シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ココアヴァンシャネル

2009-10-06 | シネマ か行

先日「ココシャネル」を見に行ってからこちらのバージョンはどんな感じか気になっていたので、見に行ってみました。

あとで知ったのだけど「ココシャネル」のほうはテレビ映画だったということらしいし、こちらのほうがフランスの製作で、シャネルのデザイナーであるカールラガーフェルドが衣装の監修もしたということで、こちらのほうが本格的なお話なんだろうなぁと思いながら行きました。

この作品も「ココシャネル」も彼女のほぼ同時期を切り取って映画にしてるんですよね。それでいて、解釈というか話の筋が全然違う。「ココシャネル」のほうでは情熱的にココを口説いて自分の屋敷に住まわせたエチエンヌバルサンでしたが、こちらのエチエンヌブノワポールヴールドは、酒場でちょっとココオドレイトトゥにちょっとちょっかいをかけただけの人。なんかすごいおっさんだったし。その後ココのほうからエチエンヌの屋敷に押しかけ女房ならぬ、“押しかけ愛人”しちゃう。ココを自分の友達ボーイカペルアレッサンドロニボラにとられそうになってプロポーズはするものの、こちらのエチエンヌは情熱的にココを愛していたとは思えない感じだった。そして、ココが本気で愛するボーイカペラのほうもココと知り合ったときにすでに別の女性との結婚が決まっていて、ボーイカペラが別の女性と結婚したあともずっと愛人関係は続いていて、ココが開いた帽子屋への投資も行っていたというところも「ココシャネル」とは微妙に物事が起こる順番が違ったり。

先に「ココシャネル」を見ていたせいで、「あ、ここも違う。ここも」と思いながら見ていた分イマイチ物語そのものに集中して見れなかった気がする。もちろん、恋愛を描く中にも彼女が既存の女性のコルセットやドレス、無駄な飾りなどを嫌って自分で男性用の服を改造して着ていたさまや、それを周囲がどんなふうに受け止めていたか、シャネルの特徴である、黒、マリンルック、ジャージ素材などとの出会いも描かれてはいる。

ただ、ワタクシとしては彼女の恋愛の部分よりも、彼女のファッションが世界でどのように受け入れられ、評価され、広まっていったかとか、どんなふうに新しい服を創造していったかとか、ファッションショーの裏側はどんな感じだったかといったことのほうに興味があったので、その辺を見たかったなぁと。まぁそれは、ワタクシが勝手に見たいと思っている部分なので、そんな仕事の面より彼女のプライベートとか恋愛とかに興味がいく人のほうが多いのかな。それに原題の「COCO AVANT CHANEL」っていうのは「シャネルより前のココ」って意味らしいから、シャネルがシャネルになる前のココの素顔ってことで、ココシャネルの仕事ぶりを見れることを期待するのは的外れというわけだろう。

もうこうなったら、せっかくだから「シャネル&ストラビンスキー」も見に行ってみようかな。