かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

マリア様がみてる「マーガレットにリボン」感想

2008-04-10 21:03:40 | マリア様がみてる
 私が入手したのが遅かったのですっかり後回しになっておりましたが、マリみて新刊の感想など、したためておこうかと思います。

 前回が祥子さま春の遊園地リベンジデートということでしたので、次はてっきり卒業式なのだろう、と思い込んでいました。ちょうどシーズンでもありますし。ところが今回は短編集で、卒業式はおあずけでした。
 どうも祐巳-瞳子姉妹までの道のりが異様に長かったのがいまだに尾を引いているのか、このところの作者は実に気をもたせてくれます。この分だと卒業式は夏に、由乃の妹獲得は秋以降になるのでしょう。まあゆっくり待つよりないですね。

 そんな新刊ですが、これまで「コバルト」誌上に出ていた短編の取りまとめ、ではなく、巻末のあとがきにもあるように全編新作だったそうです。「コバルト」を購読していないので知る由もなかったのですが、正直なところ、あえて今このインターバルをおく必要があったのか、と少なからず思ってしまいました。内容は、前薔薇様3人の単発エピソードがそれぞれあり、前回明らかになった、志摩子の今は無き本当のお父さんと兄(系譜上は叔父)の話、祐巳の話が2編に、祐巳の傘の話が1つ。それを、バレンタインのお返しを祐巳、志摩子、由乃の3人で知恵を絞って製作する、という話で繋いで、一つの流れを作っているという形になっています・・・が。今描きながら気づきましたが由乃メインのお話がないではありませんか。祐巳は2つもあるのに。さらに前薔薇様3人に山辺父娘、加東景サンに静さままで出て来たというのに。ちょっとかわいそうな気がしますが、その分次の次くらいで主役を張るということでバランスをとっていただくとして、さて今回、新作といいながら、どうも内容がやたらと古いのです。江利子山辺娘に会う、というのは「バラエティギフト」のときの話。聖景イタリアを行くの話はその次の「チャオ ソレッラ!」。コンビニで誰かに持っていかれた祐巳の青い傘の話は、更に古く「レイニーブルー/パラソルをさして」の話。まあ確かに気にならないことではなかったエピソードではありますが、それにしたってこう何年も経ってから改めて語られても、どう受け取っていいものやら。そのくせ祐巳の話2編は極最近のお話になっていて、やっぱり主人公としてひいきされているのだろうか、といらぬことを考えてしまいました。
 まあすでに本筋からはご退場遊ばした前薔薇様のお元気そうなお顔をちゃんと挿絵つきで拝見できましたし、前回どう観てもとってつけた感がぬぐえなかった志摩子の謎に、まずまず納得できるだけの背景を見ることができましたし、卒業式前の箸休めとしては、十分満足できる内容だったと言えるでしょう。あの青い傘の遍歴については、いくらなんでもなぁ、なんて思ってしまいましたが(汗)。
 それにしても、次こそは卒業式、そして由乃と菜々の新しい世界を描いて欲しいと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする