ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

見上げた空から

2009年06月12日 23時11分35秒 | 生活
太陽の光は、
光の波長よりも短い粒子にあたると
波長の短い青色の光がより強く散乱する。

これは青空の仕組みだ。

降り注ぐ太陽光、
蒸発する涙や水蒸気、
自転する地球
これらが複雑に入り組んで空が出来ている。
そのため気象は様々な様相を呈し、
寒気と暖気の入り混じる秋の空は移り変わりやすく、
女心に例えられたりする。

女心は永遠に謎なのだが、
気象に関しては
これらの現象の多くは、
科学的に解明され、
ほとんどの気象は数値化されているこの現代で、
いまだに謎の現象が起こるのは
とても興味深い。

石川県などで、
空から小魚やおたまじゃくしが降ってきた
というニュースが、最近の世間を騒がせている。
理由はまだわかっていないという。

まさか雲の上の仙人が、
雨を飲み干すために
肴にしている小魚やおたまじゃくしを
こぼしたんだということもあるまいが、
降ってくるのが
ホタルイカやサザエだったりしたら、
それを肴に雨中の酒盛り
としゃれ込んでみたいという、
ご同輩もきっとたくさんいるだろう。

そんなニュースとはまったく別の話、
先日アメリカのピアノコンクールで
全盲の辻井伸行さんが、
日本人初の優勝を果たしたという。
若干20歳。
血のにじむような苦労が、
彼を鍛え上げたとしても
20年の歳月はあまりにも短い。
きっと彼の中には、
人の一生分以上の天賦の才が
生まれながらに宿っていたのだろう。

「天才や奇跡という安手の形容は寄せつけず、
努力や鍛錬というありきたりの言葉では足りず、
感嘆の吐息をもってしか語れない人生」

と読売新聞の紙面に書かれていた。
見えない鍵盤をたたいて
生み出される彼の音楽は
「天から降る」と評されらしい。

ん?
天から降る?
音楽といえば、音符。
音符といえば、おたまじゃくし。
それが天から降る。

そう、もうお気づきでしょう。
ここで、その全盲のピアニストのニュースと
石川県のニュースが奇妙に符合するのです。

なあんてしょうもないことを考えてしまうわしには、
天罰が下るか、
せいぜい天賦の才とは
似ても似つかぬ俗才が宿っている程度か。

ため息と共に今日も見上げた空からは、
何が降りてくるわけでもなく、
ただ青い青い夏の空の予感と
ぽっかり楽しそうな雲が浮かんでいるだけでした。

もう、夏はすぐそこだ。