秋の最強マイラー決定戦・第31回マイルチャンピオンシップ(GⅠ・芝1600m 17頭立て)が23日、京都競馬場で行われました。昨年の勝ち馬⑬トーセンラーは2連覇、鞍上の武豊騎手は3連覇に挑戦。3歳マイル王⑮ミッキーアイル、GⅠ2勝⑩ロゴタイプ、2年前の覇者④サダムパテック、今年限りで引退表明⑭グランプリボスとGⅠ馬5頭のほかに、⑧フィエロと⑤レッドアリオン、⑰サンレイレーザーの重賞未勝利馬や、毎日王冠で大敗した⑨ワールドエース、新潟マイル重賞で2連勝⑪クラレント、昨年2着⑥ダイワマッジョーレ、マイル重賞の常連⑫ダノンシャーク、京都1800mレコードホルダー③グランデッツァなどが参戦しました。
単勝の上位人気は、ミッキーアイルが4.4倍で1番人気、トーセンラーが4.7倍で2番人気、フィエロとワールドエースが3番人気(5.6倍)で並びました。5番人気以降はロゴタイプ、クラレント、グランプリボス、ダノンシャーク、グランデッツァと続きました。
2コーナーポケットからのスタートで、ワールドエースが出遅れてしまう。サダムパテックと②エクセラントカーヴも後方からのスタート。好スタートを切ったミッキーアイルが行くかと思われたが、最内枠の①ホウライアキコが思い切ってハナを奪う。アイルは今回逃げずに2番手に控えた。3番手にサンレイレーザー、グランデッツァ4番手。ダイワマッジョーレとロゴタイプが5,6番手で並び、その後ろでは、レッドアリオン・フィエロ・ワールドエース・クラレントが7~10番手集団を形成。中団より後ろのグループには、ダノンシャーク11番手、⑦エキストラエンド12番手、グランプリボス13番手、トーセンラーは14番手の位置。後方はサダムパテック、⑯タガノグランパ、エクセラントカーヴが最後方という展開。
外回り3コーナーに入り、先頭を行くアキコは前半の半マイル(800m)を45.3秒で通過。坂の下りでアイルがアキコをかわして単独先頭に浮上。グランデッツァとレーザー、マッジョーレとフィエロも好位にいて、トーセンターはまだ馬群の中。4コーナーから最後の直線に入り、ミッキーアイルが先頭だが、外からグランデッツァとフィエロ、さらにダノンシャークが最内を突く。アイルは馬群に飲み込まれていく…。大外からトーセンラーとグラボスも上がってきたが、逆転は厳しそう。ラスト100mでシャークとフィエロの2頭が抜け出し、そのまま並んでゴールイン!内のダノンシャークが最後前に出たか?それとも外側のフィエロが重賞初勝利か?
マイルCS 全着順&払戻金
1着⑫ダノンシャーク 1分31秒5
2着⑧フィエロ ハナ
3着③グランデッツァ 1馬身1/2
4着⑬トーセンラー 3/4馬身
5着⑦エキストラエンド 1/2馬身
6着⑭グランプリボス クビ
7着⑩ロゴタイプ クビ
8着⑨ワールドエース 1/2馬身
9着⑥ダイワマッジョーレ 1馬身1/4
10着⑯タガノグランパ アタマ
11着④サダムパテック 1馬身
12着②エクセラントカーヴ 1/2馬身
13着⑮ミッキーアイル 1馬身
14着⑤レッドアリオン 1/2馬身
15着⑪クラレント 1馬身1/4
16着⑰サンレイレーザー アタマ
17着①ホウライアキコ 大差
単勝 ⑫ 1,810円
複勝 ⑫ 390円 ⑨ 200円 ③ 600円
枠連 [4]-[6] 1,970円
馬連 ⑧-⑫ 3,890円
馬単 ⑫-⑧ 11,460円
ワイド ⑧-⑫ 1,160円 ③-⑫ 4,320円 ③-⑨ 1,990円
3連複 ③-⑧-⑫ 25,760円
3連単 ⑫-⑧-③ 193,290円
