上半期最強マイラーを決める伝統の一戦・第61回安田記念（GI・芝1600ｍ 18頭立て）が５日、東京競馬場にて行われました。東京GI５連戦の大トリを飾るこのレースは、ヴィクトリアマイルでブエナビスタを破った⑧アパパネが参戦。牡馬を蹴散らしてGI６勝目＆府中マイル２冠達成なるか注目が集まりました。
アパパネ以外にも、今年重賞２勝の②シルポート、昨年のマイルチャンピオンシップ覇者⑰エーシンフォワード、同２着馬の⑬ダノンヨーヨー、京王杯スプリングカップの勝ち馬①ストロングリターン、３度目の安田挑戦となる③スマイルジャック、他にも⑱リーチザクラウン、⑤サンカルロ、⑯ジョーカプチーノなど、マイル＆短距離の実力者が集結。さらには香港から⑨ビューティーフラッシュと⑥サムザップの２頭が参戦してきました。
直前の単勝オッズは、１番人気がアパパネ（2.2倍）、２番人気がダノンヨーヨー（5.1倍）、スマイルジャック３番人気（9.8倍）。10倍以下はこの３頭で、その後はストロングリターン、シルポート、ジョーカプチーノ、ビューティーフラッシュと続きました。
スタートでダノンヨーヨーが立ち遅れ、アパパネは好スタートを切る。注目の先行争いでは、シルポートが鼻を奪い、ジョーカプチーノがじわじわと接近。唯一の３歳馬⑭リアルインパクトが３番手、④クレバートウショウ４番手、ビューティーフラッシュ５番手、６番手に⑮ビービーガルダン。アパパネは７番手付近で追走し、リーチザクラウンが８番手から押し上げにかかる。10番手に⑩リディル、11番手のところにストロングリターンが追う。後方グループは、14番手にスマイルジャックとサンカルロ、サムザップ16番手、ダノンヨーヨー後方２番手、最後方追走がエーシンフォワード。
18頭が縦長の状態で３,４コーナーを回り、シルポートが単独先頭キープ。２番手のカプチーノはシルポの背後をピッタリ付けている。少し離れた３番手にリアルインパクト、リーチが４番手まで浮上。アパパネはまだ中団のまま最後の直線へ。シルポートがまだ先頭をキープし続けるが、カプチーノとリアルが接近する。アパパネは真ん中から一気に追い上げようとするが、あまり伸びてこない。残り200ｍを切り、今度はリアルインパクトが先頭。最内からクレバートウショウ、真ん中にストロングリターン、大外からスマイルジャックが追い込んでくる。そしてゴール前でリアルインパクトとストロングリターンが抜け出し、わずかにリアルインパクトが粘ってゴールイン！３歳馬リアルインパクト大金星！アパパネら古馬勢を破り、春のマイル王に輝きました！
最終成績＆払戻金
１着⑭リアルインパクト 1.32.0
２着①ストロングリターン クビ
３着③スマイルジャック 1/2馬身
４着④クレバートウショウ クビ
５着⑯ジョーカプチーノ ハナ
６着⑧アパパネ 3/4馬身
７着⑩リディル 1/2馬身
８着②シルポート 3/4馬身
９着⑨ビューティーフラッシュ 1/2馬身
10着⑬ダノンヨーヨー アタマ
11着⑥サムザップ 1 1/4馬身
12着⑰エーシンフォワード 1 3/4馬身
13着⑤サンカルロ 1/2馬身
14着⑦シルクアーネスト ハナ
15着⑮ビービーガルダン クビ
16着⑪コスモセンサー 1 1/4馬身
17着⑱リーチザクラウン ハナ
18着⑫ライブコンサート ３馬身
払戻金
単勝 14 2930円
複勝 1 420円 3 340円 14 710円
枠連 1－7 1090円
馬連 1－14 12270円
馬単 14－1 25810円
ワイド 1－3 1580円 1－14 2980円 3－14 3750円
３連複 1－3－14 44090円
３連単 14－1－3 335600円
マイル戦線で番狂わせが起こりました！ディープインパクト産駒のリアルインパクトが、古馬勢を蹴散らして安田記念を制しました！このレースで３歳馬が勝利したのは史上初となります。クビ差の２着にはストロングリターン、３着にスマイルジャックが入り、３連単で33万円台の高配当が飛び出しました。ちなみに、リアルインパクトとストロングリターンは堀宣行調教師の管理馬で、同厩舎での１,２フィニッシュが実現しました。
GI連勝をねらったアパパネは、直線で伸びず６着。やはり牡馬相手だと厳しいのか…。牡馬に勝ってこそ「名牝」と言われるけど、彼女はまだ「名牝」の域には達していないようだ。２番人気のダノンヨーヨーは、スタートミスが響いて10着惨敗。香港から参戦した２頭は、ビューティーフラッシュが９着、サムザップ11着に終わりました。
リアルインパクトに騎乗した戸崎圭太騎手は、JRA・GI初制覇。９回目の挑戦にして悲願達成です。この騎手は地方・大井競馬場に所属しており、南関東のエース・フリオーソとのコンビで交流GI５勝を挙げ、３年連続で地方競馬の全国リーディングジョッキーを獲得。中央でも通算50勝以上しています。中央のGIを勝った事でJRA移籍に大きく前進しそうだけど、コアな地方競馬ファンは「行かないでくれ」、「お前が移籍したら地方がもっと衰退する」という反対意見が殺到すると思います。戸崎騎手の今後の動向はいかに…。
下克上で春のマイル王に君臨したリアルインパクトは、新馬戦を勝利して以降は惜敗が続き、GIでも朝日杯フューチュリティステークスで２着、NHKマイルカップで３着とあと一歩及びませんでした。３度目のGI挑戦となった今回、単勝９番人気と評価はイマイチ。道中３番手をキープし続け、残り100ｍで先頭に浮上、ストロングリターンの追撃をクビ差で凌ぎきり勝利。通算２勝目で惜敗続きにピリオドを打ったのとともに、重賞初勝利を飾りました。古馬のGIで３歳馬が勝利したのはまさしく「リアルインパクト＝現実的な衝撃」と言えるでしょう。秋のマイルCSでは、同世代のライバル・グランプリボスとの直接対決が見てみたいですね。
