1月20日は東西でGⅡ競走が2つもあり、中山競馬場ではアメリカジョッキークラブカップ(AJCC)が、中京競馬場でダート重賞の東海ステークスが行われました。
今週から開幕した中京競馬場、2日目のメイン競走は第30回東海テレビ杯東海ステークス(GⅡ・ダート1800m 16頭立て)。4年ぶりの中京開催となるこのレース、平安ステークスと開催時期を入れ替え、フェブラリーステークスに向けての重要なステップレースとしてリニューアル。東海S連覇を狙う①ソリタリーキング、ジャパンカップダート3着の⑥ホッコータルマエ、砂の女王⑬ミラクルレジェンド、⑨ナムラタイタン、⑮グレープブランデー、③ヤマニンキングリー、⑧サイレントメロディ、2連勝中の④グランドシチー、ダート2戦2勝の②ハートビートソングなど、ダートの実力馬が多数参戦しました。
レースは揃ったスタートで始まり、スタンド前での先行争いでヤマニンキングリーとホッコータルマエが好スタートを切ったが、外から⑭アイファーソングが上がって先頭でゴール板を通過。1,2コーナーから向正面に差し掛かり、アイファーが単独先頭、2番手にナムラタイタン、3番手に⑪バトルドンジョンがつけ、その後ろの4番手に⑦メダリアビートが追走。少し離れた5番手に⑩タカオノボル、6番手の位置にタルマエと⑤オースミイチバンの3枠2頭が並走。キングリー、グレープブランデー、ソリタリーの3頭が8番手集団を形成。ハートビートソングが11番手、ミラクル12番手、13番手⑫バックトゥジエース、14番手⑯フリートストリート、グランドシチー15番手に下がり、サイレントメロディぽつんと最後方。
先頭を行くアイファーソングは早くも3コーナーを回り、タイタンがピッタリ2番手。メダリアビート3番手、ホッコータルマエ4番手に上がり、ハートビート、グレブラなどはまだ中団。4コーナーから最後の直線に差し掛かり、アイファーとタイタンが並び、後ろからタルマエ、グレープブランデー、大外からグランドシチーが追い上げる。残り200mを切り、グレブラがナムラタイタンをかわして先頭に踊り出ると、そのまま後続を突き放してゴールイン!グレープブランデーがGI馬の意地を見せ、中京で復活勝利!
中京競馬の2013年の開幕を告げる東海ステークスは、単勝4番人気だったグレープブランデーが勝利を収めました。道中は中団の位置でじっくりと待機し、最後の直線で粘るナムラタイタンをかわし、最後は2着に3馬身差の快勝でした。1番人気だったホッコータルマエは3着、連覇を狙ったソリタリーキングは4着、2番人気のグランドシチー5着、ミラクルレジェンドは6着でした。
勝ったグレープブランデーは、2011年のジャパンダートダービー以来となる重賞勝利で、JRA重賞は初勝利。JDDを勝った時は次のダート界を担うかと思われましたが、その後右前脚を骨折。復帰後はオープンの特別競走・阿蘇ステークスで勝利すると、シリウスステークスで3着、JCD5着と掲示板圏内に入り、今回の東海ステークスで約1年半ぶりの重賞勝利を飾りました。フェブラリーSに繋がるレースに勝ち、1か月後に弾みがついたんじゃないかと思います。
中山メイン競走・第54回アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ・芝2200m)は、今年の古馬戦線で活躍が期待される12頭が参戦。アルゼンチン共和国杯を勝った⑨ルルーシュ、昨年重賞2勝のせん馬⑤トランスワープ、金鯱賞3着④アドマイヤラクティ、2010年オークス馬⑫サンテミリオン、闘争劇で日経賞を制した⑪ネコパンチ、ディープインパクト産駒の③ダノンバラードなどが出走しました。
スタートでルルーシュがタイミングが合わず。先行争いでネコパンチが鼻に立ち、⑥ゲシュタルトが2番手、トランスワープとダノンバラードは4,5番手の位置、ルルーシュは中団より後ろのところで1コーナーを回ります。先頭のネコパンチは1コーナーのところで後続をぐんぐん引き離して一人旅。大きく離された2番手にゲシュタルト、その後ろの3番手に⑩マルカボルト、トランスワープ4番手。5,5番手のところにサンテミリオンとダノンバラード、中団の7,8番手にルルーシュと10歳馬⑧シンゲン。ラクティ9番手、10番手に①サトノアポロ、11番手②マカニビスティー、⑦トップカミングしんがり。
かなり縦長の状態で3コーナーへ向かい、残り800mを過ぎたところで大逃げを打っていたネコパンチのリードが徐々に縮まり、残り600mのところで集団に吸収された。4コーナーで12頭一団となり、先頭争いは内にゲシュタルト、真ん中マルカボルト、ダノバラが外に持ち出す。直線に入ったところでダノンバラードが先頭に躍り出て、トランスワープが必死に追い込もうとする。残り200mでダノンバラードがインに入り、ゲシュタルトがそのあおりを受けて後退。後方ではアドマイヤラクティとサトノアポロが追い上げる。残り100mでダノンバラードが完全に抜け出し、鞍上のフランシス・ベリー騎手がガッツポーズしながら先頭でゴール!
レース終了後、2位で入線したトランスワープ陣営から「ダノンバラードが急に斜行して来た」と進路の取り方について異議申し立てを行い、審議となりましたが、「斜行があっても被害馬が加害馬に先着できなかった」という判断が下されたため、到達順位の通り確定となりました。
AJCCは、3番人気のダノンバラードが2着に1馬身1/4差を着けて勝利。2010年のラジオNKKEI杯2歳ステークス以来約2年1か月ぶり、通算2度目の重賞制覇を飾りました。1番人気に支持されていたルルーシュは9着に敗れ、アドマイヤラクティは3戦連続で3着に入りました。
今回のレースは、後味の悪さが大きく残ったような感じもしました。ダノンバラードがラスト200m辺りで急に内側に斜行→トランスワープとゲシュタルの進路がせまくなるというのがありました。今年から降着制度のルールが変更され、「妨害が無ければ被害馬が加害馬に先着できたかどうか」が大きく判断されます。2012年までの旧ルールなら、間違いなく降着になっていたと思います。ダノバラは勝利したけど、鞍上のベリー騎手は26日から2月10日まで6日間の騎乗停止処分を受けました。
21日も競馬があり、14日の大雪の影響で5R以降となっていた中山競馬5日目の続行競馬が行われます。メインの京成杯は12頭立てで争われ、前日の前売りオッズでは、①フラムドグロワールが1番人気となっています。京成杯にはハーツクライの子⑥フェイムゲーム、ディープ産駒③マイネルストラーノ、⑪アクションスター、⑫マイネルマエストロなどが出走します。