最近日本テレビで「弱くても勝てます」というドラマが放送されていますが、現実の世界では負け続けて勝利の女神から見放されているスポーツチームがあります。東京大学野球部は東京六大学野球のリーグワースト記録に並ぶ70連敗、今年J1に昇格した徳島ヴォルティスは開幕から8連敗を喫しました。
東大野球部は20日の慶応大学戦で2-13と大敗。0-0で迎えた4回に東大先発の辰亥由崇投手が慶応5番・藤本知輝選手に先制2ラン本塁打を浴びると、中継ぎ陣が次々と打ち込まれ、6回には4点、8回には7点も取られ、12安打で13得点を挙げた慶応打線の猛攻を止められず。攻撃陣も8回まで0点に抑えられますが、9回に無死満塁から内野ゴロで2点を返すも、反撃はこれが精一杯でした。試合後、チームを率いる浜田監督が「不名誉な記録で注目されるのはスポーツマンとして悔しくて仕方がない」と力なくコメントしておりました。
東大野球部が最後に勝ったのは、2010年秋季リーグの早稲田大学戦(10月3日@神宮球場)。その試合で敗戦投手になったのが、現在日本ハムファイターズに所属し、当時は早大の主将だった斎藤佑樹投手でした。東大が斎藤投手を勝った次の試合から連敗街道まっしぐら。2011年春季から~2013年秋季リーグまで全敗で最下位。連敗脱出のために元巨人軍投手の桑田真澄氏、元中日の谷沢健一氏を特別コーチとして招聘するも、効果は全く見られず。この春季リーグでも0勝4敗・勝ち点0でぶっちぎりの最下位です。
かつて1987年秋季~90年秋季にかけてリーグ戦70連敗という記録を打ち立てましたが、その約23年半後に不名誉な記録に並んでしまいました。この後は5月3日の早稲田大学戦が控えており、負ければ71連敗となってしまいます。2011年以降に東大に入学した野球部員は、まだ一度も勝利を経験していません。特に4年生は卒業までに1勝したいところだ。
一方、開幕戦から白星なしの徳島ヴォルティスは、19日にホーム・「鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム」で清水エスパルスと対戦しました。序盤から清水に主導権を握られ、前半11分にノヴァコヴィッチに先制点を決められると、19分にもノヴァコヴィッチにこぼれ球を押し込まれ、0-2と苦しい展開に。前半30分に相手のハンドでPKを獲得し、反撃のチャンスを迎えますが、高崎寛之選手がPKを失敗してしまい、1点を返せず。後半も途中から入って来た高木俊幸選手に3点目を奪われ、さらに後半終了間際に大前元紀選手にダメ押しの4点目を決められジ・エンド。清水相手に0-4の大敗を喫した徳島、これで開幕から8連敗となりました。
徳島は昨年のJ2昇格プレーオフを勝ち抜き、四国初のJ1昇格を果たしましたが、今季開幕戦でサガン鳥栖に0-5と完敗。第2節以降もセレッソ大阪、横浜FマリノスなどのJ1勢に全く歯が立たず。ホーム開幕戦のセレッソ戦では、フォルラン&柿谷曜一朗の凱旋効果もあって1万2千人以上の観客が集まりましたが、清水戦では6113人しか埋まらず。連敗続きでサポーターも離れ、セレッソ戦の半分程度にまで落ちました…。
J1第8節終了時点で、0勝8敗・勝ち点0で当然ながら18チーム中最下位。失点もワーストの26失点、総得点もたった1点のみ。ナビスコカップも2戦2敗しており、現在公式戦10連敗中。シーズン開幕前に補強しかったツケがモロに出ています。どうして「大塚マネー(ポカリマネー)」を使わなかったの?このままだと夏場にJ2降格が決まっちゃうかもしれません。
開幕からの連敗記録は、96年シーズンの京都パープルサンガ(現・京都サンガFC)の17連敗が最長ですが、現行の90分制でのワースト記録は2011年にアビスパ福岡が開幕9連敗。もし26日の第9節・アルビレックス新潟戦で敗れると、福岡の記録に並びます。ホームでの試合で悲願のJ1初勝利なるでしょうか?
J2でもカターレ富山とカマタマーレ讃岐が開幕から未勝利。富山は2分6敗・勝ち点2で21位、J2初参戦の讃岐は1分7敗・勝ち点1で22位(J2最下位)と苦しんでいます。徳島もそうけど、J2未勝利組も勝てなくてつらい状態が続いています。早く勝ち点3を挙げられるといいですね…。