かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

奈良の鹿が慢性飢餓で危急存亡の時を迎えていたとは、県民なのにろくに知りませんでした。

2018-07-04 21:50:39 | Weblog
 今朝の奈良市アメダスの最低気温は25.2℃、昼の最高気温は30℃、五條市アメダスの最低気温は23℃、最高気温は27.8℃でした。今日は朝からどんよりとしたくもり空で、午後からは時折パラパラと雨が降る生憎の天気でした。時折日差しもありましたがその光は頼りなく、ここ最近では最も低い最高気温になりました。五條市は6月24日以来の30℃割れです。しかし、6月もずっと暑かったように記憶していたのですが、実際には雨が多くて気温が上がった日は少なく、暑いのはこの1週間ばかりだったことに、今更ながら気づきました。記憶などいい加減なものではありますが、急に暑くなったのが余程心身にこたえているんでしょうか?

 さて、奈良といえば奈良公園の鹿、というのが定番で、街中を悠然と闊歩していたり、車の多い大通りの道路を横断して、中央分離帯の草を喰む姿などがよく見られます。人が近づいても驚きも警戒もしませんし、外国人観光客を中心に、盛んに写真を撮られたり鹿せんべいなどの餌を与えられたりしています。それでもれっきとした野生動物で、春日大社の御神獣として、また天然記念物として狩猟が制限されている他は、誠に気ままなスローライフを楽しんでいる様に見えます。その総数は1300頭あまり居るそうで、大昔と違って狼などの天敵もいませんし、更に輪をかけて人間が保護するがゆえに、随分と数が増えてそれはそれで問題になっていたりするようです。
 それはともかくとして、実はこの奈良の鹿、自然の山野で暮らす鹿に比べて、皆随分とやせ細っているのだそうです。一般の野生鹿のオスの成獣は体重50キロほどだそうですが、奈良公園の鹿は30キロほど、身体の大きさも明らかに小さく、肉付きも劣るとのことです。
 奈良公園以外の野生の鹿を普段見ないせいか、そんなに小さいだろうか? と思ったりもしましたが、そういえばン十年前の鹿はもっとがっしりしていて、けして今見られるような華奢な姿ではなかったような記憶がおぼろげながらありました。
 ある試算によると、奈良公園の芝生面積から推測される、鹿の餌供給は780頭分なのだそうです。ということは、500頭ほどが余剰になっており、慢性的に不足する餌のために、全体として栄養失調状態になっているのだとか。
 しかしこれはまた難しい問題で、例えば餌をやったりして栄養状態が改善されると、ただでさえ増えすぎている鹿が更に増え、神獣といえども看過できない被害が人間社会に現れてきそうですし、と言って放置すれば栄養失調の過密状態という劣悪な環境から考えると、もしここで伝染病の蔓延などがおこったりすれば、またたく間に絶滅まで行ってしまうやもしれません。実に危うい均衡の上にあるのが現状のようですが、下手に天然記念物に指定したせいもあって頭数制限などの強権を発動するわけにも行かず、行政も手をこまねいているようです。まるで何十匹も猫や犬を飼って世話が行き届かず結果的に動物虐待になってしまっているようなダメな飼育主みたいな状況ですが、ダメ主同様、破滅を見るまで如何ともし難いものなのでしょうか?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする