくるからね。
あと、後半、彼が超人的な行動によって
その見えざる魔手と戦う。
『エンド・オブ・デイズ』の
シュワルツェネッガーではあるまいし、
それは無理----と思ったら、
さすがにここはうまいオチを用意したね」

----ふうん。ビジュアル的にはどうニャの?
鏡を使うんだから撮影が難しそうだけど…。
「窓ガラス、TVモニター、金属製のドアノブ、
さらにはバスタブや床を濡らす水の表面など、
日常の中のあらゆる反射物を鏡に見立てて
物語が進んでゆく。
ここもストーリーとの絡みでうまいと思ったところかな。
特に、妻エイミーが
『家の中に何かいる』と気づくところとかね。
床の水たまりに写った息子。
しかし、息子がその場を離れても
水の中の彼はそのままなんだ」

----ブルッ。
「あと、見どころは主要舞台となるデパートだね。
これはルーマニアのブカレストで撮影しているんだ。
かつてのこの国の独裁者ニコライ・チャウセスクの指示で建設された
その建物の趣味の悪さ。
もう、おどろおどろしいことこの上ない。
いくらお金を積まれても、
こんなところで夜警の仕事には就きたくない----
そう思ったな」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「鏡を見ないには、目を瞑るしかないのニャ」もう寝る

※部屋中から反射物をなくすのは難しい度

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画像はアメリカ版ポスター。