シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

「アイアムレジェンド」(原作本)と「流血鬼」

2008-09-05 | 

映画「アイアムレジェンド」のコメント欄で、原作本と藤子不二雄の「流血鬼」についてのコメントがあり、ワタクシも興味を持ちましたので読んでみました。他の本を読んでいたので随分時間があいてしまいましたが。

さて、まず「アイアムレジェンド」の原作本ですが、ワタクシは映画のほうが好きでした。映画のほうが動きが激しかったし、ロバートネヴィルが医師という設定になっていて、彼の研究が進んでいたので、その部分の面白さがあったと思います。犬と行動をともにしているという点と、最後に登場する女性の部分は原作にインスパイアされてはいるものの、方向性はまったく逆と言ってもいいくらいに変更されていますね。「犬」と「女性」のエピソードは原作のほうが良かったかなと思いますが、それも原作での“動き”がほとんどその2つのエピソードにしかないからそう思うのかなとも思います。「地球最後の男」が原作に忠実なのかどうか知らないんですが、もし忠実だったとしたら、前半で寝てしまったという人がいるのもうなずけます。(原作が面白くないという意味ではなく動きが少ないので)今回の「アイアムレジェンド」のほうは原作本を完全に現代のハリウッド映画に変更したということかと思います。その分原作のもつ雰囲気は壊れてしまったのかなと。心理サスペンスをアクション映画に変えた感じですね。原作のファンの人にとっては悲しい変更だったのかもしれません。ラストも全然違いますしね。ラストに関しては特にどちらが好きというのはありません。原作のラストにはどう考えてもハッピーな気はしませんが、もしかしたら、そこから新しい人類が始まり、ロバートネヴィルのような旧人類が悲観する必要のない世界が生まれるのかもしれません。

「流血鬼」ですが、これもコメント欄で書かれていますが、ワタクシはカルト的なものの怖さを感じました。あれを“ハッピーエンド”と称する方もいらっしゃるのかもしれませんが、ワタクシには“ゾッとするエンディング”でしかありませんでした。コメント欄で通りすがりの藤子ファンさんが書かれているように能力が進化した新人類の仲間に入れた主人公のハッピーエンドというふうに捉えることはできませんでした。もちろん、色んな解釈があってしかるべきですし、作者の意図からすればワタクシの解釈は間違っているのかもしれませんが、やはり、カルトに入らされて、洗脳されると“この集団は素晴らしい”となってしまうというように受け取りました。

どちらも興味深い作品ではありました。今度は映画「地球最後の男」を見てみないといけないですね。