シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

風が強く吹いている

2009-10-23 | シネマ か行
試写会に行ってまいりました。

ワタクシ、長距離走は何よりも嫌いですし、箱根駅伝もいままでテレビでちらっと見たことがあるくらいで全然興味なかったです。なので、この作品も試写会が当たらなければ見ることはなかったかもという感じの作品でしたが、内容は面白かったです。

高校のとき足をケガしていらい第一線から外れていた寛政大学4年生のハイジ小出恵介が1年生のカケル林遣都をスカウトし、やっとの思いで弱小(というか実体の全くなかった)陸上部10名で箱根駅伝を目指そうと言う。ハイジとカケル以外の8名はいままで長距離の経験のないものがほとんどだったが、青竹という陸上部の寮に住み、ずっとハイジが作るバランスの取れた食事を摂り、まかないつきで月3万という格安の寮の「毎朝5キロ走る」という条件だけは守りながら生活していた。ハイジはその基礎体力があれば、これから1年間練習をすればこのメンバーなら充分に箱根を狙えると言うのだ。

漫画オタクでもっとも体力のない王子中村優一
ニコチン中毒で留年しているニコちゃん先輩川村陽介
海外留学生のムサダンテカーヴァー
田舎では“神童”と呼ばれていた凡人の神童橋本淳
すでに司法試験に合格しているユキ森廉
クイズ王のキング中野謙太
双子のジョータ斉藤慶太とジョージ斉藤祥太

10人いて、覚えるのが大変なんだけど、それぞれが個性的で少しずつ全員の背景とかが分かる仕組みになっていて、双子の見分けだけはつかなかったけど、一人一人に感情移入ができるように作られていたところが良かった。

熱血スポ根ものなんだけど、それだけではなくってところどころに笑いがあったのも良かったな。くすっとなる笑いとほろっと感動するところが両方あって、いい感じでした。ほろっとするエピソードがいくつも挿入されるけど、やっぱり一番は神童のエピソードだろうな。彼のシーンでは劇場でも鼻をすする音がそこここで聞こえていました。

真剣に箱根駅伝を目指している人からすれば、そんな簡単に箱根に出られるわけがない!って怒られるかもしれないけど、その辺はまぁ許してちょーだいなってとこでしょう。

とは言え、この作品に出演している役者さんたちは結構真剣にトレーニングを積んでから撮影にのぞんだらしく、特にカケル役の林遣都くんの体はすっかり本物の長距離選手のようで、走っている姿もすごくリアルだった。実際にトレーナーに長距離走の選手にスカウトされたとかっていうウワサは本当かどうか分かりませんが。

小出恵介くんは、「のだめ」の真澄ちゃんの演技しか見たことがないんですが、真澄ちゃんの演技とこのハイジの演技ができるということはこの2作品を見ただけで十分に演技の幅の広い人だということが分かりますね。ちょっとクサめになってしまいがちな役どころで難しかったと思うんですが、まだセーフな感じでした。

原作が直木賞受賞作品でもありますし、最近、マラソンブームなことも手伝って見に行く方も多いかもしれませんね。