1995年3月20日に起きた地下鉄サリン事件などで特別指名手配を受けていた、オウム真理教(現・アーレフ)元幹部の菊地直子容疑者が、3日夜に相模原市内で身柄を拘束され、警視庁本部に移送された後、殺人と殺人未遂の疑いで逮捕されました。逮捕から一夜明け、菊地容疑者の逃亡生活が明らかとなりました。
警視庁の調べによると、3日午前に「相模原市内で菊地容疑者に似ている女性が男性と一緒に一戸建ての家に住んでいる」という情報が寄せられ、捜査員がすぐさま現場に向かい、午後8時前に捜査員が「菊地か?」と尋ねたところ、容疑者が「はい」と答えて捜査車両に乗り込みました。
菊地容疑者と同居していたとされる男性は、午後10時ごろに神奈川県警大和警察署に出頭し、4日午前に犯人蔵匿容疑で逮捕されました。逮捕された高橋寛人容疑者は、2006年頃から同居していたと容疑を認めていました。
菊地容疑者は95年の地下鉄サリン事件で、「麻原彰晃」こと松本智津夫死刑囚らと共謀して、営団地下鉄(現・東京メトロ)の千代田線・日比谷線・丸ノ内線の3か所でサリンガスを撒いて、乗客ら12人を殺害、5000人以上に重軽傷を負わせた疑いがもたれていました。また、土谷正実死刑囚が中心となていたサリン製造プロジェクトに関わっていた疑いもあり、サリン試薬、実験器具などを購入し、実験成果をノートにまとめる役割をしていたとされています。
菊地容疑者は取り調べに対し、「サリン生成に関わっていた事は間違いありませんと」容疑を認めているとのこと。サリン事件の他にも、東京都知事宛てへの郵便爆弾事件でも殺人未遂の疑いで逮捕状が出ており、再逮捕の可能性もありそうです。
逮捕から一夜明け、菊地容疑者の逃亡の全容が明らかとなり、強制捜査が入った直後に逃走を始め、市川市や名古屋市、岩手県盛岡市など潜伏先を転々とし、その後高橋克也容疑者(サリン事件で特別手配中)と一緒になり、1996年には所沢市内で潜伏すると、川崎市内のアパートで2人暮らししていた事が判明。
高橋寛人容疑者と出会ってからは、町田市内のアパートで同居し、寛人容疑者のプロポーズに何度も拒否。平成22年からは「櫻井千鶴子」という偽名を使って相模原市の介護施設に勤務。今年2月にはホームヘルパー2級の資格を取得し、週3~4回介護施設に通っていたそうです。
地下鉄サリン事件発生から17年が経ち、ようやく菊地容疑者が捕まりました。W杯アジア最終予選・日本VSオマーンの試合中に「身柄確保」のニュース速報が流れ、そのニュースを見たときは驚きました。年明け早々に平田信被告が出頭したというニュースが報じられた時もいきなりという感じがしましたが…。これで平田被告、高橋容疑者が逮捕され、特別手配者でまだ逃亡しているのは高橋克也容疑者ただ一人。菊地容疑者を匿った男が「2年前に克也容疑者と会った事がある」と供述しているから、逮捕も時間の問題と言えそう。ただ、川崎市内に潜伏しているのかどうか分からない…。
菊地容疑者の顔写真も公開され、17年前は輪郭がふっくらとしていたんですが、現在は当時の面影も無く、別人かと言うほど痩せていました。潜伏していたとされる相模原市の自宅はとても古くてボロボロ。いつ崩れるかもしれない家でよく生活できたよなあ。今回の逮捕を受けて、麻原(松本)およびオウム幹部の死刑執行が先送りになる恐れも。高橋克也の逮捕、麻原彰晃の死刑執行はいつになるのか?