2月4日に開幕した「2022北京冬季オリンピック」。大会2日目の5日は、フリースタイルスキー男子モーグルで堀島行真選手が銅メダルを獲得し、今大会の日本人メダリスト第1号となりました。3日目の6日は、「国家スキージャンプセンター」にてスキージャンプの男子個人ノーマルヒル(ヒルサイズ=106m、K点=95m)の決勝が行われました。日本からは、今季W杯で7勝を挙げている小林陵侑、その兄の小林潤志郎、佐藤幸椰、中村直幹の4選手が出場。金メダルに一番近いとされる小林陵侑選手、まず最初の種目でメダル獲得なったのか!?
1本目、予選26位の小林潤志郎は97.5mを飛び、123.0点。30番目に登場の中村直幹は93.5mとK点に届かず(114.5点)。予選10位の佐藤幸椰は95.0mを飛んだものの、118.1点と点数を伸ばせず。この後、予選2位のヨハンソン(ノルウェー)、予選トップのリンビク(ノルウェー)も上位に入れず。予選4位の小林陵侑は49番目に登場。きれいな飛型から、距離を大きく伸ばし、着地もバッチリ決まった!不利な追い風の中、プレブツ(スロベニア)が出した103.0mを上回る、104.5mを記録。飛型点も審判員2人が「19.5点」を出し、飛距離点+飛型点のトータルで145.5点をマーク。139.2点のプレブツに6点以上の差をつけた。
1本目を終えて、小林陵侑が全体トップ、プレブツが2位、ストッフ(ポーランド)が3位。潤志郎は26位で2本目に進出したが、佐藤は32位、中村は38位で脱落。
2本目、潤志郎はK点手前の92.5mに終わる。
上位争いでは、1本目8位のクバツキ(ポーランド)が、2本目も100mオーバーのジャンプを見せる(103.0m)と、予選5位のフェットナー(オーストリア)が、104.0mの大ジャンプを披露し、2本合計270.8点で暫定首位に立つ。その後、ストッフとプレブツはフェットナーのスコアを上回れず。
そして、30番目に小林陵侑が登場。金メダルには98.0m以上が必要。メダルが決まる大事な場面だが、K点を越えると、着地も完璧に決めた!陵侑がガッツポーズを見せて勝利を確信!記録は99.5m、2本目は129.6ポイント。2本合計275.0点を挙げ、小林陵侑がノーマルヒルを制しました!
男子個人ノーマルヒル 最終結果
金メダル:小林陵侑(日本) (1本目=104.5m、145.5点 2本目=99.5m、129.6点 合計=275.0点)
銀メダル:マヌエル・フェットナー(オーストリア) (1本目=102.5m、134.5点 2本目=104.0m、136.3点 合計=270.8点)
銅メダル:ダビド・クバツキ(ポーランド) (1本目=104.0m、133.1点 2本目=103.0m、132.8点 合計=265.9点)
26位:小林潤志郎(日本) (1本目=97.5m、123.0点 2本目=92.5m、111.0点 合計=234.0点)
今大会日本人金メダリスト第1号が誕生です!スキージャンプのエース・小林陵侑選手が、個人ノーマルヒルで見事に金メダル獲得しました。1998年長野大会のラージヒルを制した船木和喜さん以来24年ぶりとなるスキージャンプ個人金メダル。ノーマルヒルとしては1972年札幌五輪の笠谷幸生さん(当時は70m級)以来の快挙。船木さんも笠谷さんは自国開催で獲得しましたが、海外大会での金メダルは小林選手が初めてです。
W杯で上位の選手、予選で上位に入った選手が1本目でスコアが伸びない中、小林選手は1本目に最長不倒の104.5mをマーク。1本目に完璧なジャンプで首位に立った時点でメダルは確実だと思いました。2本目も追い風の中での試技でしたが、ノーミスのジャンプを披露。小林選手の強さが目立ちました。
小林選手は「土屋ホーム」の選手兼任監督・葛西紀明さんの下で成長し、2018-2019シーズンに日本人男子として初のW杯総合優勝。今季のW杯では「ジャンプ週間」で2度目の総合優勝を果たすなど7勝を挙げました。W杯では日本人男子最多の26勝、五輪でも金メダリストとなり、師匠を完全に超えてしまいました。弟子の大活躍に葛西氏もまたモチベーションが上がっちゃったりして?
まず1冠を獲得した小林選手、この後は7日に混合団体、11日から個人ラージヒル、14日の男子団体に出場予定。ラージヒルでの個人2冠も期待したいですし、団体戦でも日本のメダル獲得に貢献できるか注目です。混合団体には高梨沙羅選手も出場するので、高梨選手にもメダルを獲ってほしいなって思っています。