かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

マスコミが学会の代弁者でどうするというのでしょう?

2006-10-04 20:19:15 | Weblog
 名古屋メンコミ準備会から、サークル入場券が送られてきました。注意書きはA41枚とコミケに比べると実にお手軽な内容ですが、規模を考えれば結構丁寧になさっていると思われる内容で、初参加の私としては随分助かります。あとはしばらく出し物の制作を続けるのと、名古屋までどうやって時間内に行くかを調べなくてはなりません。多分朝1にたてば充分時間までに到着できるとは思うのですが、名古屋駅からの交通事情も調べておかないと、本当に間に合うかどうか判断できないわけで、ぼちぼち調べを進めていこうと思っています。

 腎臓売買移植事件はマスコミも食指が蠢くのか、更に取材が進められているみたいですね。日本移植学会では、臓器提供者を親族に限るという指針を出しているという事ですが、それに対して偽装結婚したり養子縁組をして、親族として臓器提供を申し出る、という事例が過去あったんだそうです。偽装結婚では金銭トラブルから、養子縁組では背後に暴力団の影が、などと、どちらも臓器売買と同様あまり芳しくないお話として紹介されているのが印象的でした。更に病院によっては学会の指針よりも厳しい独自規定で対応しているところもあるとも紹介されております。学会や医者の側は臓器の提供を親族の自発的かつ善意によるモノ以外を認めない、という方針だという事で、先の報道の例などを見るとマスコミもそれを是としている模様ですが、どうも私には、学会や病院側が「善意以外の臓器提供の可能性」について真剣に考えず、何かと七面倒くさい事態に巻き込まれないようにしたいという逃げ口上を、マスコミがお墨付きを与えているかのようにも見えます。指針をゆるめれば患者のモラルが低下する、という識者のコメントも載っておりますが、さて、生活を左右されるような事態に陥ったときに、一体何人が逍遙としてモラルにこだわることが出来るでしょう。そのことの是非は色々あるかも知れませんが、私はなりふり構わず生に執着するヒトに対して、「見苦しいからお止めなさい」ということは出来そうにありません。そもそも親族の善意、などという極めて限定された規定は、果たして許容される制限なのでしょうか? 極端な話、親族がいない天涯孤独のヒトは臓器移植を望んではいけない、あなたには提供者がそもそもいないからあきらめなさい、と言う事なのでしょう。
 さらにいうなら、基本的にこんなにも厳しい指針があるが故に、抜け穴を探そうと必死に知恵を絞る患者のモラルハザードが起きるのではないか、また、それを食い物にする連中がはびこるのではないかと私は確信するのですが、ちょうどそれは、禁酒法と密造酒の関係に似ているんじゃないかと思います。
 そもそも学会にしても医者にしても厚生労働省にしても、なぜ臓器移植を親族に限定するのか、何かトラブルがあったときに大変面倒だ、という後ろ向きの理由じゃなくて、臓器移植を望む患者に対して、格調高く人々の倫理観を称揚出来るだけの説得力を持つ理由を、今こそ高らかに宣言すべきでしょう。それが納得いくものであるならば、モラルハザードなど心配する必要などなくなるでしょうし、そうでないならば自らの怠惰を押し隠すために本音と建前を使い分けているに過ぎないことを改めて告白し、もって臓器移植に関するさまざまな論議を行うためのきっかけとなすべきではないでしょうか。そしてそのことを促すのが、この問題に対するマスコミの最大の責務だと思います。

コメント
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