ケーブルテレビで見ました。キム兄こと木村祐一の初監督作品です。
山梨県で実際に起きた事件を基に作られた作品だそうです。紙すき産業がさかんな村でチンピラ大津シンゴ板倉俊之がニセ札つくりを紙すき職人橋本村上淳、カメラ屋花村(キム兄)、元軍人戸浦段田安則、小学校教師かげ子倍賞美津子にもちかける。始めは拒むかげ子だったが、貧しい村人や空っぽの小学校の図書室を見て加担することに同意する。
芸人さんが撮ったわりには、終始真面目なつくりです。特に奇をてらったところもないし、基本に忠実な感じ。でも、ワタクシはなんか好きだな。こういう戦後ものが好きっていうのもあるかもしれないけど、実際にニセ札ができるまでのプロセスとか、なかなか楽しいものがありました。
やっぱりこのシチュエーションが成り立つのってあの戦争の直後だからなんだと思います。軍国主義一色で育てられてきた自分たちの国が負けて、あっさりいままでの自分たちを全否定された人々。国は間違ってたくせに国が作ったお金と私たちが作ったお金の違いは何?って純粋に思っちゃったんですよね。そう、それが間違ってることなんて価値観は完全にぶっ飛んじゃったんですよ。だって、国だって間違ったじゃないって。そう思うことって何もおかしくないとワタクシは思います。捕まってから裁判でかげ子が言ったことはありきたりのようでいて、実は重い言葉なんじゃないかなぁと思いました。
これは山梨県で実際に起きたことだそうですが、それならなぜわざわざ関西弁にしたんだろ?それもなぜ板倉?キム兄だったら関西弁をしゃべれる知り合いならごまんといるはずなのに、どうしてわざわざ関西弁をしゃべれない板倉に変な関西弁をしゃべらせたのか?倍賞美津子は女優さんとして使いたかったのだとしてもそれなら全員標準語で良かったような気がします。
監督が芸人さんということで笑える面白さを求めて見ると失敗する作品です。
「映画」もいいけど「犬」も好き。という方はこちらもヨロシクです。我が家の犬日記「トラが3びき。+ぶち。」
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