シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

P.S.アイラヴユー

2008-10-06 | シネマ は行
一緒に試写会に行ったねぇねは号泣だったけど、ワタクシは辛口です。ごめんね、ねぇね。

冒頭でのイキナリの大喧嘩のシーン。ジェリージェラルドバトラーとホリーヒラリースワンクの耳障りな口げんか。ちょっとどうなってんの!?とドキドキはするけど、なんだか二人の声がどっちもダミ声で大声でがなり立てて聞いているのが不快だった。結局出て行けと言われた旦那が一瞬出て行くがすぐに戻ってきて、それを見た妻も「ごめんなさい。愛してるわ」と抱き合い、旦那も「ずっとそばにいるよ」なんて言う。観客はあー、この二人いっつもこんなことやってんだなって分かる。そして、このあと熱烈に抱き合って仲直り。っつーかさー、もっとちゃんと話し合ったほうがよくない?だから、また同じことでケンカすんじゃないの?そのたびに出て行けー、出て行くわー、行かないでー、ずっとそばにいるよーなんて繰り返してんでしょーが。って思って見ていると、イキナリ旦那のジェリーの追悼会。脳腫瘍で死んじゃったらしい。

えっ?まだこの二人がすごく心の底から愛し合ってる者同士ってことも分かんないんですけど?って思っていてももう遅い。ジェリーは死んでホリーは落ち込んでひきこもり、そんなホリーにジェリーから最初の手紙が届きます。

それから、次々に彼から手紙やら風船やら、旅行やらが届く。
亡き夫からの手紙は素敵なものも多く、夫の故郷であるアイルランド旅行のプレゼントがあったりしてアイルランドの風景にも魅せられました。がっ!
夫の親友ウィリアムジェフリーディーンモーガンとそうとは知らずに寝てしまって、その後それが分かってから「大丈夫だよ。彼の思い出話をたくさんしてあげる」って二人とも裸のままベッドで抱き合って亡き夫の思い出話を聞くって、、、ワタクシはえー気持ちワルって思ってしまった。“いい話”的なエピソードだったんだけど、そうは思えなかったなぁ。

ワタクシの場合こういう作品では、主役の二人に感情移入できるかどうかが最大の決め手となるのですが、今回の主役のキャラクター&キャストはダメでした。ジェリーはなんかガチャガチャして落ち着きがなくてイヤだし、ジェラルドバトラーのだらしない口元もイヤだし、ホリーはまぁ悪くないキャラとしてもヒラリースワンクって…彼女にラブロマンス、どうしてやらしちゃうかなー?これが、「スウィートノーベンバー」のキアヌリーブス&シャーリーズセロンとかだったら、ワタクシの感情移入度はまったく違ったんですけどねー。こういうストーリーのキャラクターにはちょっとしっとりしといてほしいなぁ。ジェリーはアイルランド男だから仕方ないんですけどね…せめて、奥さんは美人でいてほしいそのせいかどうか彼らのファーストキスのシーンもまったくキューンときませんでした。ジェリーは全然good kisserには見えなかったな。

それでも、もちろんほろっとはきましたよ。それはホリーの友達リサクードロージーナガーションとママキャシーベイツにかなー。友達は、全然ベタベタしたりしなくってホリーにも過剰に干渉してきたりしないんだけど、必要なときにはいつもそばにいてくれるし、思ったことはちゃんと言ってくれるし、間違ったことをすればちゃんと指摘してくれる。リサクードローは完全に「フレンズ」のキャラのまんまお笑いパートを担当してくれるし、ジーナガーションも“ビッグママ”と呼ばれるキャラにふさわしい。
そして、なによりも感動したのはママかなぁ。「私はひとりぼっちで生きていかなくちゃいけない」って泣く娘に「その通りよ」ってなんの気休めも言わないママ。自分も昔旦那に出て行かれて「自分の意思で出て行ったほうがつらくないって言うの?」と旦那を亡くした娘にハッキリ言うママ。そして、ジェリーを嫌っていたママ。でも、ジェリーの計画に対して「No」とは言わなかったママ。「私たちは独りで歩いていかなければいけないわ。でもそれは私たちだけじゃないのよ。そう思えば慰めにもなるわ」とキレイごとではなくて励ましてくれるママ。クールで厳しいけど、娘のことをいつも見守ってくれていることがよく分かってほろっときちゃいました。

オマケ「P.S.アイヴユー」ですが、ジェリーはアイルランド人なので「P.S.アイヴユー」と言っています。ちょっと耳を澄まして聞いてみてください。