シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ATOM

2009-10-13 | シネマ あ行

「鉄腕アトム」は実際にテレビで見ていた世代じゃなくても、多くの人が郷愁を感じる作品ではないかと思います。そんなアトムがアメリカ、香港の製作によるCGアニメとなって帰ってきた!と言っても、ポスターを見た瞬間から「へ?」ってなった人が多いんじゃないかな。だって、主人公の顔が全然アトムじゃないんだもの。

もうそれを見ちゃった瞬間から、この作品を鑑賞するためには
「これは別物、これは別物これは別物
って碇シンジの呪文のように唱えなければいけないんだよ、きっと。

と、思いながら試写会へ行ってまいりました。

期待してなかったからなのかな。フタを開けてみると結構良かったんじゃないかなと。「これは別物」と大げさに唱えてみたりしたものの、そんなにたくさんの人がアトムに詳しいわけじゃないんですよね。いまの大人の大半ってそんな感じじゃないですか?ワタクシはわりと手塚治虫が好きなので、ちょっとは知ってたりしますけど、若い世代のほとんどの人がアトムって御茶ノ水博士が作ったロボットだって思ってたりすると思うんですよ。だからまぁ、アメリカの新しいCGアニメとして見れば悪くはないんじゃないのと。

なんでテンマ博士は息子に似せたロボットにあんなに武器をいっぱい搭載したのかすごく謎なんですけどね。あれがないと、アトムは戦えないからそれはスルーしますか。

やっぱりアメリカ映画だから、アトムは死んだりしないんですね。その辺はやっぱり原作に沿うわけにはいかないんでしょうね。アメリカの子供向け映画で主人公が死んだりしたら、「そのせいでうちの子がトラウマになったー!」とか言って訴えられちゃったりしてねぇ。とまぁ冗談はさておき。

犬のロボットがわりと脇役としては目立ったりするところはやっぱりアメリカっぽいなぁと思いました。ロボット革命団はもうちょっとお笑いの役目をちゃんと果たしてほしかった。

ワタクシは吹き替え版を見たんですが、上戸彩ちゃんの吹き替えはなかなか良かったと思います。テンマ博士を演じた役所広司はなんだか一本調子でイマイチだったような。。。

最後に「空を越えて~ラララ星の彼方~」っていう例の主題歌が鳴るんだけど、これって作詞が谷川俊太郎さんなんですね。知らなかったー。3番の歌詞に「人間まもって~」っていうフレーズがあって、なんだかここの部分に来ると妙に目頭が熱くなっちゃうんです。アトムが命がけで守るほど人間に価値があるのか??って真面目に問いかけたくなっちゃうんですよね。そこんとこ、手塚さんも問いかけてるのかもしれないなぁと思います。