シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

パイレーツロック

2009-10-28 | シネマ は行

10月も終わりに差し掛かったところで、今年1番の作品に出会えたかも!

60年代です。ラジオです。ロックです。イギリスです。

そこんとこのキーワードに引っかからない人には、つまらない作品かもしれません。ワタクシはやっぱり好き。音楽に関してはオタク的に詳しいってことはないけど、やっぱり好き。そして、あの時代の雰囲気も、好きです。

とにかく、この海賊ラジオ局RADIO ROCKのDJたちがみんなカッコイイ。いや、見た目は全然カッコよくないエロじじいがほとんどなんだけど、それでもやっぱりカッコイイんですよ~。一番カッコイイのはどんな役をさせてもハマってしまう、完全メタボなヒゲおやじのザ・カウント(伯爵)フィリップシーモアホフマンですねー。なんで、あの顔で!あの体型で!あんなにカッコイイんだろうかぁ???すごく謎。いや、でもしびれるくらいカッコイイ。「イギリスです!」なんて高らかに宣言しておいて、一番カッコイイDJがアメリカ人ってどうよ?って思うけど。ごめん。

船長のクエンティンを演じるビルナイは今回キレた役じゃなかったですね。でも、この人が船長なんてもうそれだけでワクワクしちゃうじゃないですか。
ニックフロストもねぇ、あんなにデブでカッコよくもないのになんであんなにモテちゃうの?って普通なら思うところだけど、この作品の中だとまったく違和感ない。
伝説のDJギャビンを演じたリスエヴァンス。なんかこの人はイカレた役のイメージしかなかったんですけど、今回はめずらしくカッコよかったですね。いや、イカレてはいたけど。女にだらしなくてサイテーのヤツなんですけど、それでもなぜか仲間は結局許しちゃう。それほどにDJとして魅力があったということなんでしょうけど。
オバカなシック(thick)トムブルックも超クールなマークトムウィズダムもひきこもり系ロックな(?)ボブラルフブラウンも、他にも書ききれないけど、みんなみんなイイんだよな~。
そして、クエンティンの友人である母親シャーロットエマトンプソンに更生のため(無理やろ?)この船に放り込まれた18歳のカールトムスターリッジの顔立ちがとっても60年代してて良かったな。

ここで語られるエピソードのほとんどが下ネタ系でして、それが苦手な人は辟易してしまうかもしれません。ワタクシはめちゃくちゃウケました。下ネタ系だけじゃなくて他のシーンもかなりウケたシーンが多かったです。ワタクシは「ラブアクチュアリー」を生涯最高の映画のひとつと思っているので(なんせ「ラブアクチュアリー」だけで5つも記事書いちゃってますからね)リチャードカーティス監督とは感覚が合うのかもしれません。

彼らを取り締まろうとするケネスブラナーを中心とする政府側との対決はそんなに直接的ではないですが、どんなふうになってもロックを愛し、反骨精神で乗り越えていく彼らの姿がとても痛快でした。見ている観客もまるでRADIO ROCKのリスナーになったような気分になれました。

そして、さんざん笑ったあと、最後の放送でザ・カウントが言う「世の中を変えるのは政治家じゃない。夢を持った若者たちがその夢をロックに乗せる。たとえ、自分たちがこの世から姿を消しても書き継がれていくロックンロールが世の中を変えるんだ」というセリフには思わず涙してしまいました。彼らの熱い思いが伝わって自然に涙してしまったシーンでした。

クライマックスのタイタニックぶりはちょっと時間取りすぎかな~という気がしたけど、どうせ助かるに決まってるやろと思っていたザ・カウントが浮上してきたときには「おおおおおーーー!」って嬉しくなっちゃいました。

60年代ロックがテーマの映画ですからね。音楽が素晴らしいことは言うまでもないですね。冒頭から自然に体が動いてしまいます。映画館で黙りこくって座って見てる場合じゃないよってね。いやー、楽しかった!