劇場公開のときに見たかったけど、見逃してしまった作品です。ケーブルテレビで見ました。
会社をクビになり、彼女には浮気され、友人をたよってニューヨークにやってきた早々強盗に殴られ財布を盗られた不運な男スレヴンジョッシュハートネット。友人は不在で友人のアパートで待っていると、彼を友人だと勘違いしたギャングに拉致られてしまう。そこでギャングのボスモーガンフリーマンから借金の代わりに敵対する組織のボス“ラビ”ベンキングスレーの息子を殺すように命令される。スレヴンはボスから解放されてすぐにまたラビの組織にも拉致され、借金を返すよう迫られる。
スレヴンは警察に行っても無駄だとギャングから脅され仕方なく殺しを引き受けるハメに。最初は自分は友人とは別人だと説明しようとするスレヴンだが、途中から完全に説明する意欲を失ってギャングの言いなりになるようになる。この辺の展開がちょっと無理がありすぎないか?ということと、スレヴンのシークエンスの前に2、3の別の物語のシーンがあって、そこでは殺し屋ブルースウィリスが無関係の青年に昔の八百長競馬の話をひとしきりしたあと殺していたり、おっさんが撃たれたりしたのに、その話は急に一切登場せず、スレヴンの話に終始するところに疑問を感じながら見続けないといけない。
え?あの最初の話はどうなったの?と思っているとやっと中盤くらいから殺し屋ブルースウィリスも登場するようになる。どうやら、スレヴンは人違いされたまま、人殺しを実行するしかなさそうだ。しかも、その後この殺し屋に殺されるというシナリオらしい。
間違えられた青年スレヴン、彼と知り合ったばかりだが恋に落ちた女性リンジールーシーリュウ、殺し屋、ボス、ラビ、そこに彼らを追う刑事ブリコウスキースタンリートゥッチも混じって、先の展開が一切見えない。
なんか中途半端に終わるんちゃうやろなー?と疑い始めたころに、バラバラバラーと今までの展開を紐解いて説明してくれることになっている。最初に殺された青年も、八百長競馬の話も、殺されたおっさんもすべてきれいにつながりがあったことが分かる。謎解き話というよりも向こうが親切丁寧に解説をしてくれるので謎解きが苦手なワタクシとしては非常に嬉しい展開でした。そこがイヤという人もいるかもしれません。
後半、人の良さそうなちょっと気の弱そうなスレヴンの目つきが変わる。ここのジョッシュハートネットが良い。どこか飄々とした表情からキリリとした表情へ一瞬にして変わる。八百長競馬が原因で家族を皆殺しにされたスレヴンは、ボスとラビと刑事にそのときの復讐をするために育ってきた。いよいよその時が来て彼は躊躇なく3人を殺す。物語としては単純な復讐劇なんだけど、そこにひねりを利かせた脚本がいい。唯一の計算外だったリンジーの登場もラストで見せたような展開にしてあるところが清々しい。寡黙な殺し屋ブルースウィリスが光っている。(頭ではなくて…)
残念なのは、「ラッキーナンバー7」という邦題でした。原題は「Lucky Number Slevin」で馬の名前にかけてあるもので、もちろん響き的にLucky Number 7ともかかっているんだろうけど、それをそのまま邦題にしちゃったらダメでしょ。これじゃあ、ラスベガスかどっかのカジノの話と思ってしまわない?
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