雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

信太郎人情始末帖 狐釣り

2011-09-05 20:17:41 | 

杉本章子著"信太郎人情始末帖 狐釣り"を読みました。
美濃屋の長男信太郎が主人公の時代小説です。
図書館の棚で見かけて借りました。
シリーズになっているようです。
検索してみましたが一連の流れになっているようですから
1冊目から順番に読んでいった方がいいみたいです。
この本は途中でも特に問題はありませんでした。

信太郎は許婚がいたのに吉原の引手茶屋の内儀おぬいと
深い仲になって家を勘当されています。
おぬいの叔父が河原崎座で出納を受け持っており信太郎は
その下で働いています。

最初の部分は以前強盗を捕まえる手助けをしたことがあり
その強盗たちが牢破りをして信太郎に仕返しをしようと
企む話です。
みごと強盗たちの企みを見破ります。

信太郎の友人の元吉は岡っ引きの手先をしています。
お袖という人を好きになりました。
お袖には亭主がいました。仙安といって薬種問屋に勤めて
いて独立して医者になりました。
3年前に行方不明になっています。

両替屋加納屋の主惣八は湿瘡から全身を病んでいます。
息子の栄吉が仙安を使って毒薬を盛っていたのです。
妾の子に店を譲ろうとしているのを知って病死を待たずに
殺してしまいます。

金貸しの五百蔵は乱暴で強引な取立てをしています。
栄吉が仙安を使って家族を毒殺したことを知って
自分もその方法を使って金を手に入れようとします。

元吉はお袖といっしょになりたいと思っています。
そのためには仙安の行方不明の真相をつきとめて
決着をつけたいと調べまわっています。
元吉の動きをうるさく思う五百蔵に刺されて重症を
おいます。
お袖は仙安に元吉を毒殺するよう脅されていましたが
頑として拒否していました。
元吉が刺されたことを知って毒薬を飲んで自殺して
しまいます。

さらさらと読める本です。
江戸の雰囲気が感じられます。
元吉とお袖の恋は実らず哀れでした。8/20