ディープインパクト産駒同士の叩き合いは、写真判定の結果、単勝8番人気のダノンシャークがハナ差を制して秋のマイル王の座を手にしました。2着に敗れた3番人気・フィエロはわずか5センチ差に泣きました。ラスト100mを切ってからの攻防は、25年前のオグリキャップVSバンブーメモリーの再現を見るかのようでした。
連覇を狙ったトーセンラーは、大外追い上げも実らず4着まで。武豊騎手の同一GⅠ3連覇はなりませんでした。ワールドエースはスタートの出遅れが響き9着、1番人気だったミッキーアイルは、3コーナーで一旦先頭に立つも、直線ズルズルと下がり13着に終わりました。スタートから先頭を走っていたら結果は違っていたかも。ベテランと中堅の馬が上位に入る一方、世代交代を目論んだ3歳勢が揃って惨敗という体たらくぶり。3歳時代に勝ったタイキシャトルとアグネスデジタルは相当すごい馬だったんだなと思います。
ダノンシャークは昨年10月の富士ステークス以来の重賞3勝目を飾り、通算でも7勝目。鞍上の岩田康誠騎手は今年のJRA・GⅠ2勝目をマーク。マイルCSは4年ぶり2勝目です。岩田騎手はシャークとコンビを組むのは今回が初めてでしたが、相棒をGⅠ初Vに導きました。管理する大久保龍志調教師は同レース初勝利で、GⅠ勝ちは2007年の菊花賞(アサクサキングス)以来2回目です。
ダノンシャークはこれまでGⅠに4度挑戦し、昨年の安田記念とマイルCSで3着、今年の安田で4着。掲示板圏内の順位に入りながらも、GⅠタイトルには2,3歩届かない状態が続きました。昨年のこのレースにいたっては、1番人気に推されながらも勝てませんでした。今年は近走の成績(前走の富士ステークスでは7着)が影響して8番人気と昨年より評価を落としましたが、直線イン差しを決め、8番人気の低評価を覆しての勝利。5度目の挑戦にして念願のGⅠタイトル獲得を果たしました。岩田騎手の好騎乗もお見事です。今後は予備登録している香港マイルに挑戦するかどうか?体調次第では年内休養もあるでしょう。
さて、11月23日のWIN5は、とんでもないことになりました。
対象① 京都9レース・嵯峨野特別 ⑤コウエイワンマン(5番人気)
対象② 東京10レース・深秋特別 ⑫ドラゴンピース(11番人気)
対象③ 京都10レース・花園ステークス ②サンマルデューク(16番人気!)
対象④ 東京11レース・霜月ステークス ⑪ジョヴァンニ(10番人気)
対象⑤ 京都11レース・マイルチャンピオンシップ ⑫ダノンシャーク(8番人気)
今回のWIN5は「⑤-⑫-②-⑪-⑫」の組み合わせで的中者無し!4億1163万1640円のキャリーオーバーが発生し、24日分に持ち越されました。この日は波乱が続出し、東京10Rで11番人気の馬が勝利すると、京都10レースでは16頭中最低人気のサンマルデュークが勝利。対象3レース終了時点で残り75票。4レース目では残り5票まで減少。メインのマイルCSでフィエロが勝っていれば、的中1票で払戻金も4億円超えでした。4億円独り占めの夢が、ハナ差で水の泡に…。フィエロの票を持っていた方の心中お察しします。
勤労感謝の日の振替休日である24日も競馬が開催され、東京競馬場では「東京スポーツ杯2歳ステークス」が行われます。新潟2歳ステークス2着の②アヴニールマルシェ、重賞初挑戦の③グリュイエール、⑦マイネルシュバリエ、2連勝中の⑧ジャストドゥイング、⑨クラージュシチーなど全13頭が出走します。年末の朝日杯フューチュリティーステークス&ホープフルステークスに名乗りを上げるのはどの馬か?そして、24日のWIN5の行方も気になります。