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シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

SAYURI

2009-02-13 | シネマ さ行
こないだケーブルテレビで放映されていたので見ました。

まね、なんで中国人?とか、なんで英語?とかそういう疑問はさておいて。というか、さておかなければこんな映画見れませんよ。かく言うワタクシも途中まではこれが気になって気になって仕方なかったんですよ。「あ~ナチスの映画を英語でされるとドイツ人はこんな気持ちになるのかなぁ」なんて思いながら。でも、途中からこれはハリウッドファンタジーなんだっ!と腹をくくって見ることにしました。だって、ほら、日本人だってアメリカ人役をイギリス人が演じてたって、オーストラリア人だってアイルランド人だって、気にしない人多いじゃないですか。だから、日本人役を中国人が演じてたって、そんなに目くじら立てちゃダメってことなんでしょう。

芸者は女郎とは違って、体じゃなく芸を売る仕事とか言いながら、さゆりチャンツィーイーの水揚げ(旦那に処女を捧げる)の話にほとんどの時間を割いてしまったのが、ちょっと残念でしたね。体を売って金儲けと、体を売って権力を得るっていうのが違うっていうことなのかもしれないけど。あれじゃ、芸者の良さっていうのがいまいち表現できてないと思いました。さゆりも会長さん渡辺謙に恋してるわりには自分の水揚げに関するかけ引きを楽しんでいるふうもあったし、あの辺はちょっと不思議だった。

役が良かったせいもあるかもしれないけど、さゆりの面倒を見る豆葉役のミシェルヨーがすごく良かったね。なんか若いときの倍賞美津子みたいな雰囲気でしたね。さっぱりしてて、面倒見が良くてカッコよかった。彼女も結局は権力争いにさゆりを利用してるだけかなぁという感じもしなくはなかったけど、それだけじゃない優しさを持っている芸者さんだった感じがした。

日本人の中では桃井かおりは撮影中に監督が実力を分かってくれて、大きいスター用のトレーラーに変えてくれたとか話題になってたけど、彼女の魅力はそこまで出切ってなかったような気がするな。彼女が登場するシーンはほとんど画面が暗すぎて表情があまり見えなかったし。子役の大後寿々花ちゃんはすごいね。英語も喋れないのに、あんなにセリフぺらぺら言って。この歳にしてプロって感じ。工藤夕貴はなんで、あんなに戦後のパンパンみたいなのがすごい似合っちゃうんだろうかね。ってこれ失礼なこと言っちゃってますが。彼女のことはそんなに好きじゃないけど、さすがアメリカで頑張ってるだけあって、英語は一番上手だった。

最初にも書いたように、これがザ・ハリウッドファンタジーだと思って見れば、まぁ悪くないと思います。先に書いた水揚げのかけ引きのとこなんかは“いいのか、さゆり?”と思いつつも面白かったしね。いままでぜんぜん思ったことなかったけど、チャンツィーイーも可愛かったし。「あかあさん」「置屋」「だんな」とか突然日本語になるところがあって、これはアメリカ人は理解できるのか?と心配になったけど、どうなんでしょうね。

このブログでは新作は別として、旧作は面白くなかったものをわざわざ取り上げてこき下ろそうというつもりはまったくないので、この作品もここに取り上げたということは、ある程度みなさまにオススメできるかなぁということです。もちろん、何度も書いているようにハリウッドファンタジーだということを受け入れられればという条件付きですが。


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