国内航空最大手で現在経営再建中の日本航空(JAL)が19日、主要子会社の2社と共に東京地裁に会社更生法の適用を申請し、更生開始決定を受けました。かつて「ナショナルフラッグ・キャリア」、「日本の翼」と呼ばれJALが事実上の倒産、日本の航空業界はまさに冬の時代です。
日航は申請前の午後に取締会を開き、会社更生法の適用を決定。夕方5時30分過ぎに東京地裁に申請しました。今回更生法を申請したのは、日本航空と子会社の「日本航空インターナショナル」、「ジャルキャピタル」の3社。3社合計の負債総額は2兆3221億円で、事業会社としては戦後最大級の経営破綻となりました。
これを受けて企業再生支援機構がJALの支援を決め、公的資金3000億円を出資し、政府と機構のバックアップを受けながら運航を継続させながら3年以内の経営再建を目指す方針。またアメリカの航空会社「デルタ航空」と国際的な航空連合の「スカイチーム」もJALを支援するとのことです。
西松遥社長は19日付で引責辞任、京セラの稲盛和夫名誉会長が2月1日付で会長兼最高経営責任者(CEO)に就任する予定です。
東京証券取引所は同日、日航株を2月20日付けで上場廃止を決定。株価の下落が止まらないJAL株のこの日の取引では一時3円まで下落しましたが、終値は前日と変わらず5円でした。残り1か月間は株式売買は可能だけど、新規の信用取引や株の貸し付けはできないようです。
更生法適用後のJALのサービス取り扱いの見通しについて
①国内線・国際線は通常通りの運航
②マイレージのポイントは、大手スーパーのポイントともに交換できたり、航空券の購入もできる。
③株主優待券は利用可能で、国内線の片道運賃が半額に。金券ショップでも買えるため株主以外でも利用OK。機構側は昨年の優待券は5月末を期限にする方針。ただし今後は100%減資のため発行できない。
④JTBやHIS、近畿日本ツーリストといった主要旅行会社は通常通りツアーを実施。ツアー中止の時は代金全額払い戻し。
⑤航空券の変更や払い戻し、予約取り扱いも従来通り。
⑥もしJALの旅客機が運航停止になった場合、他社便に振り替え。
再建計画案には、JAL子会社24社を売却、15社清算、会社統合で14社減らすとしています。連結売上高は2012年度に1兆3585億円、2008年度に比べて約6000億円減、グループ人員も約1万6000人減らすとしています。またボーイング747の「ジャンボジェット機」も廃止、14の国際線と17の国内線の不採算路線を削減。清算・統廃合などによりグループ内の大幅リストラ断行、営業黒字を回復させて平成24年度には再建を完了させるという目標を立てておりますが、3年でJALが復活するのは早い気もするし難しいと思う。「倒産」というマイナスイメージで顧客離れが加速する恐れもあります。
今度会長兼CEOに就任する稲盛さんの経営手腕が問われる事は間違いなし、「稲盛イズム」の浸透で会社が生まれ変われるか?最初は慣れない業種で苦しむかもしれないけど、JALを復活に導けるよう頑張ってほしいものです。