日本と海外の実力馬が集結する国際GⅠレース・第41回ジャパンカップ(GⅠ・芝2400m 18頭立て)が28日、東京競馬場で行われました。昨年はアーモンドアイVSコントレイルVSデアリングタクトの「3冠馬対決」で盛り上がりましたが、今年のJCは、②コントレイル、今年のダービー馬③シャフリヤール、京都大賞典で5年ぶりの勝利を挙げた⑮マカヒキ、2018年のダービーを制した⑰ワグネリアンと「4世代のダービー馬」が揃い踏み。さらには、昨年は大逃げを見せた⑤キセキ、今年のオークス馬⑭ユーバーレーベン、アルゼンチン共和国杯連覇の⑦オーソリティ、菊花賞でコントレイルを追い詰めた⑨アリストテレス、秋天4着⑫サンレイポケット、③ブルーム(アイルランド)と⑱ジャパン(アイルランド)の「キーファーズ&エイダン・オブライエン厩舎コンビ」、フランスGⅠ馬⑤グランドグローリーの海外勢3頭も参戦しました。
単勝の人気は、コントレイルが1.6倍で1番人気。2番人気はシャフリヤール(3.7倍)、3番人気オーソリティ(7.1倍)。4番人気以降はアリストテレス、ユーバーレーベン、ブルーム、キセキ、グランドグローリーという順でした。
スタンド前でのスタートで、ブルームと⑩ロードマイウェイが少し遅れ気味。コントレイルは好スタートを決めた。先行争いで⑪シャドウディーヴァとアリストテレスの2頭の競り合いから、アリストテレスが前に出る。3番手グループにワグネリアン・シャフリヤール・オーソリティ・サンレイポケットと固まり、ユーバーレーベンは7番手あたり。コントレイルは中団に位置付け、マカヒキ11番手、ブルーム後方4番手、キセキは最後方でゴール板を通過。
1,2コーナー中間のところで縦長の展開となり、向正面に入ってアリストテレスが先頭、2番手にワグネリアン、シャドウディーヴァ3番手、4番手にオーソリティ。5番手シャフリヤール、その外側からキセキが一気に中団から先団まで上がっていく。7番手サンレイポケット、コントレイルは8番手。9番手ユーバーレーベン、10番手グランドグローリー、11,12番手の位置にブルームとジャパンのキーファーズコンビ。13番手ロードマイウェイ、14番手⑯ユーキャンスマイル、15番手⑧ウィンドジャマー、16番手⑬モズベッロ、17番手マカヒキ、①ムイトオブリガードが最後方。
3,4コーナー中間を通過し、先頭に立ったキセキが後続を大きく引き離す。アリテレ2番手、3番手ワグネリ、オーソリティ4番手。シャフリ7番手、コントレ8番手は変わらない。中団にはユーバー・ジャパン・ブルーム・グラグロの4頭が控える。
4コーナーから最後の直線コースに入り、残り400mを切ってもキセキが逃げる。オーソリティが2番手に浮上すると、残り300mでキセキを掴まえて先頭に浮上。外からコントレイルとシャフリヤールが追い上げ、シャドウディーヴァも内を突いてやってきた。残り200mでコントレがオーソリティに並ぶと、残り100mで抜け出し堂々先頭!シャフリも3番手で頑張るが、コントレイル先頭でFINISH!これが三冠馬の底力!コントレイルがラストランを勝利で飾りました!!
【ジャパンカップ全着順】
1着 コントレイル 2分24秒7
2着 オーソリティ 2馬身
3着 シャフリヤール 1馬身1/2
4着 サンレイポケット 3/4馬身
5着 グランドグローリー 3/4馬身
6着 ユーバーレーベン
7着 シャドウディーヴァ
8着 ジャパン
9着 アリストテレス
10着 キセキ
11着 ブルーム
12着 ユーキャンスマイル
13着 モズベッロ
14着 マカヒキ
15着 ロードマイウェイ
16着 ムイトオブリガード
17着 ウインドジャマー
18着 ワグネリアン
【払戻金】
単勝 ② 160円
複勝 ② 110円 ⑦ 140円 ④ 120円
枠連 1⃣-4⃣ 530円
馬連 ②-⑦ 530円
馬単 ②-⑦ 670円
ワイド ②-⑦ 210円 ②-④ 150円 ④-⑦ 330円
三連複 ②-④-⑦ 510円
三連単 ②-⑦-④ 1,780円
国内外のGⅠ馬9頭が参戦した今年のジャパンカップは、コントレイルが1番人気に応えて快勝。ラストランでGⅠ5勝目を挙げ、有終の美を飾りました。2着のオーソリティは残り300mで一旦は先頭に立つもコントレイルにかわされました。それでも府中との相性の良さを示し、GⅠで好走したのは見事。2番人気で3着のシャフリヤールは、残り100mで伸びきれませんでした。来年こそはダービー馬の意地を見せてもらいたいところ。
オークス馬のユーバーレーベンは6着、昨年同様大逃げを見せたキセキは10着、元ダービー馬のマカヒキは14着、ワグネリアンは最下位の18着に終わりました。海外勢はフランスのグランドグローリーが5着が最高で、ジャパンは8着、ブルームは11着でした。
勝ったコントレイルは、昨年の菊花賞以来となる勝ち星を挙げ、通算成績11戦8勝。鞍上の福永祐一騎手、矢作芳人調教師、馬主のノースヒルズはジャパンカップ初勝利。
今年に入ってからは、大阪杯では不良馬場に苦しみ3着、その後の疲労が残って宝塚記念回避。半年ぶりの休み明けとなった天皇賞・秋では、外から追い上げるもエフフォーリアをかわし切れず2着。もどかしい状態が続いていましたが、最後のレースとなったこのレースで、強いコントレイルを見せてくれました。ゴールした後には、福永騎手が感極まる場面もありました。最後ぐらいは勝ってほしいなぁと思っていたから、その通りの結果となって本当に良かった。
コントレイルの現役生活はほとんどコロナ禍の下でしたが、無観客の皐月賞とダービーを勝ったのはいい思い出だし、ラストランで大勢のファンに祝福されて嬉しかったと思います。コロナ禍に苦しむ日本競馬界に現れた救世主でもあり、日本全体に希望の光をもたらしたヒーローでした。馬名の由来が「飛行機雲」だけど、コントレイルには青空がとても似合っていました。
今後は社台スタリオンステーションで種牡馬生活を送るコントレイル。種牡馬としての成功も期待したいし、何よりも親子三代での三冠馬が生まれたら、熱くなりますね。多くの興奮と感動を与えてくれたコントレイルには心から感謝したいです。現役生活お疲れ様でした!