かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

アンケートと言うのは面白いものですが・・・

2005-11-07 22:40:26 | Weblog
 今日は立冬。24節季では一応冬の始まり、という所なのでしょうが、新暦でそう言われてもあまりピンときません・・・と言いたかったのですが、今日の帰りはなるほど、冬が近いなと思わせるものがありました。昨日までちょっとぬくかったせいもあるのですが、明らかに空気の感触が違います。私の普段の乗り物が単車なためか、空気の変化がけっこう鋭敏に感じるのです。ここまで一向に11月らしくない妙な秋が続いていましたが、いよいよそれも終わりかも知れません。うちのサボテンもそろそろ冬仕度を整えて、水やりも控えていかないといけないでしょうね。

 さて、ネットニュースを見ておりますと、東京の調査会社による現代人の恐れるものアンケートというのが載っておりました。それによると、大地震、異常気象、強盗が怖いものベスト3だそうですが、なるほど、世相を反映しているというか、一瞥したときはそれほど疑問もありませんでした。でも、よくよく考えてみると何かヘンです。まず、調査対象が誰なのかが明示されておりませんので、一体この数字が代表しているのは誰なのかが見えないと言うのがあります。もし東京中心でしたのだとしたら、ひょっとして調査の直前くらいに結構大きな地震があったのではないでしょうか? さる人の日記でも、棚が落ちたかして甚大な被害があった旨、最近書いておられましたが、もしその直後の調査だとしたら、大地震がトップというのはその時だけの現象だった可能性があります。まあたとえば、その後防災グッズの売れ行きが好調だとか、自治体で防災訓練などの参加が増えたとか、何か具体的な行動があればそれはそれで結構かと思います。でも、もしそういった裏付けが無いとしたら、そのアンケートの価値は話の種以上にはなり得ません。いつもこの種のアンケートを見て思うのですが、単に人に何か質問をして答えを得たとして、その答えが正しくその人の内心を反映しているかどうかはちゃんと検証しているのでしょうか? 人間の心理として、結構内心と乖離した答えをする事が結構あって、社会科学ではそう言った誤差を加味して正しい答えを得るためのアンケート方法が結構研究されていると思うのですが、どうせ発表するなら、どういうアンケート手法で何人のデータを集めたか、も合わせて書いていただきたいものです。
 2位の異常気象、と言うのも、よく判りません。これは地震とは逆ですが、具体的に何を怖いと思っているのか、回答者に具体的なイメージが描けているのかどうか見えてこないのです。異常渇水で水道から水が出なくなった経験者や、集中豪雨で床上浸水や土砂崩れを経験した人ならともかく、何をどう怖がっているのでしょう。私など子供の頃は大阪の町中に住んでおりましたが、台風で風がびゅうびゅう吹いて大雨が降ったりしましたら結構興奮して喜んでおりました。家が飛ばされるくらいになればさすがに怖かったと思いますが、本気で異常気象など怖がっている人がどれほどいるんでしょう?
 3位の泥棒・強盗などの侵入者、というのを見ても、回答者が都会の人に偏っているような気がします。田舎の人でその事に対して切実に恐れを抱いている人など、あまりいないんじゃないかという気がするのです。私の住まいから20キロも行った所では、まだ、鍵もかけずに外出したり寝たりする人々が結構いたりします。のんびりした田舎ではそう言うものが第3位にランクするほど恐ろしいというのは、実感がわかないことなんじゃないかと思うのです。
 でも、そもそもの疑問は、このアンケート、何を目的として取られたのかが判らない所でしょう。しゃれならしゃれで結構ですし、話の種になれば充分、と言うならそれもよいでしょう。でも、ちゃんとした会社がお金をかけてとったアンケートが、そんな目的で取られたとは思えないのです。きっと何かちゃんとした目的があったと思うのですが、どんな目的であったにせよ、小学生の夏休みの宿題じゃないのですから、アンケートをとったらこんな答えが何%ありました、だけの話しか出せないのでしたら、別に公表する必要もないでしょう。ましてやその答えが本当に欲しい答えだったのかどうかも判らないのでは、小数点以下1桁まで%表示してみても全くの無意味です。紙面の都合などもあるのでしょうが、もうすこし意味が見えて、データを読むのが楽しくなるようなアンケートをして欲しいと、マスコミや調査会社の方にお願いしたいと思います。

コメント
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