試写会に行ってきました。
ジムキャリーの映画は久しぶりです。離婚後のショックから(?)何事にも後ろ向きで「NO」ばかり言ってきた主人公カール(ジムキャリー)がどんなときにでも「イエス」と言おうという自己啓発セミナーに誘われ行ってみたところ、これから何事にも「イエス」と言うという誓いを立てさせられ…(このセミナーの教祖さまみたいのをテレンススタンプが演じていて、映画ファンとしてはビックリするやら、うれしいやら)
BBCのプロデューサーが実際にどんなことにも「イエス」と言うことを決めて過ごした7ヶ月のことを書いた本をベースにできた映画。そう言えばそんな人がいるっていう話、どっかで聞いたなぁ。そのときは「ふーん」ってたいして興味持たなかったんだけど、この映画を見て俄然その本家の本に興味が出てきた。いつか読んでみたいと思う。
さて、映画のほうだが、ジムキャリーって百面相の特技のせいか分からないけど、こういう無理やり何かをさせられる的な役が結構ある気がする。「ブルースオールマイティ」とか「ふたりの男とひとりの女」「ライヤーライヤー」そして、彼の出世作の「マスク」となんか自分の意思とは違うけど、勝手に動いちゃうのよーみたいな役が多い。今回はまさにウソがつけない「ライヤーライヤー」の「イエス」版で、今度はウソは言えるけど、イエスしか言えない。たとえ、心の中は「ノー」でも「イエス」と言わなくちゃいけない。
そのおかげで、彼が経験することの数々が結構笑える。そこはもうジムキャリーの独壇場の見せ場となるわけで、彼を主人公に置いたのは大正解。ひとつひとつのエピソードは書かないでおくけど、かなりの数あってどれも楽しいし、どれも伏線となって役立つときがやってくるっていうのがまたコメディらしくていい。途中でちょっと悪ノリ風になるのはまぁジムキャリーだから、それくらいはしょうがないって範疇で許しちゃいます。
彼がイエスマンになってしまったせいで、テロを企てていると誤解され捕まってしまうところは大爆笑してしまったのだが、そうやって、捕まってしまったことがきっかけでいい感じにいっていた恋人アリソンズーイーデシャネルに彼がすべてにイエスと言うと決めているということがバレてしまい、結果的に彼女を傷つけることになってしまうという出来事には、映画の中のロマンスの展開ということを越えて、普遍的なテーマが隠れている気がする。
様々なことにイエスと言うことによって、開けてくる人生があるというのは、実際そうかもしれない。ただやはり取捨選択しなければいけないのも事実。そりゃ、殺人を依頼されて何も考えずにイエスなんて言えるわけないんだし。カールも元妻からの誘惑にはがんばってノーと言ったしね。あれはエラかった。イエスと言うにしてもノーと言うにしても、自分が自分の人生をどのように生きたいかを考え、そして、自分の気持ちを大切にすること、オープンマインドにポジティブに、そんな生き方ができたら素敵だなぁと思わせてくれる作品でした。
オマケ1劇中でアリソンが歌うバンドの曲が、ぜんぜん人気がないっていう設定だったけど、ワタクシは結構いいと思った。サントラ買おうかな。
オマケ2そのバンド名がなんと「代理ミュンヒハウゼン」っていう名前で、ちょっと前なら「変な名前~」と思っただけかもしれないけど、数ヶ月前の日本での事件ですっかり有名になったシンドロームの名前ですね。なんだか変にタイムリー…