雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

月のうた

2011-09-24 21:00:00 | 
穂高 明
ポプラ社
発売日:2007-10


穂高明著"月のうた"を読みました。
民子が小学4年の時、母は病気で亡くなりました。
母方の祖母と父との暮らしになりました。
六年の時に父が再婚して新しい母が出来ました。
祖母は施設に入所しすぐに亡くなりました。
母の高校の時の親友とその息子の陽一との交流など
淡々と書かれています。

民子は祖母に教えられ料理など家事は完璧にこなせます。
理科系に強くあらゆることに興味を持ち詳しく説明
できます。物静かな感じを受ける子です。
新しいお母さんの宏子は明るくむとんちゃくで
あまり知識を持ってない人です。
正反対という感じの二人です。
いつしか大人の宏子が民子にいろいろ教えてもらうと
いう関係になっていますがうまくいっています。

部活として打ち込む合唱のこと、陽一の家での
家庭教師についての勉強などが描かれます。
宏子に赤ちゃんが生まれ年の離れた弟ができます。
大学生になり親元を離れ東京へと旅立ちます。

静かな雰囲気をたたえた物語です。
民子の芯の強さやまわりの状況を受け入れていく
様子が描かれています。
実の母が真実を告げずに亡くなったことにわだかまりを
感じていたのを解きほぐしてくれる大人がいてくれて
よかったです。

家族は集まりそして離れていきます。
民子は出発し家族の形は変わっていきます。

子供にとって親が亡くなるのは世界ががらっと形を
変えることです。
新しい状況に慣れるのはほとんど平らな坂道を延々と
歩いていくようなものでしょうね。
何年ものちにやっとこれが自分の世界と言えるように
なるのではと思います。9/13