ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『機械じかけの小児病棟』

2006-05-25 20:38:24 | 新作映画
----またまたスゴいタイトルだね。
しかも《骨折スピリチャル・ホラー》だって(笑)。
これは痛そうだ。でもどういう意味?
「プレスによると
『目と耳から強烈な痛みを伴って観る者を震え上がらせる』とある。
つまりボキッ、ボキッと骨の折れる音が大音響で響くわけだ」

----趣味悪いなあ。
「ぼくも最初はそう思った。
しかしこれが意外とオーソドックスな、
しかも最後にはホロっとさせる
スペインのゴースト・ホラーなんだね」

----と言うことは、この病棟にゴーストの怨念が渦巻いているわけだ。
「うん。
物語は老朽化していて閉鎖間近の小児病院で起こる。
その病院に派遣されてきた看護婦エイミー(キャリスタ・ロックハート)は
子供たちが夜な夜な何かに怯えていることに不審を抱く。
実は病院には古くから『機械少女』と呼ばれる
全身に金属の矯正器具を付けた少女の霊が出ると言う噂があった。
やがて、彼女はこの病院に隠された
おぞましき過去を知る」

----分かった。このゴースト(悪霊)は
子供たちをこの病院から出したくない。
そこで暴れているんだ。
その骨折も、悪霊が子供の退院を引き延ばすために起こしたんでしょ?
「鋭いなあ。
この映画、一見チープに見えながら脚本が凝っていて
さまざまな伏線が張りめぐらされている。
たとえばエイミーの前任の看護婦スーザンも同じような怪奇現象に悩み、
そのあげく車のスリップ事故で死んでしまう。
それについて、ふたりの老霊能者姉妹は
『死期が近づいている者にのみ霊が見える』
『霊は自分の大切な人を側に置こうとする』とエイミーに説明」

----えっ、じゃあエイミーは霊の姿を見ないの?
「そこがポイントなんだ。
エイミーは、その邪悪な霊の姿を目撃してしまう。
と言うことはヒロインまでも死んでしまうのか?------
この<霊と人間のルール>に基づいたオチもよくできている。
また、映画ではこの超常現象の元となった
過去の悲惨な事件が語られるんだけど、
その犠牲となった少女のカルテがなぜか見つからない。
これもミステリーとしては楽しめたね」

----でも、いつも不思議に思うんだけど、
どうしてこういったホラーでは
ヒロインたちに
あんなにも勇気があるの?
普通なら、怖くて腰を抜かしてもおかしくないのに、
自ら進んで、暗くておぞましい場所へ足を踏み入れちゃう……。
「そこもきちんと理由付けがなされていた。
エイミーは過去に自分のミスで患者を死なせている。
そのため、2度と過ちは犯すまいと言う気持ちが強いんだ。
もう命なんて惜しくはない……
それが彼女の勇気ある行動の元となっていると言うわけさ」

----ふうん。ニャんかできすぎた話だなあ。

        (byえいwithフォーン)

※病院はイヤだ度
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