雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

香菜里屋を知っていますか

2011-09-18 22:29:41 | 

北森鴻著"香菜里屋を知っていますか"を読みました。
シリーズ物のラストです。
シリーズの一冊の"桜宵"の読後感はあまりいいものでは
ありませんでした。
でもこちらは結構おもしろかったです。
同じシリーズの本でもいいと思うもの、あまりよくないと
思うものに分かれるのはどうしてでしょうね。

香菜里屋のバーテンダー工藤がおいしいお酒と食べ物を
出し、お客さんのちょっと不思議な話を聞いてこういう
ことなのではという見方を披露するというものです。
今回はラストの話で工藤が香菜里屋をたたんでどこかへ
消えてしまいます。
このシリーズはお仕舞いです、というきちんとした終了
宣言ですが、そうきちんと言われてしまうとそんなに
はっきり言わなくてもいいじゃないの、という気に
なります。

前に本屋さんで本の本体と箱を入れ替えるという話が
ありましたが今回は古本屋さんで本と表紙のカバーを
入れ替えるという話があります。
学生が買うにははずかしくてレジに持っていけないものを
詩集のカバーと替えて持っていくというものでした。
それはできるでしょうがなぜこんなことを考えつくので
しょう。二人の作家さんが同じような入れ替えを
思いつくということは、他にも大勢の人が考えたり
実際にやったことがあるということでしょうか。

工藤はぬれ衣で間違ったことを思われて別れた師匠の
娘の香菜をずっと待っていました。店名の香菜里屋は
香菜を思って付けた名前です。
香菜の助けの求めに応じてどこかへ行ってしまいました。
ずっと一人の人を待つというのは最近ではあまり
見かけないので新鮮な感じがしました。9/6